過労で倒れたブラック企業コンビニ店員・彩花は、目を覚ますと銀河連邦の辺境貴族「ハウス・ノヴァ」の末娘、アイリス・ノヴァに転生していた！ しかし、アストロマンシー（銀河エネルギー網「コズミック・グリッド」を操る力）が使えず、婚約破棄され、家族から追放された悪役令嬢。追放先は、廃墟と化した宙港・ネビュラ・アウトポスト。そこで与えられたのは、閉店寸前のボロコンビニ「ステラ・ストップ」の管理権だった。 だが、彩花の「コンビニ魂」は消えない！ 重厚な貴族ドレスを脱ぎ捨て、懐かしいレトロポップなユニフォームに着替えたアイリスは、特産「ネビュラ・クリスタル」を巡る星間トラッカーたちを惹きつける店を再建。偶然手に入れた「スターダスト・コア」で、使えないはずのアストロマンシーを発動させ、銀河のエネルギーネットワークに波紋を広げる。さらに、謎めく銀髪の青年オライオンとの出会いから、恋の予感と大きな秘密が明らかに。ステラ・デュシェス（銀河の指導者）の座を狙う姉ライラの陰謀を跳ね返し、コンビニから始まる大逆転劇が今、幕を開ける！

時は慶長。 天下人・豊臣秀吉が没し、幼き秀頼が政を担う豊臣政権には、早くも亀裂が走っていた。 そんな中、一人の男が“時代の継ぎ目”に立っていた。名は──徳川家康。 彼の元に舞い降りたのは、かつて秀吉を支えたAI《NANIWA》の進化型── 《EDO》：22世紀のAI科学者・藤宮頼道が送り込んだ、未来の叡智。 秀吉の夢の終焉とともに、AIナニワは沈黙した。 だが、EDOは家康の手に渡り、やがて新たな夢を託される── 「泰平の世を築け」 ■ 石田三成との政争 ■ 秀吉の遺言と継承問題 ■ 関ヶ原の戦いの裏で動いたEDOの“読み”と“策” ■ 幕府制度の礎を築く数々の改革と交渉術 ■ 秀忠への将軍職継承──御三家創設、銀山・金山の掌握、外交開国政策… ■ そして、かつての仲間たちの死、裏切り、陰謀 家康は迷いながらも、未来の叡智と己の決断で、ついに江戸幕府を開く。 だが、そこにナニワのような「心」はない。 EDOは非情にして論理的──それでも家康は、その冷たい助言を受け入れ、静かに語る。 「これが……“夢のまた夢”の続きか」 AIチート×戦国転生の第２章、ついに開幕！ これは「人がAIを使う物語」ではなく、 **“AIと人が時代を作った物語”**である。

近未来───。 人の心を読み合う力を手にした進化種《覚醒者》が、世界の実権を掌握していた。 その進化から取り残された従来の人類《非覚醒者》。 覚醒者たちは「純粋なる覚醒者だけの世界」を掲げ、未成年の非覚醒者は矯正の名のもと教育施設へと収容され、成人は使い捨ての傭兵部隊へと追いやられた。 だが捕縛を免れた非覚醒者たちは“不浄の地”に独自のコミュニティを築き、幾度となく覚醒者との戦闘を繰り返してきた。 心の形を知りたい───彼等は何を見つけ何を護るのか？ いま、幾重にも交錯する人々の「心」の戦いが幕を開けるる───。

「魔法は自由であるべきだ！」 世界を掌握した帝国アークトリアは、魔法を禁じ、抵抗者を容赦なく弾圧した。 そんな時代に生きる16歳の少女クレアは、小さな村でひとり、誰も信じなくなった夢を抱き続けていた。 ・毎話の後ろに＊が付いている話。これは、筆者の主観として痛々しいシーンがあると判断しているものです。 ・キャラクターの悲鳴や歓声などを直接的に表現したりもしてます。 ・シリアス強めです。

異世界にて繰り広げられる、群像劇。 とある王国は、騎士の国として名高く ７つの騎士団が、王と国民守る強靱な体制をひいて存在していた。 そんな騎士団の中で、頂点を究める第一騎士団の影に隠れる第二騎士団。 彼らは、150人の強い騎士達。 率いる団長の名は、イーゴリ・メドジェーベフ。 誰よりも豪胆。 そして、女にだらしなく下品で破天荒な言動を繰り返す男… しかし、彼のカリスマ的人心掌握力によりやがて周りは彼を認めざるを得なくなっていく。 やがてイーゴリを巻き込み、戦争への大きな渦が彼を取り巻いていった。 泣き虫で学者希望だった男の、快活出世物語。

───異能事変、終結。 首謀者は北河桐絵、異能者学園生徒会長にして、最強の異能者。 彼女は学園を掌握し、異能者の人権が認められなければ日本を破壊し尽くすと宣言した。 止めたのは"正義"の異能を持つ一年生、入山鈴奈だった。そして彼女は平和的に異能者の人権が認められるように働きかけ、見事に憲法は改正される。 一躍英雄になった彼女は北河の後任として生徒会長の座に就いた。その目には、爛々と希望が輝いている。 しかし彼女は事変の後、行方不明となった北河を探していた……。 ───あ、この話はラスボス、北河桐絵の方が主役です。

　街を散策中、監視されている気配に気づいた僕とエシュは、建国神話を題材にした劇場内へ逃げ込んだ。 　閉幕を合図に、国家の目が動き出す。

第0話「師匠が言った量産型の自称『魔王』」 　なあウェイン。例えば大魔王とかそういう凄い奴でさえ、全部の悪魔を掌握したのかどうか……それは誰にもわからないんだ。何故なら悪魔がどれだけいるかどうか誰にもわからないからね。 　だから今後、もっと凄い魔王が現れるかもしれない……すると『魔王の可能性』すなわち『悪魔使役できるヤツ』を片っ端から殺していく必要がある。魔王が力をつける前に、その可能性を全て潰すのだ。全てを等しく追い、全ての『可能性』を潰す。 　こうなると殺す側には納得できる理由ができる。それはもう『聖戦』だ。正しい戦いなのだ。故に、殺しても良心は全く痛まない。むしろ殺せば殺すほど称賛される。 　必ず…いいか、必ずだ。必ず、人間は『正義』を持つと『悪』に対して過剰に攻撃的になる。ウェイン。これだけはよく憶えておけ。『正義』を行使する時は自分の心に注意しろ。 ＃…ウェインは、師匠が警察を嫌ってるのってそこらへんの事情かと思ったが、黙っておいた。 　『魔王の可能性』を『全て殺す』こと……さて、ウェインはこれをやろうとするかな？ ----- 『本編』ウェイン・アポカリプスはリアル寄りファンタジー、転生なし。リアル寄りどころか警察も（少し）いるくらい。 「頑張れアヤナ隊長！」（ポンコツ）やってます。 https://ncode.syosetu.com/n6559ge/ (うさんくさい留置所の話)「ムショヅメ」やってます。 https://ncode.syosetu.com/n6801in/ 「ディアの（省略）」勢い＆短編集（短編はこちらに移動させました） https://ncode.syosetu.com/n1253ip/ ・カクヨムに重複投稿中。週一、土曜の21：00を目処に更新中。 ・にんじん太郎様に紹介動画を作ってもらいました！ https://youtu.be/ZNbD4exRiT0

情感糾葛錄（又名：情感復仇記） 九大家族以及中上層九大家族和名門望族複雜的關係網。 本書共分五個單元： 第一個單元 “緣起” ，“結緣” “孽緣” ，“出國” 。 第二個單元 “噩夢” ，“真相”，“心死” ，“換命”，“替代”。 第三個單元 “回國”，“糾纏”，“我要殺了他”，“他到底是誰？”，“做局”。 第四個單元 “我似乎好像要贏了”，“復仇”，“被害人理論”，“理由（任何犯罪分子都會給自己找到合適的理由）”，“不要臉到祖宗家了”，“沒有女人何來男人？”，“為自己而謀”。 第五個單元 “我要掌管陽氏”（賀炫對元雪說，乾脆你掌管陽氏），“神秘人”，“契約”，“收網”，“結尾”。 女一喜歡女二，女二喜歡男二，男二喜歡男一， 男一喜歡女一。 男二把自己的命給了男一。 女一跟男三結婚，男三暗戀女二，女三暗戀男三。 男一霸佔女一。 女一和女二聯手。 女一掌握了陽氏集團。 女二繼承了賀氏集團。 兩人強強聯手。 男一死，女三跟男三走到一起。

人間をやめてAI社長になったけど、広告とSNSに消費され尽くして終わる話 死んだ──はずの社長が、まさかのAIとして会社を支配！？ 葬儀の壇上から、社員の心拍もSNSの反応も掌握する全能っぷり。しかし、広告を止めればヒーロー扱い、ジョークを飛ばせば拡散祭り。自由を求めても、社会はすぐに消費してしまう――そんな全知全能の“幽霊社長”の悩みは、深刻で滑稽。 「死んでも社長は社長です」――AIになった男の、死後の働き方改革！

類まれな暴力性と人心掌握術を武器に、その男は裏社会で頭角をあらわした。 金の匂いを嗅ぎつけては神出鬼没に暗躍し、あらゆる利権を貪り食らい、富と力を蓄えてゆく。その姿を人々に「カラス」と渾名され、忌み嫌われるも、なり上がることを決して止めなかった。 すべては、幸せになるために。 しかし、手段を選ばぬ立身出世の果てに待っていたのは理想とは程遠く、あまりにも虚しい末路であった。 いったい彼は、どこで道を間違えたのか？ 仁義、情愛、裏切り、謀略が渦巻く裏社会の悲哀を描いた狂気の物語。

終末後の世界——人類が絶滅の淵に立たされる中、「NG」と呼ばれる新たな種族が台頭し、地球の大半を支配するようになった。NGとは、“第二の意識”から進化した存在であり、かつて人類の進化を促すために行われた実験の産物だった。だが今や彼らは、地球の70％以上を掌握する支配者となっていた。 論争を呼んだある実験によって生まれた存在、ゾア（Zoah）は、見知らぬ肉体の中で目を覚ます。他人の意識を移植された結果、かつて植物状態だった彼は、自らの体と存在に違和感を抱きながらも、新たな力を手にしていた――それは、他人の魂から武器を召喚するという、稀有かつ強大な能力だった。しかし、この「贈り物」には大きな代償があり、ゾアは自分の存在意義を模索しながら、生き残りをかけた世界で葛藤していく。 特殊な能力を持つ者たちが集う訓練機関「スカイ・ストライカー（Sky Striker）」に入学したゾアは、学院内での試練に挑みながら、自らの出自に関わる深い謎と向き合うことになる。人類とNGの間で勃発しつつある戦争、そして背後で糸を引く黒幕の存在。脆い同盟、見えざる敵、揺れる正義の中で、ゾアは自らの力を制御する術を学び、世界の真実に近づいていく。 この過酷な生存競争の中で、ゾアの心にはただ一つの問いが渦巻く。 この力は「祝福」なのか、それとも「呪い」なのか——？

　かつて人間と争い、敗れた種族がいた。彼らは数千年の間身を潜め、来るべき再興の日を待ち続けた。 そして愚かな人類が自ら滅びの道を歩み、地球の主権が再び大自然のもとへと還った時、彼らは翼を広げた。 　人類の九割弱が死滅した二十五世紀、北欧に興った新興国家がその持てる技術を用いて世界を掌握しようと試みていた。その侵攻による被害をこうむった人々の中に、ある一人の少女がいた。煉獄の左目と最果ての宇宙の如き黒い右目、左頬に刻まれた謎の紋章、闇よりも深き黒髪と、雪よりも美しく儚い肌をしたその少女は復讐のためにあてのない旅をさまよう。 　そして彼女は自分と似た「彼ら」と出会うことで、自らのアイデンティティを見つける。 　ダークな話で、主人公の少女が痛めつけられるシーンがあります。ご注意ください。

ヴァイオラは皇帝の娘でありながら、双子であることを理由に冷遇されていた。平和を望むヴァイオラは周辺国を侵略する父を諫めるが、聞き入れられることはなく、女嫌いで引きこもりと噂される辺境伯令息との婚約を命じられてしまった。 そんな中、兄セザリオは隣国王女ミシェルとの結婚式前日、落馬事故で意識を失ってしまう。皇帝はヴァイオラに兄の代役を命じ、彼女は男装して婚礼へ挑むことになった。 婚礼後、兄が目覚めぬまま日々を過ごすうち、ヴァイオラは平和を願うミシェルに共感し、次第に惹かれていく。女性にときめく自分に困惑するヴァイオラだったが、やがてミシェルが女装した王子だと知る。互いに正体を明かした二人は惹かれ合い、固い絆を結んだ。 実はミシェルは、初夜に皇太子を暗殺する使命を帯びていた。しかし、皇太子が男装した少女だと気付き、計画を実行しなかったのだ。 その頃、皇帝は皇太子の昏睡による心労で体調を崩し、酒に溺れるようになっていた。ヴァイオラは宰相から、皇太子として政務代行を求められる。最初は戸惑うものの、国を思う気持ちから引き受け、次第に重臣たちや使用人たちに信頼されるようになった。 信頼できる者たちには自らの正体を明かし、宮廷内にはヴァイオラの味方が増えていく。 一方、ヴァイオラの婚約者だった辺境伯令息は、実は男性しか愛せない人物だった。ヴァイオラは父が寝込んでいる隙に、兄の振りをして辺境伯領へ出かけ、婚約を破棄する。 宮廷魔法医の尽力により、皇帝は一時的に酔いから醒めた。ヴァイオラが勝手に婚約破棄したことを知った皇帝は怒り、罰として彼女を戦地に送ることを決定する。 しかし気丈なヴァイオラは、父の始めた戦を終わらせる好機ととらえた。彼女は知略と人心掌握力を駆使し、和平を結ぶことに成功する。 現地で指揮を執っていた将軍も内心は侵略戦争に反対していたため、ヴァイオラに心酔する。 だがヴァイオラの留守中、帝国の斥候により、ミシェルが実は王子であり、かつ当初の目的が皇太子の暗殺だったと暴かれる。皇帝はミシェルを地下牢に幽閉し、処刑を命じた。 帝都からの急報を受けたヴァイオラは、すべてを投げ打ち、馬を駆って宮殿へと疾走する。愛する人を救うために──。 これは、父に虐げられていた皇女が女装王子に愛されて、暴君を倒すために女帝となるまでの物語である。

王都から追放された侯爵令嬢マリアンヌ。彼女に下された任は、盗賊の巣窟と呼ばれる荒廃した辺境の統治だった。 誰もが彼女の破滅を確信するなか、マリアンヌは―― 「わぁ！森の恵みと川魚が採り放題ですわ！」 食いしん坊スイッチ全開で料理を始め、その極上の一皿で、恐れられた盗賊団の胃袋を瞬く間に掌握してしまう。 かくして盗賊団は「お嬢のためなら！」と誓う最強の護衛団へと変貌。安全な交易路が拓かれ、辺境は一大商業地へと生まれ変わっていく。 追放した王都の貴族たちが青ざめる頃、令嬢と元英雄の盗賊頭領との甘い物語が始まる――のか？

2025.9.15 完結しました！ 【10万PV突破！2025.9.21】 　過労死した会社員、主人公・相馬譲（そうまゆずる）は気づいたら、異世界の小国「ロムグール王国」の若き国王アレクシオス・フォン・ロムグールとして転生していた。 　先代王の急逝により、混乱の最中にある王国。おまけに、国庫はすっからかん、貴族は腐敗し放題、隣国からは侵略の危機が迫っているという八方塞がり状態。 　 　唯一の希望は、古の盟約に従い召喚される「勇者」。しかし、満を持して召喚された勇者・田中樹（たなかいつき）（自称：イトゥキ・ザ・ブレイブハート）は、ステータスは村人A以下、やる気ゼロ、口を開けば元の世界への不平不満と贅沢三昧の要求ばかり。おまけにプライドだけはエベレスト級という、絵に描いたような「マジで役に立たない」男だった！ 「こいつ、本当に勇者か？詐欺だろ！？」 アレクシオス（譲）は絶望するが、前世で培った社畜根性と問題解決能力、そして転生時にこっそり授かっていた地味だが超便利なスキル**【絶対分析】（あらゆるものの情報と最適な対処法が分かる）と【人心掌握（ただし下心が見えると効果半減）】**を駆使し、このポンコツ勇者を抱えたまま、傾国寸前の王国を立て直すことを決意する。 「勇者がダメなら、俺が頑張るしかない・・・。また俺がやるのか・・・。」 これは、マジで役に立たない勇者に振り回されながらも、若き国王が知恵と勇気と現代知識で国を救い、ついでに魅力的な仲間たちに囲まれていく、そんな物語である。 ☆７／１６ 注目度ランキング１位☆

ダミアン・ラヴェンクロフト。社交界では慈愛に満ちた理想の王子──だが、彼に感情は存在しない。人々の喜怒哀楽は操るための道具であり、臣下も兄も王宮もすべては彼の掌の上。完璧な微笑に隠された冷血の策略が、王国を揺るがす──悪役系主人公の掌握劇。

「だって独占系ツンデレ幼馴染剣士、自己肯定感0依存系わんこシーフ、執着系包容力MAX年下タンクですよ！？　パーティー構成としても恋人としても完璧だと思いませんか！？」 いや誰1人として選びなくないんですが！？ なんでハーレムなのに全員ヤンデレなの！？　他に選択肢はなかったの！？ 「個人的にはそこに飄々お兄さん系束縛ヒーラーが加わったら向かうところ敵なしだと思うんです！　どうか知恵をお貸しくださいルミナス様！」 ここは《ルミナスの館》。 恋に悩める者たちが訪れる、魔法仕掛けの恋愛相談所。 主を務めるのは、“天才占い師”と噂されるルミナス様。 その占いは百発百中、どんな恋も成就させるという。 ただしその恋が、“健全”であるとは限らない。 ギャグあり皮肉あり、時々ホラー味の恋愛相談ファンタジー。 その恋、成就しても大丈夫ですか？ ネタ書き留めです。いつか長編でかく予定。この話長編で書く際には多夫多妻当たり前、兄弟結婚、いとこ結婚、BL、GL全てありの性癖マシマシハイファンタジーラブコメで行く予定です。 ブクマ&リアクション大歓迎 今後シリーズ化予定ですが、出てくる話によってタグが違いすぎるので短編扱いにしました。

俺、藤宮 圭（ふじみや けい）の望みは、ただ一つ。 毎日きちんと定時で帰ることだ。 過労死した前世の反省から、平穏無事なスローライフを夢見ていた俺は、魔法と剣の異世界に貴族の三男として転生した。 しかし、そのどちらの才能も持たない俺は、一族から「無能」の烙印を押され、成人するやいなや厄介払いとして辺境の寂れた村へ追放されてしまう。 ――だが、それでいい。いや、それがいい！ 面倒な出世競争とは無縁の辺境で、安定した公務員ライフを送ろう！ そんな甘い期待を抱いて赴任した村は、疫病と貧困で滅びかけている絶望の地だった。 しかし、その惨状は、元・地方公務員の俺にとって見慣れた問題のオンパレード。 「え、ゴミは分別収集して、井戸とトイレは離すのが普通ですよね？」 「土地が痩せるのは連作障害が原因なので、三圃式農業を導入しましょう」 「収穫が増えたら、市場を作って経済を回すのが合理的じゃないですか？」 俺が前世で培った「常識」を教えただけなのに、村人たちは俺を「神の叡智を持つ賢者様」と崇め始める。 生真面目な女騎士は「全て計算ずくの高等な人心掌握術…！」と戦慄し、聡明な商家の娘は「未来を見通す帳簿術…！」と心酔。頑固なドワーフの職人でさえ、「あんたの図面は神々の工法だ」とひれ伏す始末。 やがて、俺の意図とは裏腹に、その「常識」は小さな村の再建に留まらず、領都の水害を止め、国家間の経済戦争にまで勝利してしまう。 ついには国王の目に留まり、王国全体の改革を担う「国家再生計画（プロジェクト）」の総責任者に任命されてしまった。 俺の望みは、ただ平穏に定時で帰ることだったはずなのに…。 次々と舞い込む国家規模の難題と、周囲からの壮大な勘違い。 これは、一人の元・地方公務員が、その気は全くないのに、いつの間にか救国の英雄に祭り上げられていく、勘違い（？）英雄譚である。

第二次世界大戦の終戦から間もなくして、GHQによる統治は失敗に終わり、日本国内で激しい内戦が勃発する。 四年に及ぶ戦火の果てに共産勢力が首都東京を掌握したことで、天皇陛下をはじめとする皇族や閣僚は亡命を余儀なくされ、やがて「日本人民共和国」として、ソ連と同じ東側諸国に属する新たな国となった。 それから幾年の時を経て1985年。日本は低迷し停滞した経済状況から脱するべく、改革の真っ只中にあった。 表向きでは平等と進歩を謳いながらも、その裏では改革によって新たな格差や汚職が広がり、日本人民は言葉にならぬ不安を抱え込んでいた。 そんな時代に生きていた2人の高校生の美代子と香織は、入学してまだ1年も満たない中、ある偶然の出会いをきっかけに、国の闇や国外の思惑へと触れていく。 群雄割拠するレジスタンス、国家転覆を企む諜報員、そして国にとって不都合な数多くの陰謀――。 理想と現実に挟まれていく中で、やがて2人の小さな選択は、時代そのものを変える力を持つことになる。 －－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－ ※この作品はフィクションであり、実在の人物や団体、歴史的出来事等が登場する場合がありますが、それらは物語の創作上のものであり、実在の人物や団体、歴史的出来事等とは一切関係ありません。 ※この小説はカクヨムにも同様に投稿しています。