12月23日––––俺はフラれた。 　彼女には新しい男がいた。浮気だ。おれは、彼女がそいつとの最初のクリスマスを過ごすためにフラれた。邪魔だったのだ。付き合って5年。俺にとって明日––––24日は、人生初のプロポーズをするはずの日だった。 　心神喪失したおれは雪の積もる公園で寝ていた。おれなんか、凍えて死ねばいいと思った。そして、本当に死んだ。夜空から突如降ってきた、サンタ娘の膝ドロップによって。 　しかしおれは〝一旦〟生き返った。クリスマス、12月25日の朝までに、おれと深い関わりのある、おれをフった彼女を含む〝三者の笑顔〟をもう一度見なければいけないという条件付きで––––。 《クリスマス短編小説・全5話》 【カクヨムにて同時記載】