物語の骨格案 1. 主人公像 性質： 他者や動物に触れるだけで、その者の心の澄み・濁りが映し出される。 表向き： 異世界では「不思議な祓い師」や「神祇の徒」と呼ばれるが、本人は自らの性質に戸惑いも多い。 性格： 崇高な理想を掲げながらも、人間的には少し不器用。時に周囲からは狂人めいた風にも見える。 → ここが『ドン・キホーテ』的。 2. 舞台 異世界： 天地の神々が顕現する古代風の大地。 祓詞や祝詞は「術法」として実際に霊的現象を起こす。 社会背景： 人心が乱れ、魔（荒ぶる想念）が獣や怪異の姿を取ってはびこっている。 3. 主題と葛藤 主題： 祈りと祓いによる魂の浄化と、人々の心の再生。 葛藤： 主人公の力は「他人の心を映す」だけで、直接的な攻撃力はない。 そのため戦士たちからは「役立たず」とされるが、実は祓い・鎮魂の根源力を担っている。 4. 構成案 序幕： 異世界に呼ばれた主人公が、自らの鏡のような性質に気づく。 （例：荒んだ兵士が怒りを爆発させるが、祈りによって鎮まる） 冒険譚： 祓詞を唱え、魂を映すことで人々や魔獣を浄めてゆく。 ただし周囲からは「狂気の祈祷師」と揶揄される。 転機： 強大な魔（集合的無意識の濁流）が顕れ、祈りだけでは到底立ち向かえない状況に。 そこで主人公は「自身の魂磨き」こそが世界を救う鍵だと悟る。 終幕： 主人公の祈りが天地の響きと合し、世界を浄める大祓となる。 人々は彼を狂人でなく「鎮魂の騎士」と讃える。

　父親の戦死によって騎士爵家を継承したロドニーは、最北の辺境にある寂れたデデル領の統治者になった。 　しかし、騎士爵家には膨大な借金があった。利子を支払うだけで精一杯で、借金は雪だるま式に増えていた。 　父親が残した本を開いた瞬間、ロドニーは光に飲み込まれた。気づけば前世の記憶を思い出しているが、それは別の世界のものだった。前世の自分の名前も親兄弟の情報も思い出せないが、高度な文明の知識を得ることができた。 　借金苦のロドニーは産業を興して、ラビリンスに入って根源力という特殊な力を入手する。 　幸いにも母方の祖父が商人だったので、その協力を得て特産を売りさばくことができた。なんとか借金を返し、これまで低かった領兵の賃金を底上げし、装備を整えて領兵の強化に取り組んで富国強兵を実現していった。それがいつしか人々の耳に入り、『最北領の怪物』と言われるようになっていくのだった。 　四章（68話）からはロドニーから50年後の話です。 　2023/2/10　書籍１巻発売 　2024/2/9　書籍２巻発売 　お買い求めください！