高校生の凪花は、友達と別れて一人静かに帰宅する途中、桜並木の中でひときわ目を引く古びた桜の木に出会う。その木は不思議な雰囲気を纏い、長い年月を感じさせる存在感を放っていた。幼い頃、亡くなった祖母が語った「桜の木には人の想いが宿る」という言葉が脳裏によみがえり、凪花はその木に引き寄せられる。 木の根元には、雨上がりの柔らかな土から顔を覗かせる古びた箱があった。興味を引かれた凪花はその箱を取り出し、錆びついたふたを慎重に開けると、一冊の古い日記が姿を現す。表紙には「楓」と記されており、その名前に胸が高鳴る凪花は、日記を手に取る。 日記のページをめくると、そこには時を超えて語りかけるような美しい言葉が綴られていた。「桜の木は、僕の記憶の証人だ。いつかこの言葉が誰かに届くことを願っている。」その言葉が、亡き祖母との記憶と重なり合い、凪花の心に温かな感覚を広げる。 日記を通じて広がる新たな物語は、凪花の過去と現在、そして未来を結び付ける鍵となる。桜の木と楓の日記が、凪花の人生に新たな希望を与え、彼女を未知の旅へと誘う——。

５年前。私は秋桜の咲く丘で悲しい恋人達の別れを偶然目撃した……。※この話は『５年後。秋桜の丘で永遠の愛を君に』に登場してくる侯爵子息が何故小説とは違う行動をしたのかという蛇足の話と、前作では登場していない小説のヒロインのお話となります。 ※カクヨムでも投稿しています。カクヨムでは『５年後。秋桜の丘で永遠の愛を君に』という題名で、短編の『５年後。秋桜の丘で永遠の愛を君に』と一つにまとめています。

５年前。私は秋桜の咲く丘で幼馴染に永遠の愛を誓われて求婚された。だけど私は……。 ※早い人で４０秒、遅い人で２分ちょっとで読み終わる、超短編異世界転生物語です。 ※カクヨムでも投稿しています。カクヨムでは『５年後。秋桜の丘で永遠の愛を君に〜全ての始まりとおまけの話』の短編と一つにまとめています。

滑走路の北側に丘がある。丘の上には公園がある。。

生者のための冥府ならば人間性の聖俗に塗れるも当然。 だが。しかし、もし。 死者のための冥府あらば、――あぁ、ただ祈りを。 　 ……夢見る者すらなき夢でまた会えたなら。

私（メイ）の住む街には滅多に咲かない桜の木がある。この桜の木にはとある噂が囁かれており、それは桜の花が咲いた時、亡くなった人に会うことができるというもの。 私は知り合いの男の子の家に向かっている途中、偶然にもその桜が花開いているところを目にしてしまう。そして、そこで私は別の世界から桜の木に連れてこられたという「幽霊さん」に出会い――。

思いと共に彼は行った

桜の丘高等学校。そこの本校舎の遥か西側にある理科室脇の倉庫内には我らが『オカルト部』部室がある。 そして今回の依頼は何時もと変わらない幽霊退治と思いきや何と！ サンタクロース退治なのだっ。 果たしてオカルト部に属する雑用事。杉原(すぎは)響(ひびき)は？

　地球に彗星が降ってくる。しかし、彼女は地球に残った。胸にある決意を刻みつけて。 ――私は、地球と、死ぬ。 何故なら、この星が彼女の眠る地だからだ。 　救いのない結末の世紀末SF。 　自身のサイト「ふみかばんのほーむ」より転載したものです。

世界を疎む青年と、妄想の話。