英雄と称えられる両親の下に生まれながら、全く力が身につかない少年エイク。 　強くなることを願い、ひたすらに剣を振るい過酷な鍛錬を己に課す彼だったが、容赦なく蔑まれ虐げられる。 　彼の心に、激しい憎悪が宿る。 （全員殺してやる。女は犯して殺す） 　そんな業火のごとき怒りを心の奥底に隠しながら、何年もの不遇の時を過ごすエイク。 　だがしかし、その過酷な環境と弛まぬ鍛錬は彼に稀有な能力を与えていた。 　そんな彼の下に転機が訪れる。 　ついに、その過酷な努力が報われ、襲い来る者を粉砕し蹂躙する強さを手にした彼は、それまでの鬱憤を晴らすかのように、己の目的の為に、己の欲望に従って動き始めるのだった。 　これは、そんな剣聖とは呼べない男の物語である。 ＊第１章の前半は、世界観説明の要素が強いです。 ＊復讐要素は、そこまで強烈ではありません。主人公が、女性キャラクターを、復讐の為に、殺すまでする予定はありません。 ＊主人公が強くなるのに割と時間がかかります(第1章の後半まで)。 ＊強くなった後も、主人公は最強でも無敵でも完璧でもありません。時には失敗する事も負ける事もあります。 ＊主人公は極悪人ではないですが、独自の倫理観に従って行動します。その倫理観は、基本的に低めです。特定のシチュエーションでは、特に低くなります。 ＊地球からの転移・転生、及び現代知識の要素はありません。 ＊作中において、レベルやステータスなどの数字で、登場人物の強さを表す予定はありません。 ＊第３章の最後に、第１章から第３章までの登場人物紹介を、第４章の最後に、第４章で新登場したり設定が追加された人物の紹介を載せています。かなり詳細にまとめたつもりです。 ＊第４章の最後に、第１章から第４章までの、章ごとのあらすじを掲載しました。振り返り等にご利用ください。当然ですが、ネタバレ注意でお願いします。 『アルファポリス』『カクヨム』にも連載中の作品です。

　「言葉と文字」の魔法を持つ詐欺師が、病に侵された奴隷少年と出会った時、一つのアイディアが頭に浮かぶ。この病気を治すことが出来るかもしれないーーー。◆実は土魔法の天才だった少年と詐欺師は次第に強い信頼関係で結ばれていき、世界に様々な影響を巻き起こす。なぜならこのふたり、世界でも屈指の魔法使いの才能を持っていたから。◆猫に関する剣術少女の悩みを解決したり、桃の生絞りジュースを一緒に飲んだり、五重の塔を建てようとしたり、異世界Ｔシャツを集めたり………。◆好きなことだけをして生きていきたい詐欺師が神様を楽しませるためにがんばって、素直少年がそれについて行くお話。