十代目歌のおにいさんに就任してから五年。浩之は忙しいけれど充実した毎日を送っていた。 　そんなある日、家を出たところでタイミングよく開いた隣の扉に激突する。その際に知り合った女性に食事に誘われるも、歌のおにいさんには幾つかの規則があった。 『海外旅行禁止』 『車の運転禁止』 『信号無視をしない』 『外での食べ歩き禁止』 『どんなに体調が悪くてもいつも元気に笑顔で振るまう』 　そして…… 『恋愛禁止』 　嬉しくないと言えば嘘になる。しかし女性と二人で食事は規則に引っ掛かりはしないのか。答えが出ないままグルグル悩み、仲間たちに相談しつつ美味しいご飯に舌鼓。 　悩みがあろうがどうしようが子供たちの前では笑顔でいるのが歌のおにいさんだ。笑顔を絶やすことは許されない。 　悩みながらもいつでも軽快に歌って踊る、そんな歌のおにいさんを取り巻く美味しい日常。 ＊この物語はフィクションです。実在する人物、団体、番組とは一切関係ありません。