ごく一般的な家庭で育った男子学生、白河　晶（しらかわ　しょう）。 　忙しく留守がちな父と、仕事を持ちながらも家庭的で優しい母の許で育った晶の日常は、父の不貞が母に知られたことで一変する。 　家に身の置き場がないと感じた晶は、ある日、友人たちとやってきた川で不思議な空間に迷い込んでしまう。現実と非現実の交錯する夢現の狭間で、晶が見たものは……。 ＊この作品はフィクションです。実在の人物、団体、並びに事件及び事故とは 一切関係ありません。 　また、本作の登場人物の行動やセリフは、あくまで物語上のものであり、法律や道徳に反する行為を肯定・助長する意図はございません。 　本作には、直接身体を傷つける場面はございませんが、家庭内暴力、死に関する描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ＊ジャンルはホラーですが、ダークファンタジーとホラーの中間くらいの内容になっており、怖い要素はあまりありません。 ＊この作品は、自作「冷たい玻璃」の世界観と登場人物を引き継いだものとなりますが、そちらをお読みいただかなくても大丈夫です。 ＊この作品は、別のサイトでも公開しています。

　あたし宮嶋悠姫（みやじまはるき）は、甥を乗せて自動車を運転中、対向車線をはみ出してきた車と正面衝突した。 　体感次の瞬間、遥か上空から落下する自分に気がつく。なすすべもなく落下、何かに衝突、転がり水没。 　水底でいろいろ考え観察し、自分の意識が甥の抱えていた超合金装甲車の模型に入っていることを知る。できることはキャタピラで走行することと、ほとんど役に立たない模型の装備を出し入れすること。 　岸に上がって休んでいると、いかにも異世界の人間らしい外見の男たちに拾われる。会話の機能がなく、ただされるがまま運ばれるしかない。 　その後何とか意思の疎通を図り、伯爵家三男だというエトヴィンに、落下時に魔獣を撲殺した恩人と感謝された。 　いろいろ尋ねて、自分も他の人と同程度に些細な魔法を使えることを知る。また、王都に甥の生まれ変わりではないかと思われる少年がいて、生命の危機に瀕しているらしい。 　深い森の中で、少年を救う薬草の採取に協力することにしたが。 　エトヴィンたちとはぐれ、あたしは一人で遠い王都を目指すことになった。 　人との意思疎通が困難な超合金模型の身で、一人長い旅路を走破する、前代未聞の冒険が始まる。 　他のサイトにも、同時投稿しています。

　“彼女”は死後、一枚のカードを手に取った。 　そこに書かれていたのは「役：悪役令嬢」。 『いいかい？　君はそこに書かれた君の役目を果たせばいい。失敗すれば死。一つでも取りこぼせば死。分かった？』 　彼女を転生させるという謎の少年はそう言った。 　魔法が存在する世界、公爵家の娘アルベラ・ディオールとして転生した彼女は時に頼れる仲間を作り、時に誰かを敵に回し、“悪役令嬢”という役を成し遂げるべく二度目の人生を奔走する。 ※不規則投稿中（かなり間隔空きます） ※◆＝イラストありページ 第一章　怪しいお薬　十歳編 第二章　水底に沈む玉　十三歳編 第三章　エイヴィの翼　前編　学園入学編　ヒロインや残りのヒーロー達が登場 第三章　エイヴィの翼　後編　一年時初の長期休暇で冒険編 第四章　第一妃の変化（仮）　建国祭編 アルファポリスにも上げてます。こちらは行間が空いております。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/144906933/966434684

ドイツの悪癖。また自滅しつつある危うさ。

◆　　◆　　◆ 四国の山中、“穴場”と囁かれる美しい無人のダム。眩しい水面、風が縫うさざめき―― だが山道の老人は言った。「この先へは行ったらいけん」。 忠告を笑って湖畔で写真を撮った夜、彼の新しいスマホに〈非通知〉のRINE通話が勝手に繋がる。水底の道端から見上げる画角、無音で行き交う青白い人々――。 切れない通話、増える着信。 湖面を指す老人の言葉が遅れて刺さる――「首は持ってくるな、視線を置いていけ」。切りたくても切れない通話の先で、何が待つのか。 ◆　　◆　　◆

　天体をモチーフとした水底に沈み行く意識。公転していく惑星と同じように、回りゆく精神に水を混ぜ、薄まったそれに微笑む魔女。 　柔らかく、母性を持って待つ。ミルキーウェイは空で輝き、彼女をたたえる。 　肉と魂、分かたれようと守る意志は────変わらない。

浦島太郎が乙姫にかけた呪いを解くべく、龍宮世界へ連れてこられた主人公の少年と、呪われた乙姫の切ない恋物語。

海。暗く冷たく、孤独な場所――それが私、アリシア・トリトニアの育った世界だった。規律に縛られ、愛や自由を知らぬまま生きる日々。しかし、ある日出会ったひとりの少年が、私の心を揺さぶった。その５年後、彼ともう一度会うために人間になる契約を結び、海の底から陸の世界へ。 再び巡り会った少年と、彼にそっくりな容姿を持つ少年、そして義母や魔女たちが絡む複雑な運命。愛とは何か、誰を救えるのか――海と陸を跨ぐ物語の結末は、決して一筋縄ではいかない。 この結末は、愛じゃない

怪談を求めてやってきた若者を襲う悲劇。 人面花。 かっぱ池。 池に出る幽霊。 対峙するのは、パツキン巫女と斜め上の従者と喚ばれる女子中学生。 『障り』による変事で化生となりゆく、人間たち。 次々と起こる変事の根源を辿れるのか。 この世とあの世との境界が交差するミステリー風味のホラー。

愛する人を、その手で水底へ。あなたなら、この運命に抗えるか。 雨が降り続く、古びた町。そこには不気味な言い伝えがあった。「旧家の娘は十八歳になると、愛する男を水に捧げ、人ならざる美しさを手に入れる――」。旧家の末裔である女子高生・香織。十八歳の誕生日が近づくにつれ、彼女の身体には異変が起き始め、日常は静かに水に侵食されていく。そんな彼女の前に現れた、物静かな同級生・翔太。彼の家系もまた、五十年前の失踪事件という悲劇に縛られていた。出会うべくして出会った二人。果たして彼らは、血と水に刻まれた呪われた運命から逃れることができるのか。悲劇の謎に挑む、ジャパニーズ・ゴシックホラー。 水に取られた ―六月の贄（にえ）― https://ncode.syosetu.com/n1197ks/ 八雲島水籠記 － 水に取られた若き研究者の選択－ https://ncode.syosetu.com/n9312ku/

戦で父親を失った嘩椰(かや)姫は戦火の中を二人の家臣に守られ、父親が死の間際に仲を認めてくれた恋人の元を目指して逃げるが家臣に騙され裏切りが判り、裏切った家臣に襲われた嘩椰は自らの舌を噛み切り自害する。 襲った家臣は嘩椰の遺体を蹴って滝に落とした。 嘩椰の身体と魂は悲しみと共に滝壺深く深く沈み二度と浮かぶことはなかった。 それから何百年が経ち、嘩椰姫が落ちた滝は事実とは異なる言い伝えが出来た。 滝の近くの神社に彼女を連れて御朱印を頂きにきた尊仁(たかひと)は、嘩椰姫が落ちた事実は消え滝の水が銘水と言い伝えられていたので水を飲もうと滝まで彼女と行くが、滝から落ちる水はほとんど渇れていた。 水を飲む場所もなく、帰ろうと滝に背を向けたが尊仁の彼女咲希(さき)が不自然に滝壺に落ちてしまった。 やがて咲希は水から出たが、咲希の中には嘩椰姫の魂が入り込んでいた。

　夏の終わり、大学生の智樹は帰省先の村で「鏡池」の悪夢に囚われる。かつて親友・亮平が沈み死んだその池から、水音と共に怨嗟の聲が蘇る。夢に、現実に、亮平の腐乱した顔が現れ「代われ」と囁く。日ごとに智樹は水の幻聴に苛まれ、精神を崩壊させていく。やがて足跡は池へ導き、数日後、笑みを浮かべた彼の遺体が水面に浮かんだ。恐怖は水音と共に読者をも追い続ける。

幼い頃、川に流されかけた少年を救ったのは、亡き祖父の声だった。 その後も“誰もいないはずの声”に悩まされ続け、やがて大人になった彼――父親となった〈えいじ〉。 夏休み、子どもたち三人（ソラ・カイ・リク）が田舎に預けられた夜、忽然と姿を消す。 探し当てた先は、古井戸の底に広がる異界――“水底の村”。 そこには、かつて少年だった彼が六年生の夏に出会い、忘れてしまった“子どもたち”が待っていた。 「来年も遊ぼうね」 そう約束しながら、裏切られてしまった“水の子”たち。 父は、そして子どもたちは、その約束をどう果たすのか――。 水の記憶と、忘れられた声。 ひとつの家族が「恐怖」と「約束」を越えていく、夏の怪談譚。

妖怪百夜物語──一夜目。 今宵もあなたを連れてゆこう。 今日の舞台は冷たく、うごめく海の中。 灯を落とし、息を潜めよ。そこは生の岸ではなく、死者が手招く暗き水底。

水たまりの底で、金魚が跳ねる。 それは愛したものを呼び戻し、人を過去へ沈めていく。 母を失った実家で、私は「見てはいけないもの」を覗きこんでしまった。 「思い出は、呼び戻すものではない。」

夏の夕暮れ、都会から来た青年・和也は、村外れの古い池に伝わる水神様の噂を半信半疑で訪れる。事故で閉鎖された池の底には、怒る水神様がよそ者を引きずり込むという伝承があった。 最初は好奇心だけで近づいた和也だったが、池の水面に映る白い腕や、 不気味な声に次第に心を乱されていく。 夢の中でも水底から囁く声が彼を呼び続け、 恐怖は現実と夢の境界を曖昧にしていく。 警告を受けても、好奇心に駆られた和也は再び池へ足を運ぶ。 光に浮かぶ水面の影、赤い瞳、そして水底から伸びる冷たい手 ――水神様は静かに、確実に彼を抱き込む。 翌朝、村人が池を覗いても、水面には何もない。 ただ、水の底で揺れる影だけが、 夏の終わりとともに次の犠牲者を待っている――

サカマキガイという生き物を知っていますか。見た目はどこの川にでもいるタニシのような見た目をしている貝なんですが、この貝は忍者もびっくりな超能力を持っています。 それは『水面を逆さに進む』というものです。 私が初めてその光景を見たのは高校生の頃で、図書室のカウンターに置いてあった水槽の水面を逆さまに這う生き物がいるのを見つけて、ひどく驚いたのをよく覚えています。それは水面を逆さまにずるずると進んでゆき、水槽の壁に突き当ると壁を伝い、やがて水底の砂にたどり着くのでした。

水のある場所には、何かが潜んでいる——。 浴槽、井戸、湖、雨の夜道……私たちの暮らしに欠かせない水は、ときに異形の息遣いを隠している。 本書は、そんな“水”にまつわる恐怖を描いた短編怪談集。 耳を澄ませれば、もう戻れない。あなたのすぐ近くの水にも、あの音は潜んでいるかもしれない。

新居のアパートに越してきた彩花を襲う、深夜の水道からの「ポタポタ」という音。 締めたはずの蛇口から漏れる囁き声、「助けて…」。 湖の水神伝説と、20年前の溺死事件。 部屋に滲む水滴、鏡に映る歪んだ顔、そして黒い水が彩花の過去を呼び覚ます。 あの夏、湖で何が起きたのか？ 日常に潜む水の恐怖と、封じた記憶に迫る心理的ホラー。 彩花は水底の呪いから逃れられるのか？

八重姫は、祝言の夜、滝壺に身投げをしようとしていた。実家での冷遇に次ぐ冷遇の果て、妹姫に愛する男を奪われたのだ。もはやこの世に未練などない……、と思い詰める姫の耳元で、目に見えぬ何かがささやいた。「おや、美しい花嫁だ。死ぬつもりなら、我が妻とならぬか？」　やけくそで「はい」と答えた八重姫は、水底にある不思議な御殿に引きずり込まれる。待っていたのは、滝と同じ名前を有する、輝くばかりの美青年だった。「よくぞ参った、花嫁よ。ひとたび妻となったからには、決して我から逃れられると思うなよ」……　愛が重たい水龍の神に嫁いだ姫の物語。