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作者:さば缶/作品情報/Nコード:N6795KC
短編 |
水素イオンは孤独な正電荷を抱え、灼熱する欲望の渦中で相手を求めていた。
そこへ現れたのは、艶やかな負電荷をまとった水酸化物イオン。
ふたりは無機質なはずの反応空間で、互いの足りない部分を補い合うように電子を交換し、やがて理性を超えた深淵へと堕ちていく。
まるで体液にも似た電荷のやり取りは、恋人たちの甘美な官能を思わせるほど密接な交わりだった。
そして最高潮に達する瞬間、ふたりの輪郭は溶け合い、静かに水へと姿を変える。
激しい情念が落ち着いた後には、どこか神秘的な静寂が広がるばかり。
だが、水の奥底には、あの夜に交わした熱い思いが決して消えない痕跡として刻まれているのだ。
それは終わりなき官能の循環となり、世界を満たし続ける永遠の愛の物語へと昇華していく。
ジャンル:現実世界〔恋愛〕キーワード: ルフナ大賞 アイリスIF6大賞 ESN大賞8 SQEXノベル大賞2 GOマンガ原作者大賞 化学反応 水素イオン 水酸化物イオン 結合 官能 電子 水 交情 最終更新日:2025/02/18 15:10 読了時間:約7分(3,016文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
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