名前を呼んだ、その瞬間。日常は終わりを告げ、異世界が彼女を迎え入れた。 高校2年生の泉美澪（いずみ・みれい）は、真面目で優しい、どこにでもいるような女子高生。 放課後の図書室で、ふと拾った一冊の古びた本。それは“読めるはずのない文字”で書かれていた。 ——なのに、美澪の脳内には、その意味が自然に流れ込んでくる。 引き寄せられるように目に留まった名前を口にした瞬間、足元に開いた闇。 落ちた先は、ヴァートゥルナ神を名乗る少年・ヴァルの神域だった。 「君は“神の愛し子”——エフィーリアだ」 使命を告げられた美澪は、水の国ヒュドゥーテルに召喚され、 やがて次期王の魂を浄化する“子ども”を産むため、王太子との結婚を命じられる。 異世界の価値観に戸惑いながらも、自らの運命に少しずつ向き合っていく美澪。 そこに現れたのは、かつての神・ヴァル……ではなく、“パラディン伯”と名乗る謎の美青年だった。 ——そして、運命の王太子との出会い。 「あなたの夫になる者です」 現れたのは、褐色の肌と銀髪、琥珀色の瞳を持つ青年・イリオス。 冷静で誠実なその瞳に、美澪は知らぬ間に心を奪われていく。 だがイリオスには、すでに心を寄せる女性がいて—— 美澪は果たして、自分の使命と恋のはざまで、何を選ぶのか。 “帰りたい”と願う心と、“ここにいたい”と揺らぐ想い。 ひとりの少女が運命に抗いながら、異世界で見つける本当の愛と選択の物語。 ＊セルフレイティングは保険です。 ※架空の時代、背景、登場人物のフィクション作品です。 ※誹謗中傷はご遠慮下さい。 ※転載、複製、及び自作発言を禁止します。 ※誤字脱字報告は、随時対応致します。