滝虎　灰は探索者の卵だ。 それも探索者育成学校に置いて、将来を期待される程の大卵だった。 しかし良かったのは初めの内だけ、それ以降は周りの成長に追いつけず今では凡夫にまで成り下がっていた。 そんな様子の灰に、かつてから灰をライバル視していた少女、帳　凛からは3年生になってすぐに愛想を尽かれて背中を向けられた。 灰を知るものは皆が口を揃えて言う。 相応の努力さえすれば、ダンジョンへと積極的に挑戦すればと。 せめて強力な『スキル』一つにさえ恵まれればと。 しかしそんな言葉は灰には届かない。 探索者をよく思わない、暗い感情を落とす彼には決して。 憧憬を失った少年が、その心に再び火を灯す事によって大きく物語は動き出す。 この世は神秘に溢れている。 ダンジョンなど氷山の一角に過ぎないのだ。 ダンジョンの登場を皮切りに、世界に蔓延る数多の神秘が溢れ出す現代混沌ファンタジー！！！ 面白いと思って頂ければブックマーク、評価をよろしくお願いします。 作者のモチベーションになります。

　都内のターミナル駅近傍で、カフェのオーナー店長をする守谷従治は魔術師だった。彼は自身の店の業務の傍ら、オカルトと縁があるスタッフに囲まれつつ、魔術を使った副業をしていた。守谷の魔術は証拠が残らない。それ故に自身の中の判断基準に照らし、仕事を請け負っていた。そしていま、守谷を訪ねるものがあった。その女性は、交際相手が談合の主犯とされ、その件で相談があるという。

　それは、ある日の登校途中の出来事だった。 　俺――出雲神人――は、川で溺れている猫を見つけた。俺は幼馴染に荷物を預けると、その猫を助けに川に飛び込むが――。 　気がつくと、そこはいつの間にか異世界だった！ 　しかも、いつの間にか縄で縛られて拘束されている！？ 　一体、何がどうなってるんだ！？ （旧題:Chaos/Magick）