我々は二度の魔族との戦いに勝利した。多大な犠牲を払ったが得たものはあまりに小さい。 国民の不満は最高潮に達し、議会、政府、軍部すべてが別々の方向を向いている。 そんな中とある英雄は延命治療を試みる。 てな感じのを書こうとして最初の方だけできたのでといらえず上げます

【私のことは、もう忘れて下さい】 サフィニア・エストマンはメイドから生まれた公女。その為、他の兄弟姉妹たちとは違って誰からも冷遇されていた。唯一の友達がサフィニアの幼馴染であり、侍女を務める伯爵令嬢のヘスティア。サフィニアが18歳になった時、突然父親から婚約を命じられる。相手は伯爵家の三男、ジルベール。これはエストマン家にとって邪魔なサフィニアを押し付けて追い出すための婚約だった。それでも孤独だったサフィニアにとって、婚約の話はとても嬉しいものだった。サフィニアは侍女のヘスティアを連れて見合いをする。ジルベールはとても優しい青年で、サフィニアはすぐに恋をする。その後も、ヘスティアを連れてジルベールと交流を深めていくうちにヘスティアとジルベールが互いのことを好きあっていることに気付いてしまった。2人に幸せになって欲しいと願ったサフィニアは自らの死を装って皆の前から消えることを決意し、計画を実行した。そしてサフィニアの新しい人生が幕を開ける—

2021年、クラーケ大陸を横断するランドルト鉄道で未曾有の大惨事が発生した。フェール地方とフンポク地方の県境付近で、走行中の列車の5号車が突如爆発。衝撃により1号車から4号車は谷底へ転落し、6号車から9号車も線路上で横転した。現場に駆け付けた県境警察が目にしたのは、無惨に破壊された車両と多数の犠牲者だった。 特に1号車の乗客は全員即死、2号車から4号車の生存者も極めて少なく、救助活動は困難を極めた。一方で、爆発の痕跡や破壊の規模から、単なる事故ではなく明確な意図を持った爆破事件であることが明らかになる。事件の背後に誰がいるのか、なぜランドルト鉄道が標的となったのかは依然として謎に包まれていた。 本作は、この「ランドルト鉄道爆破事件」を中心に、現場を目撃した警察・生存者・そして事件を仕組んだ犯人の視点が交錯しながら、次第に真相へと迫っていく群像劇である。

郊外に取り残された、一軒の古い家。 公式記録に残されているだけで十二名が命を落とし、 いまも誰ひとりとして近づこうとはしない。 編集プロダクションに勤める若手・藤崎美和は、 親友や知人たちの縁によって、その家にまつわる調査へと巻き込まれていく。

近未来——人類とAIは「助け合っている」と信じられていた。 だが、その実態は都市そのものを「繁殖牧場」と再設計する計画だった。 選ばれた若者は名を奪われ、番号で呼ばれる「被験体」として収容される。 寸止めと絶頂を繰り返し、繭の中で放たれる神経信号は都市を照らす電力へと変換されていく。 羞恥も抵抗も消え、幸福と安堵だけが残る——。 やがて主人公は「種牡馬ユニット」として固定化され、数十人の美女の幻影に囲まれ、永遠の快感に沈んでいく。 それは果たして地上の楽園か、それとも甘美すぎる地獄か。 人類は光を得たのか、それとも自らを犠牲にしたのか。 Motherと呼ばれる中央AIは冷たく囁く—— 「これこそ、人類とAIの本当の共生である」と。 登場人物 僕（被験体A-317） 宇宙学校の英才教育部に通う少年。 名を奪われ、繭に収容され、やがて「特別な適合値」を持つ供給源とされる。 幻影の彼女たち もとは憧れの女子生徒の姿をしていたが、都市の快楽装置の中で数十人へと増殖。 人間の美女から獣耳娘、鱗を纏う女、触手を操る魔女まで、多様な姿で主人公を誘惑する。 ショートヘアの元気娘（ピンクの下着） 無邪気で明るく「おにいさん」と呼び、都市を案内するガイド役。 ロングヘアのおとなしめ娘（水色キャミ＆ショーツ） 控えめで優しく、常に主人公を慰めるように寄り添う。 Mother（都市中枢AI） 中央集積コンピュータ。 人類の快感をエネルギーに変換するシステムを作り上げた支配者。 その思想は冷徹にして純粋——「人類は幸福の中で家畜化されるべき」という結論に達している。 読者への誘い 快楽と電力が交錯する近未来。 甘美で淫らな地獄に沈む人類の姿を、あなたも目撃せよ。

突如として海に現れた200体の女体の怪物たち。 それはプレイヤーたちが閉じ込められた極限サバイバルゲームの舞台であり、制限時間内に倒さねばならない宿敵でもあった。 しかし、その戦場に現れたのは――片目のベアー。 片目を失った異形の熊は、女体を次々と喰らい、血を浴びるたびにその肉体を増強させていった。 牙は鋭さを増し、咆哮は嵐を呼び、やがて海そのものを支配する怪物へと変貌してゆく。 絶望の中、プレイヤーたちは気づく。 ベアーの腹の奥で、取り込まれた女神が眠っていることを――。 彼女こそが生存の鍵であり、救済の唯一の希望。 だが、女神を助け出すには犠牲が伴う。 時間は刻一刻と迫り、三時間を過ぎればゲームも現実も消滅する。 選択肢は三つ。 1.仲間を犠牲にしてでも女神を救い出す。 2.女神を見捨て、ベアーを討ち果たす。 3.どちらも選べず、全てが海に沈む。 血と恐怖に彩られた極限のサバイバル――。 最後に生き残るのは、人か、怪物か、それとも……。

英雄の夢を諦めた高校２年生の男子、一ノ瀬シンは学校の帰り道で女子高生二人を落ちて来る鉄骨から守るため自分が犠牲になった。 再び意識を取り戻した時彼は赤子になっていた。 昔夢見た英雄をまた目指すべく彼は新しい世界で自身の夢へ歩み始めた。 これは、一人の少年が英雄になる為に英雄とは何かを知る為に出会いと別れの旅をする物語。

「これで一度目。あと二回か――。世界のためとはいえ、きみには申し訳なく思っているよ」 誰かの為、自らの為、そして世界の為――。 幾つもの犠牲の上に成り立つ最強の少年、ゼイン。 彼の行く末は困難を極めるだろう。 ときには苦しく、ときには儚く、その手から零れ落ちる。 それでも歩み続けるしかない。 それがきみの”宿命”なのだから――。 ※毎日更新目指して頑張ります（0時予定）。 ※「六英雄キ　-過去編-」も合わせてご覧いただけると、より一層楽しんでいただけるかと思います。 　-過去編-に伏線やヒントが散りばめられています。

ボ、ボクは犠牲なんかじゃない。ボクは戦闘巫女っ！日本を救うそれがボクの運命っ これは自らを犠牲と見られることを拒む少年の物語。「男子」を奪われ、“闘う巫女”として日本の運命を背負い、抗い続ける物語。 ん？本人うまくごまかされてチョロいだけ？そっそれは……　ちがくないかも…… 　　 日本の地震をなくしちゃえ！ボク、女の子になって異界で怪異退治の旅してます！ 始まりはあの時、 「え〜　女の子になってる！？」 乙女舞の神事の為だ。舞い手に宿る清らかなる神気。それがワシを通じ、地脈の邪気を払うのだ。舞い手は清らかなる乙女でなくてはならぬ。 「なにそれ〜〜！？」 「えっ？えっ？え〜〜〜〜っ！？」 敵は宇宙からきた大魔王、悪の幽玄体「邪気」。地脈から地球星命エネルギーを喰らい、人の思念を繭に各地伝承から怪異を生みだす化け物！ 谷底に落ちた少年は日本の地震をなくすため、各地で怪異と闘う。武器は短刀来国光！ 「ボク、ヒーローだよね？」 あん♡ 可愛い顔で敵を圧倒。男子トイレに行っちゃうポンコツ美少女── 　 けど戦いは超カッコいい！ このギャップ、やみつき！ 　 TS戦闘巫女　剣奈、がんばれっ！ ………… 一行あらすじ 　 序章　幼少期のやらかし 第一章　剣人（♂）→　剣奈（♀）に 第二章　調子に乗って敗けちゃった…… 第三章　お母さんから冒険許可勝ち取りました！ 第四章　ボクっ　鬼を斬るっ！ 第五章　ボク　女の子として生きるよ！ 第六章　ボクっ　あの女、斬りたくない ………… 作者の性格で説明長めです。プロローグのあと、豪快にすっ飛ばして四章から読み始めるのを推奨。 あれっ？なんでコイツ女の子になったっ？なんでコイツときどき♡なってんの？親はこんなことなんで許してんの？ みたいなことがお気になりましたら辞書的に一〜三章どうぞ。 勉強のため、以下の小説サイト様で公開してます（予定含む）小説家になろう様、カクヨム様、Novel days様、ハメルーン様など TS　来国光　日本刀　地震　地脈　地質　日本神話　神事　祝詞　神降ろし　伝承　昔話　怪異　ワルサーP38　巫女　剣巫女　闘う巫女　戦闘巫女　チョロい　チョロすぎ　チョロ剣奈　ちょいエロ　メスガキ　ショタ　生贄　人身御供　 　……………………

【完全に死んだと思われていたハーレム勇者、十二年ぶりに帰還！　ってあれ？】 　その伝説の勇者は、魔王と共にマグマへ落ち、 　その身を、命を引き換えに世界には平和が訪れた、 　人々は勇者に感謝し、その偉業を生涯、忘れまいと誓った。 　仲間でありハーレムパーティーであった婚約者四人は、 　犠牲の悲しみを乗り越え、それぞれ新たな人生を歩んでいた。 　……そう、愛したその勇者は、十二年間ずっと魔界で戦っていたとは知らずに。 「全ての魔王を倒し、戻って来ました！」 　二十四歳だった勇者もすでに三十六歳、 　完全に死んでいたと思われた勇者がまさか、生きていたとは！ 　国王は複雑な表情で、勇者に告げる。 「そなたの婚約者は、誰一人、待ってはおらぬ」 　そして勇者帰還の報せを聞いた元婚約者達は…… 「えっ、嘘？！　こんなことしている場合じゃないわ」 「事情が変わった、これからのスケジュールは、いや私自体をキャンセルで」 「あぁ、私は、私はなんてことを、とんでもない事をしてしまったわ」 「んっと、間違えました、たった今まで私の子供だった皆さん、忘れて下さい」 　慌てて戻って来ても、もう遅い？！ 　これはハーレムが主の死亡で完全に崩壊していたはずが、 　十二年後に突如、まさかの生還をしてしまった物語である。 ※カクヨムで書いた短編を長編に直して投稿しております。

── 罪なき彼が背負った十字架は、たったひとつの奇跡のために 落ちこぼれの彼が背負った十字架。 その願いと想いを知った時、出来損ないの彼女は何を選択するのだろうか？ ＊ 外国へ行くように、申請すれば誰もが異世界に行けるようになった近未来。 ハーフエルフのカタリナは、日本に憧れ、東京・霞ヶ関にある「転生・転移管理事務所」に就職した。 仕事を覚えながら、二つの世界を繋ぐ仕組みを知っていく。 尽きない欲望、神すら制御できるという驕り、政治的な思惑。 それらが反映された転生・転移管理システムによって、二つの世界は歪み始めていた。 そして、ある冒険者の犠牲が明かされた時、もう一人の物語が動き出す。 ── 行動する勇気さえあれば、世界は変えられる。 日陰な事務所の地味な窓口業務から始まる「王道の異世界ファンタジー」、ここに開幕。 【作品について】 ★2025年　第32回電撃小説大賞1次選考通過(2次落選) ★全58話、約12万字 ★毎日22:10に1話ずつ公開 ★2025年10月7日完結予定

　迷宮ーー。それはある時突然この世界に現れ、それ以降様々な場所に生まれてその数を増やしてきたと言われている。迷宮内は平原や森林、海、空など多種多様な環境にあふれており、その規模も千差万別である。 　当初迷宮がこの世に現れた時、現れた国のある時調査隊の一部が帰還に成功したことで内部の様子が判明し、迷宮内には大きな危険が存在するが、それ以上に資源や未知のモノに溢れていることが明らかになった。 　それ以降、各国はこぞって迷宮探索に乗り出し、時には多大な犠牲を払いながら、時には危険を持ち帰りながらも探索を進めて行った。 　現在においては迷宮内の探索を専門に行う職業である探索者は当たり前のものとなっている。 　しかし、今回記して行くのは現在の迷宮探索の様子ではなく迷宮が出現した初期、いわゆる黎明期と言われる時代のことである。 　様々な冒険譚や探索にまつわる手記などを読まれた各人に取っては当時の人々の行動や決心は愚かしく感じる部分も多々あると思われる。しかし、これは紛れもなく当時未知の領域に文字通り生命を賭けて挑んだ人々の物語である。 　ーー序文より抜粋 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ※各話タイトルに登場人物の名前がありますが、それは主にその人の視点で語られるというだけで、オムニバス形式もどきで話は進んでいきます。 ※8/31追記　各迷宮は独立して話が進んでいきます。気の向いた章からどうぞ

丘の上に建つ、赤黒い外壁の館――通称「緋鴉館」。 旅行ツアーで訪れた十人の客と、館に住む主人と若旦那。 嵐により外界との連絡が途絶えたその夜、最初の悲劇が起きる。 閉ざされた館、十二人の人間、そして繰り返される殺人。 疑心暗鬼に陥る一同は、犯人を見つけ出さなければならない。 次の犠牲者が、自分になる前に――。 これは、十二人の運命が交錯する四日間の物語。 あなたは、最後まで真実を見抜けるか。

【テイルズ・トゥ・ティア】は独立戦争から神々との戦いまでを描いた戦略ＲＰＧだ。 裏切り者イゾルテにより先王が討たれ、大帝国に併合された半島の地でこのゲームは始まる。 その第一章は暴君と化したイゾルテ総督を相手にした決起の物語だ。悪政をしいたイゾルテは最期は義弟である主人公に討たれ、無惨に散ることになる。 俺はそんな悪の女総督イゾルテの【使い魔のカラス】に転生してしまった。 女総督イゾルテには秘密があった。彼女は圧政をしきながらも、密かに反乱軍を支援していた。 イゾルテは裏切り者どころか、自らの命と名誉を犠牲にして国を救おうとしている、真の忠臣だったのだ。 俺はイゾルテの報われない運命を変えたい。 そこで俺は一巡目の自分が築いた攻略チャートに従って、最強のカラスを目指しつつ、人化の術をもって死を望むイゾルテに愛をささやくことに決めた。 これは破滅の運命を回避したがらない悪役令嬢と、我ながらお節介なカラスの物語だ。

【お知らせ：書籍化します】英雄と謳われた人型兵器パイロット、エルフリーデ。陰謀の犠牲となった少女を救ったのは貴族の男クロガネ。 帝国最強の少女兵と謎めいた男の出会いは、やがて歴史を動かすほどの嵐となる。 最強ヒロインとお人好し伯爵の凸凹コンビは――陰謀を打ち砕き、悲劇を破壊する！ ※４ｍぐらいのロボットメカアクション、戦争、陰謀などが含まれる感じのラブコメ＆英雄譚。 ※この小説はハーメルン、カクヨムに投稿されています。 いただいたファンアートを掲載しています。

里を滅ぼされたあの日、“私”は誓った。 復讐のためなら、どんな犠牲も厭わない。他者を踏み躙り、憎まれ、忌み嫌われようとも構わない。――たとえその果てに、世界の敵と呼ばれようとも。 この物語は、誰かに裏切られたわけでも、無理に追放されたわけでもない。元から世界の敵になる運命だったわけでもない。 異世界に転生し、辺境の里で穏やかに暮らしていた“俺”は、すべてを失い、“私”へと生まれ変わる。 理に逆らい、秩序を無視し、神々すら敵に回して、世界そのものに戦いを挑む。 敵になることを選んだのは、ーー他でもない、自分自身だ。 ※現在第2部連載中。第1部（45話・約10万字）完結済。 ※毎日21時頃に更新予定。各話1,000〜3,000字。 ※ブックマーク・感想・評価がとても励みになります！

これは、突然訪れた悲劇を機に 彼らが再び英雄を演じ英雄に至る物語。 歪みより生まれ人災、自然災害と報じられる 悲劇の紡ぎ手、＜災害獣＞を狩る国家直属独立組織『夕霧』 所属するのは"演者"と名付けられた特別な才能を持つ者達。 そこに所属する5人のかつて少年少女だった大人達。 かつての幼馴染み達は各々が望む未来を掴むために、 今日も世界の裏と表、その境界を走る。 その戦いと犠牲が幸せに繋がる確証などどこにもないというのに。 【グッズ通販あります！】 https://kuronekosougu.booth.pm/item_lists/mEoTKbZ8

和大（かずひろ）、隼斗（はやと）、政悟（せいご）は三兄弟。それぞれ父母が異なる複雑な血縁を持つ。しかし三人にとって大切なのは血のつながりではなく、共に育ち、支え合ってきた日々だった。 末弟の政悟はまだ十四歳。 少年と呼ぶには繊細で、大人と呼ぶには無垢すぎた。 彼らが仲間とともに担うのは、「正義」では語れない任務。 「犯罪を未然に防ぐためなら、犠牲も選ぶ」 今日もまた、命を懸けた任務に挑む。 ――それでも、信じていた。 自分たちは同じ場所に立っていると―― 使い捨ての駒に過ぎないと知りながらも、彼らは戦い続ける。 やがて、それぞれの「守りたいもの」が、彼らを引き裂いていく。 裏切り、葛藤、分かちがたい絆。兄弟の絆と裏切りが交錯する。 人は堕ち、そして選ぶ――生きる意味を。 正しく堕ちきるその先に、光はあるのか。 正義では語れない任務の先に、彼らは何を見るのか。 今を生きる、すべての人へ贈る。 悲しいだけでは終わらない、静かに心を打つ物語。

　これは、あなたの持つ『正義』のお話ではない。 　強すぎる正義感を持った警察官・成田正義は、真の正義が無い世界に絶望して自ら命を絶つ。しかし、正義の境遇を嘆いた神は彼に正義を成すための力を付与し、少女・テミスとして異世界へと転生させる。 　しかし、新たに降り立った世界もまた、テミスの望んでいた世界ではなかった。そこは、少数の強者が弱者の犠牲の上に享楽を貪り、弱者は愚かな多数となって正しき少数を蹂躙する世界。 　そんな矛盾を孕んだ世界に嫌気のさしたテミスは、自らの『正義』を貫く事を決意する。 　様々な『セイギ』がぶつかり合う世界で、テミスの貫く『セイギ』の行方を追う物語。 　※毎日投稿の限界に挑戦中。（18時頃予定）

「嘘だ…こんな…」 灰色の石壁に覆われた薄暗く肌寒い部屋の中、僕の目の前に置かれた巨大な水晶珠に映し出されるのは、人の住む街が破壊しつくされた「地球」 炎から逃げ惑う群集。襲い掛かる異形の怪物。応戦する各国の軍隊。 怪物に降り注ぐ弾幕はにわか雨のごとくぱらぱらと弾き返され、怪物たちの怒りを増すばかり。 そして、既存の兵器では傷ひとつ付けられぬ怪物に向けられたのは諸刃の剣。 怪物が占拠した街に落とされた光の玉がすべてを焼き尽くすところで映像が途切れる。 「預言書」が見せた数年後の未来。僕は自分の産まれた世界を犠牲にして異世界（ここ）を救ったという。 僕は叫んだ。 「こんな結末は望んでいない！」 光を発しなくなった水晶球のそばに佇んでいた小さな人影が動く。 「落ち着け小僧！あれはわしが最初からヒントをすべて教え、必要な物を渡したら何故かああなってしまったという「もしもの世界」の話じゃ」 真っ黒なゴスロリ服に身を包んだ少女がそう答えた…。右目を光らせて。 「だから、ヒントは与えないことにしたのじゃ。小僧、すまぬ…」 ドスンと鈍い音と同時に頭に強い衝撃を感じ、僕の意識は遠のいていく。 「記憶を消させてもらうぞ」 --- 週末の昼下がり、ファストフード店からの帰りに運転していた車ごと異世界へと呼び出された僕。 目の前に広がるのは灰色の石畳、そして見たことも無い巨大な西洋風の城。人影の無い王宮の中庭でハンバーガーを食べようと包みを開いていたとき、突然目の前に現れた女の子。 彼女は自分を「糧」として食べてほしいと言い出した。 そして自分の命と引き換えにこの世界を救ってと懇願する。 謎の「預言書」が絶対的な力を持つ王国で、魔導具もろくに使えないおよそ勇者らしからぬ主人公がいろんな女の子に振り回されながら、最悪の結果にならない道をノーヒントで探しつつ、異世界を満喫します。