異世界人の人口が過半数を占める国。 　遭難した異世界人を保護し、支援するのが、俗に管理局といわれているこの組織。 　赤毛の青年〈晴光（せいこう）〉も、管理局職員であると同時に、召喚事件の被害者である。 　同僚の魔女〈エリカ〉、晴光を慕う現地人の桃色髪少女〈ファン〉、オカン気質の本の虫〈ニル〉、天真爛漫な獣人の〈クルックス〉、触手生物〈デネヴ〉、頼りになるサイボーグのおっさん〈ハック・ダック〉らに囲まれて、騒がしくも楽しい毎日のはずが、召喚被害者の日本人青年を保護したときから、このスケールがデカすぎる大事件の幕が開けた。 「この世界には、誰かが死ぬと強制リセマラされるバグがあるんだけど、引き金になるのが誰なのか毎回変わるから、僕らにはいつリセットされるか分からないし、五回リセットされちゃうと記憶も消えてしまうんだ。きみも気をつけてね」 「気を付けようが無くない？ 」 　はたして晴光たちはループを解明して、本当の『未来』へ進めるのか？ 『誰かが死んだら同じ世界にいる全員が巻き戻り』 『記憶があるのは五回まで』 『巻き戻った全員に記憶が残るわけではない』 『リスポーンする時間はみんなバラバラ』 『毎回原因になる人物が変化』 『一度起これば阻止不可能』 　そんなルールがあるループものです。 　『異世界転移ってなぜ起こる？ 』を、ロジカルに考えてみたらSFジャンルに仕上がりました。 　異世界転生と転移についてはもちろん、『転生』『召喚』『ハーレム』『チート的異能力』などなどのワードも、異世界人特有の性質としていっぱい出てきます。