「翻車魚」と言う本を渡された。主人公は、この文を書いた人間が知りたくなった。渡された相手から渡された相手へと、彼女の秘めた思いと自分の腐った思いをさも同じように考えて……。

この世界だって僕らを中心に回っている。ひどい悲劇やひどい喜劇ということもある。とても冗長で、かと思うと目まぐるしい。それでもまだ、自分を許すことは難しい。いつか自分を赦せる日がくることを願っている。 そんな純文学短編集です。SFヤ、ファンタジー要素モアルヨ。

1,800字の短編です。環境問題と、人間についてです。文体だけは少々気を付けましたが、やはり思想に近いので、お読み下さいます方へは、ご辛抱をさせてしまい心苦しいです。 有難うございました。

静子（しずこ）はいつものように娘の美奈（みな）の部屋に食事を置いた。ところが部屋には誰もいない。夜になっても誰もいない。 ただ部屋にある大量の「動かない」時計が静子を見つめ返してくるだけである――徐々に明らかになっていく母と娘の歪な関係、日常に潜む闇。

人気配信者・彩音は、スパチャで承認を売り、孤独を金に変える日々を送っていた。 だがある夜、一人のファン・タカシの名前を呼ばなかったことで、氷にひびが入る。 積み重なった欲望と孤独の果てに、カフェで事件が起きる。 SNSは騒ぎ、ニュースは事実だけを並べ、人々は次の話題へ移っていく。 残されたのは、一通の手紙に書かれた「救われました」という言葉と、 胸の奥に差し込む、小さな光だけだった。 承認欲求と孤独が交錯する現代を描いた、 静かで残酷な純文学短編。

芥川龍之介の羅生門の解釈『極限状態での悪の是非』が一般的な解釈だと思いますが、それに違和感を感じるので私の解釈の羅生門と同じテーマで現代劇にして書いた短編です。

１作がだいたい５～１０分で読める（予定の）オムニバス青春短編小説シリーズ第４９弾です。 シリーズ・コンセプトは「思春期の頃の自分に読ませてあげたい物語」。 （オムニバス・シリーズのため、話ごとに設定・主人公・文体が変わります。意図的にバリエーションを増やしている（多様な人生・多様な悩みを描くことを目標としている）ため、同じシリーズであっても、雰囲気や主人公の性格はだいぶ異なります。） 今回は「デキる奴」になるため「欲望に流されない方法」を探る少年の物語です。 ＳＳ用ブログ「言ノ葉スクラップ・ブッキング（http://mousou-story.jugem.jp/）」にも同じ内容のものを掲載しています。 （ブログ版はルビが少ない代わりに、下部（続きを読む）に蛇足な補足情報が付いています。） なお、自作サイト「言ノ葉ノ森（http://kotonohano25mori.web.fc2.com/）」に本シリーズの「小説家になろう」版とＳＳブログ版両方へのリンク一覧を載せた「もくじ」ページを制作してあります。 運営さんも書いてくださっていますが、念のため→この物語はフィクションです。実際の人物・事件とは関係ありませんのでご了承ください。

悲しい俳優の男。彼はカタログギフトが好きだ、ボロボロになるまで読んでいる。結婚式の引き出物、婚約者と何を貰うかじっくり話し合った。 神が彼を哀れみ天使を男に遣わす。 男は、たった一つの願いを口にする。

　　 　街の片隅でひっそりとカフェを営む男―― 彼は、かつて世界の裏で暗躍した伝説の暗殺者、レイ・ウォーカー。 　孤児として拾われ、世界の平和のために影で力を振るう組織「ル・テ・オ・クレピュスキュル（夕暮れの茶会）」で幹部にまで登り詰めた彼は、今、平穏な日常の中に身を潜めていた。 　だがある日、かつての同僚で義兄弟のアンドレが現れ、義父の死と「組織を継げ」という遺言を告げる。さらに、他の幹部たちが今も自分を狙っているという事実も知ることになる。 　過去の記憶が胸をよぎる――スラムで命を落としかけた少年を救った日、義父の厳格かつ温かい教育の日々、そして戦場と裏切りに彩られた戦いの日々。 　再び日常と世界の危機の間で揺れ動く彼の前に、組織の刺客が現れる。 　華麗かつ冷徹に刺客を制するが。 しかし、心の片隅には、日常の温もりを失いたくないという想いもある。 　 　覚悟を決め、幹部会合の場で彼はなにを選ぶのか――

１作がだいたい５～１０分で読める（予定の）オムニバス青春短編小説シリーズ第４８弾です。 シリーズ・コンセプトは「思春期の頃の自分に読ませてあげたい物語」。 （オムニバス・シリーズのため、話ごとに設定・主人公・文体が変わります。意図的にバリエーションを増やしている（多様な人生・多様な悩みを描くことを目標としている）ため、同じシリーズであっても、雰囲気や主人公の性格はだいぶ異なります。） 今回は、日々「ささやかな幸せ探し」に没頭する少女の“幸福な人生”の物語です。 ＳＳ用ブログ「言ノ葉スクラップ・ブッキング（http://mousou-story.jugem.jp/）」にも同じ内容のものを掲載しています。 （ブログ版はルビが少ない代わりに、下部（続きを読む）に蛇足な補足情報が付いています。） なお、自作サイト「言ノ葉ノ森（http://kotonohano25mori.web.fc2.com/）」に本シリーズの「小説家になろう」版とＳＳブログ版両方へのリンク一覧を載せた「もくじ」ページを制作してあります。 運営さんも書いてくださっていますが、念のため→この物語はフィクションです。実際の人物・事件とは関係ありませんのでご了承ください。

ＡＩの発展し未来の出来事 ストレートなＳＦでの純文学の文体で書ききれるかを試した実験作です。

大学進学を機に東京へ戻った主人公は、幼少期に家族で訪れた池袋のデパートを久しぶりに訪れる。しかし、デパートは様変わりしてかつての面影はほとんど失われていた。 離婚により家族が離れ離れになった記憶と、変わりゆく現実を前に、主人公は思い出だけが変わらずに心に残っていることに気づく。過去と現在のギャップに戸惑いながらも、変化と記憶の意味を静かに見つめ直す物語。

二十五歳になった春子は、海辺の町の古びた美容室で働きながら、変わらない日々に息苦しさを抱えていた。 SNSに映る"ちゃんとした大人たち、自分の未完成さ、それでも動けない現実。 ある日、釣具屋を継いだ幼なじみの宮田さんと、ふと交わした言葉が、心に小さな波を立てる。

文豪の下ネタパロディを純文学と言えるものに仕上げられるかに挑戦した、文体の練習作です。

純文学とは何かを、自分なりの理解で初めて書いてみた練習作です。

26歳、才能なし、努力も続かない。そんな僕が小説を書こうにも、ネタなんてありふれた日常くらい。――だが、僕にはたった一つだけ、書ける物語があった。それは、大昔の風変わりなご先祖様たちから代々受け継がれてきた、七つの『教え』という奇妙な遺言！ 時代に恵まれなかった者、運命の人を待ち続けた者、現実と戦った者、努力だけを信じた者、弱さを受け入れた者、眠りを追求した者……。彼らが遺した、時に過激で、時に切実な言葉たち。 ご先祖様の遺言は、現代を生きる僕の人生にどんな影響を与えるのか？ これは、過去からの声に導かれ、自分自身の物語と向き合い始める青年の、内省と発見の旅。

１作がだいたい５～１０分で読める（予定の）オムニバス青春短編小説シリーズ第４７弾です。 シリーズ・コンセプトは「思春期の頃の自分に読ませてあげたい物語」。 （オムニバス・シリーズのため、話ごとに設定・主人公・文体が変わります。意図的にバリエーションを増やしている（多様な人生・多様な悩みを描くことを目標としている）ため、同じシリーズであっても、雰囲気や主人公の性格はだいぶ異なります。） 今回は、とある事情から「自分の怒りを御する方法」を考えるようになった少年の物語です。 ＳＳ用ブログ「言ノ葉スクラップ・ブッキング（http://mousou-story.jugem.jp/）」にも同じ内容のものを掲載しています。 （ブログ版はルビが少ない代わりに、下部（続きを読む）に蛇足な補足情報が付いています。） なお、自作サイト「言ノ葉ノ森（http://kotonohano25mori.web.fc2.com/）」に本シリーズの「小説家になろう」版とＳＳブログ版両方へのリンク一覧を載せた「もくじ」ページを制作してあります。 運営さんも書いてくださっていますが、念のため→この物語はフィクションです。実際の人物・事件とは関係ありませんのでご了承ください。

ある日を境に不漁続きとなった漁師町。神に神意を尋ねると、一人の男を捧げるようとの神託が授けられた。町の代表は海の女神の伴侶として指名されたルーチョを訪れ、一人の命と町の存亡どちらかを選ぶべく話し合い……。

職を失い自堕落な日々を過ごしている太郎。 ある日、立ち寄った公園で太郎はある少女と出会う。 引っ越してしまう前の最後の大会の為に練習をしていると語る少女。 太郎は少女との関わりの中で過去の後悔を思い出して行くのだった……。

顔が良ければアイドルにだって何にだってなれる。 その逆に、顔が悪ければ何者にもなれない。 ずっとそう思っていた。