描いた絵が実体化して動き出す金色のペン。 いつの間にかそれを手に入れた女の子。 学校にもあまり行かないその女の子は、 金色のペンを使って、もう一人の自分を描いた。 絵の中の自分は動き出し、自分の代わりに外に行くようになった。 他人との関わりを絶ち、一人を満喫する女の子だったが、 絵の中の女の子には、密かな計画があった。 女の子は自分に入れ替わられ、絵の世界に閉じ込められてしまう。

　ある日、祖父が書斎の隅に掛けた一枚の絵 　絵の中に佇む一人の女 　そして、その日から書斎に入るたびに感じる誰かの視線 　誰かが見てる…… 　また見てる…… 　強く感じる誰かの気配 　うなじに感じる強い視線 　そう── 　──また、絵の中の女が私を見てる 　

高校生のキキョウは、ある日落として壊してしまったスマホを修理に出したあと「そのスマホで写メにとった本や絵の中の女になる夢を見ることが出来るようになっている」と夢の中の声に告げられ、不思議なアプリを使えるようになる。 マッチングアプリのように他人にばれるのを恐れることなく、あらゆる時代の美しく着飾った気になる女の恋愛事情が夢で体験できるようになった全く恋愛経験の無いキキョウは、 夢の中の女の目をとおして彼女たちの喜びや哀しみから男や社会が女に求めるものを感じ取っていく。 ある日クラスメイトに付き合ってモデル事務所のオーディションを受けたことから高校生モデルとして少しずつ仕事をするようになったキキョウは、撮影のノリでファーストキスをされてしまったユージに深く惹かれていくが、彼には人に言えず背負っているものがあって…。 一方、アプリで夢をみればみるほど昼間起きていられる時間は減っていくことになるのだが、キキョウは伝えられていない。 現代の女にとって、理想的な男とは？ 恋とは？ 社会とは？ 一度きりの女の人生を幸せに生きるためのレッスンアプリ、キキョウは旨く使いこなせるのか…？

浮世絵の中の女の子のプチ妄想ストーリー♡

未だデジタルで絵を描くのが主流でなかった頃の話。売れない漫画家である俺は、ある夏の日に、絵の中の女の子と出逢った。その子は動いてしゃべって微笑んで。俺と彼女のほのぼのとした人生。