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作者:糸川草一郎/作品情報/Nコード:N4976CB
短編 |
重複投稿。
私が生ビールを飲み、豆を食べていると、男の客が二人這入ってきた。一人はヤンキースの野球帽を目深に被っていたが、どう見ても以前ここで飲んだことのある、伊野さんだった。
伊野さんは、私に目礼もせずカウンターの左隅に連れと坐ると、ママがおもむろに注いだグラスの酒を飲みはじめた。グラスの酒は白く濁っていたが、氷は入っていなかった。そうして私は二人の様子を小半時ほど窺うともなく窺っていたけれど、二人ともまったく口を利かない。
そのうちに私は思い出した。伊野さんとは、二三度ここで飲んだだけの間柄だったが、彼は確か、昨年の秋の長雨の晩、潤井川に飛び込んで亡くなったはずである。
ジャンル:ノンジャンル〔ノンジャンル〕キーワード: 酒場 野球帽 死んだはずの人 豚の唐揚 生ビール 翌日閉店 最終更新日:2014/04/17 06:17 読了時間:約5分(2,030文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 12 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 2 人 評価ポイント: 12 pt |
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