20歳にして高卒無職の青年『鎖是 大牙』は異空間に強制転移させられていた。 「実はわたしが管轄している世界『アストラガルド』に危機が迫っています。貴方にはそれを救って貰うことになります」 　そう宣ったのは異世界の神のような存在にして、自称『精霊王』のスターシア。 　『前世との契約』が原因で強制であることを悟った青年は、交渉の末に『アストラガルド』へ転移させられ、アルタイル領の主都リベルタスで暮らす領主の娘にして異世界からの勇者召喚に失敗し続けた『コトリンティータ』の元に送り付けられる。 　「計画はないけど命を捨てる覚悟で復興を代行しろ」と未経験者に言ってくる領主の娘に対し、「何でもするから」という報酬を対価に死ぬ覚悟で引き受ける。