冒険者エヴァンは、魔獣討伐依頼のためにやってきた森の中で、一人ぼっちの白銀の少女と出会う。 　白銀の少女――エティカは、人類と敵対する魔人族だが、同族からも見放され、森の中で死にかけていた。 　エヴァンはそんな彼女を見捨てられず、エティカの世話をやきはじめ、次第に心も惹かれていく。 　そんなエヴァンは「救世主」という不思議な力を持っている。人類は彼のような力を持つ者たちへ、魔王と呼ばれる者の討伐を期待していた。 　しかし、エヴァンはその期待も、魔女によって仕組まれた陰謀をも、自らの強欲さによって裏切ろうとしている。魔女も魔王も勇者も、そして愛する少女を救う、救世主となることで。 　これは、可愛くも健気な白銀の少女との平穏な日々を目指す青年の奮闘記である。