「魔女は人に成り代わる」これはここ十年のうちに出来上がった真新しい世界の常識。 　しかし、それは真実なのか。 　地下から発せられる、あるはずのない大量の魔女の気配と、王都を囲む巨大な術式。 　水面下で動き始めた不穏な計画と、失われつつある猶予の中で、狩人に命を狙われ続けた幼い魔女シェリーと、彼女を救うべく生まれた赤い花の紳士シュバリエは、己を知るための答えを求めた。 　これは、常識に囚われ、もがき、答えを求め続けた命ある者たちが真相へとたどり着くまでの物語。 　貴方は一歩ずつ読み進めていくうちに気づくだろう。この世界の虜になっているということに。 ※投稿日時は月曜日、火曜日、金曜日の毎朝四時です。

侯爵家次男エルネストは、婚約破棄をのぞむ王子のために、王子の婚約者である公爵令嬢マグダレナに近づく。 悪女と有名なマグダレナだったが、なんだか様子がおかしい。 出会った彼女は高慢どころか、好きと言われれば即デレる“チョロすぎる令嬢”だった！ 社交界で孤立し、悪女呼ばわりされながらも、エルネストの前でだれにも気づかれなかった一面を見せ始めるマグダレナ。 そんな彼女に振り回され、ついつい助けたくなってしまうエルネストは、次第に任務どころではなくなり……？ 悪評令嬢×お人好し次男坊、身分も常識もかなぐり捨てた恋の大暴走劇がはじまる！

まだ足が二本あった頃、人魚姫の話は〝契約違反をしたら落とし前をつけなければいけない〟という教訓話だと思っていた――。 月島マリ、十五歳。 五歳の頃に骨肉腫で左足を切断して以降、義足も使わずに車椅子生活を続けている変わり者。 嫌いなもの、憐れみの視線を向けたり、自分を使って〝いい人〟を演じようとする人。 そんなマリは、自分のことを人魚姫の生まれ変わりではないかと疑っている。 だって人魚姫は、借金をしてまで両の足を手に入れたのに、お代も支払わずに泡となって消えたから。 きっと生まれ変わった自分にそのつけが回ってきて、利息を支払うために、与えられた足うちの一本を返品しなければならなかったのだ――。 ある日、マリは古びた社交ダンス教室で大学生の夏目と出会う。 彼は大学で〝踊れる義足〟の研究をしていると言い、マリに機械仕掛けの足を差しだして言った。 「この義足をつけて、俺と踊って欲しい」 なるほど、こいつの正体は人魚をそそのかして足を与えた魔女だったのだ。 夏の初めの昼下がり。 生まれ変わった債権者からマリに持ちかけられた新規契約は、あまりにも突飛なものだった。 ※カクヨム、ノベマにも投稿しています

信号が青に変わった。 ゾッと四方八方から響く靴の音。 私はいつも通り、イヤホンを耳にさし、無作為にスマホをいじっていた。 流れてくるジャズは私の心を踊らした。 つまらなかった日常の光景が一瞬だけ光り輝いた。街灯はスポットライト、人々の足音は喝采の拍手。 心の高揚は止まらない、そこのあなたでいいから私と踊りませんか？

アルフレッドは復讐を決意していた！