未曾有の大災害である[大波]。命あるものを魔力に変えてしまうこの星の「怒り」を象徴したような災害に生存した記憶消失の主人公である「焔乃宮　氷牙(ひのみや　ひょうが)」は派遣ギルドのマスターの青年レッカとや個性的な仲間たちとの出会いを果たす。 　色々訳ありな仲間たちと共にギルド職員として人助けに勤しむ。あまりにも過酷な依頼に氷牙達は生きることの辛さを垣間見ることになる。 　「お節介だけど、お助けしましょうか？」 それでも人々のために依頼をこなす桁外れに優しい主人公の、人々を守る優しき闇の力の無双しない物語、ここに開幕‼

　戦争によって四肢を欠損させた人間種最強の魔術師は、消え入りそうな声で、魔物と称される青年アルマに告げた。 「灼熱の炎を、膨大な水を、鋭利な風を、轟く雷を、響く地面を。人間が思うがままに操作し、魔力と言う目の見えない事象によって、片手のみでその力を操る。おかしいとは思わないか？」 　まるで世界が狂っていると告げた彼の言葉を、まともに受け止めないながらも、世界への疑いを持ってしまったアルマは、自らの出生の秘密を含め、世界の真実を暴くべく、行動を始める。 　なぜ人は言葉一つで魔術と称される超常現象を扱えるのか。 　なぜ魔物は人間を襲い、魔人を襲うことはないのか。 　なぜダンジョンと称される戦いの場が設けられているのか。 　なぜ彼には肉親がおらず、十一歳より前の記憶がないのか。 　異世界ファンタジーの謎の全てに答えを見出す、重厚ファンタジー戦記開幕。 「言葉を発するだけで掌から炎が出る。その答えを探しに行く」 ※縦組み推奨です。