彫金師として命を削り、最高傑作を完成させた瞬間──気づけば“異世界”にいた。 神でもない何かが言う。「ただ彫れ。それが、お前の望みだったろう？」と。 魔刻印。素材に“術式”を彫る、魂向けのペン。 若返った手と、再現された道具を携え、今度は異世界で“刻む”職人生活が始まる。

　二つの大国と隣接する辺境都市エルムニアでは、「狂魔刻印」と呼ばれる特殊な魔術刻印によって魔物の力を憑依させた怪人「ルナティック」による奇怪な事件が頻発していた。 　この世に生きた証を残すべく成り上がりを夢見るも、日々を食い繋ぐのに精一杯な底辺冒険者ヴィルムは、ある日、ルナティックに追われていた美女ジーナとの出会ったことで、連中が起こす事件——エルムニアの裏で暗躍する組織の陰謀に巻き込まれてしまう。 　そして、彼女が手にしていた謎の仮面——”龍の仮面”を用いてルナティックと同じく魔物の力を身に宿した結果、何故か瞳が赤と青のオッドアイになるだけでなく、不完全ながらも魔眼が覚醒し……？ 　魔眼の青年と龍の魔女の邂逅は、やがて数奇な運命の嵐を呼ぶことになる——。

謎の存在である【魔法陣使い】と呼ばれる者たちがいた。 彼らは、身体の好きな場所に【魔法陣】を刻み付けることができる。 その【魔法陣】を刻み付けられた者たちにことを 【魔刻印者】と呼び、いつしか【MACOK】と呼ばれるようになっていた。 【MACOK】たちの血塗られた運命のもとで、あがき苦しむ人生を通じて、明るい人生を送る者たちとの格差にさらに苦しむことになる。 果たして、【MACOK】たちに未来はあるのか？

魔族に祖国を侵略され家族を殺されたイレーヌ。唯一残された産んだばかりの息子は身を寄せたゼドゥ国の王妃に奪われた。 十八年後、魔族と戦い重傷を負った息子ウィルと再会したイレーヌ。彼女の看護により回復したウィルは再び魔族と戦おうとする。そんな彼をとめるためイレーヌは全てを話す決意をする。 「身代わりで愛されても意味がない」 「私が私である事まで、あなたにも誰にも奪わせない！」 アルファポリスにも掲載しています。