かつて、古代魔法により栄え富んだ古代。 古代魔法は、古代の魔法使いや魔女の死とともに、滅びたとされていた。 しかし、ひっそりと、今もなお、古代魔法を受け継いできた隠れ里があった。 その里を、通称「魔女の里」と呼ぶ。 その「魔女の里」で生まれた少女、ラヴィリスタは、幼い頃に両親を亡くしながらも、里長である老夫婦、ケメトとサーラのもと、すくすくと元気に育つ。 しかし、ラヴィリスタが十一歳になったあるとき。 里は、流行病により滅びてしまう。 唯一ラヴィリスタは生き残ったものの、親しい者たちの死からラヴィリスタは塞ぎ込んでしまう。 そんなラヴィリスタの前に現れたのは、大国グランツベルグの名家、エーデルクライン公爵家の当主、ハデスだった。 エーデルクライン家は魔法に秀でた者を多く輩出する名家であり、ハデスは、古代魔法を受け継ぐ唯一の魔女であるラヴィリスタをさらい、養女としてしまう。 逃げようとしたラヴィリスタだが、ハデスに、逃げたら思い出の詰まった故郷、「魔女の里」を燃やすと告げられ、逃れられずにいた。　 そんなあるとき、公女となって自由を奪われた彼女に転機が訪れて......？ それは、隣国フレーベルの魔法学院への留学だった！ 留学が許可された期間は約一年間！ 彼女は、エーデルクライン家から逃げ出して、幸せな人生を送ることができるのか！？ これは、大切なものを失った孤独な一人の魔女が公女となり、数奇な運命を辿っていく物語。

『むかしむかし、魔女の里がありました。そこでは魔女たちは仲良く暮らしていたのです。しかしある日を境に魔女たちは姿を消してしまいました。人間たちはそれを「魔女狩り」と呼んだのです。』 チーシャは本を閉じ、窓の外を眺めた。 残された最後の魔女は、今日も森の中でひっそりと薬師として生活する。

里の落ちこぼれ魔女のヴィヴィは、少し意地悪な幼馴染のルーンに頼りっぱなし。 自由気ままを愛する魔女だが、どうにも疎いヴィヴィには理解できないことだらけ。 幼馴染の悩みは尽きない… 意地悪なようで優しい幼馴染ルーンと、ルーンによって恋に関する情報を遮断されているヴィヴィの恋の自覚のお話。 2話完結。

「天才の妹に負けたお前は里を去れ」 古来より魔女の双子は忌まわしき存在である。 そんな里の風習によって、双子の妹と魔法の才能で競い合うことになり負けてしまった私。 まだ6歳なのに故郷を追放された私は人里離れた森の中で暮らすことにした。 時は流れて不老不死の私の成長が止まったころ。 家の前の大樹の下に捨てられていた人間の赤ちゃんを私は拾った。 大きくなったら召使いにしてやろうと考えていたのだが、成長した彼は余りにもハイスペックな男に育ってしまった。 魔法では人間なのにも関わらず妹を超えるほどの天才ぶりを発揮して。 私生活ではぐーたらな私を散々甘やかしてくる。 成長した彼にドギマギさせられながら森で暮らしていた私に、ある日魔女の里から集会への招待状が届くことになったのだが……。