私立高校に勤める教師：森戸養一（もりと よういち）は、裏路地でうずくまっている少女を見つける。 傷だらけになっていた少女：エリーは、中世ヨーロッパ――魔女狩りの時代から現代に迷い込んできた魔女だった！ 中世ヨーロッパ出身のエリーにとって現代日本は未知の世界。ひとりぼっちのエリーには、現代社会で生きていくすべがない。 だからこそ養一は決めた。この社会で生きていけるようにエリーを育てると。 『ヨーイチは……わたしの味方？』 『ああ。もう、ひとりぼっちじゃないからな』 これは深い傷を負った魔女と家族になるまでの物語。

　かつての魔女狩りの時代に火炙りにされた魔女の呪いによって、誰もが魔法を使えるようになった世界。 　日本の片隅にある田舎町を舞台に、特殊な魔法を使えたり、あるいは魔法を使えなかったり、魔法絡みの欠陥を抱えていたりなど、一般的な枠組みからは外れた、そんな世界だからこその問題を抱えた少年少女たちの物語です。

　二百年にも及ぶ魔女狩りの時代は終わり、その凄惨さを知る者たちも寿命を迎え。魔女の多くは姿を隠し、その恩恵を失った人々は疫病、天災、魔物に悩まされていた。 　ある目的のため、世界を旅する放浪の魔女。西に邪竜を滅ぼした聖剣があると聞けば西へ行き、東に神殺しの呪われた魔槍があると聞けば東へ行く。 　旅をするには金が要る。魔女は時に怪我や病を治療し、時に魔物を退治し、時に畑に雨を降らせて金を貰う。そして時々貰いそびれる。 　終わりの見えない一人旅。今日の寝床のため、明日の食事のため、そしていつか目的を達するため。魔女は魔法で依頼をこなす。 　ある日、魔女は一人ではなくなった。

ある寒村で生まれ育った少年、彼が狼に噛まれたことで、旅が始まる。 これは人狼と呼ばれるようになった者の旅の話。