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作者:かれら/作品情報/Nコード:N3446KF
短編 |
電車は、まだ来ない。
旅人は、日本海を望む小さな駅の待合室で時間を持て余していた。
壁際の古びた本棚に、背表紙の擦れた一冊の詩集がある。
なにか特別な気がして、旅人はそれを手に取った。
ページを開いた瞬間、一枚の手紙がふわりとこぼれ落ちる。
和紙のような紙は黄ばみ、折り目は薄く裂けかけていた。
ところどころインクが掠れ、いくつもの言葉が黒く塗りつぶされている。
手紙は、どこか遠くへ旅立ってしまった愛する人へ宛てたものだった。
満州の風景を感じさせる遠回しな言葉。
珈琲の香り、夕暮れの街角、秋の風の記憶。
そして最後の一文——それは滲んで読めなかった。
旅人は静かに手紙を戻し、ふと詩集の頁をめくる。
そこには、一篇の詩が書かれていた。
「たとえ遠くても、君の影はこの頁にいる。」
旅人は、詩集をそっと本棚に戻す。
夜の海は暗く、波は静かだった。
遠くで、電車の音が微かに響いた——。
ジャンル:純文学〔文芸〕キーワード: 書簡体小説 海 別れ 手紙 想い 最終更新日:2025/03/15 16:14 読了時間:約6分(2,515文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 14 pt ブックマーク: 2件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 10 pt |
作者:歌川 詩季/作品情報/Nコード:N0675HU
短編 |
壁に汚れをなすりつけるがごとく。
自分の行いを、他人になすりつけるやつらがいる。
ジャンル:詩〔その他〕キーワード: 壁 掌 汚れ 黄ばみ 黒ずみ 手垢 冤罪 真犯人 てのひら 最終更新日:2022/08/15 07:00 読了時間:約2分(511文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 58 pt ブックマーク: 2件 評価人数: 6 人 評価ポイント: 54 pt |
作者:八月一日一歩/作品情報/Nコード:N8992DQ
連載中 (全2エピソード) |
廃屋に長らく垂れ下がっていたカーテンのような…黄ばみ、ボロボロになった布を身に纏い、塵と垢で黒ずんだ肌と、つるりと剃り上げた髪をした異形の怪僧…久我寛仁(こがひろひと)
彼の周りには、彼と同じく数奇な業障を背負った者たちが、その闇を引き連れ、その闇に引き込まれながら、彼に震える手を伸ばす。
そんな奇妙な人間達と、忘れ去られし奇怪な神々とが織りなす、恐怖と郷愁漂う伝奇小説!
幻想小説風な伝奇です。
初投稿ですので色々、不具合があるかと存じますので、叱咤激励のほど、よろしくお願いします。
ジャンル:ホラー〔文芸〕キーワード: 異世界転移 伝奇 ミステリー 怪談 最終更新日:2017/02/05 23:36 読了時間:約90分(44,690文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 2 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:イタチコーポレーション/作品情報/Nコード:N4787CA
短編 |
白いシーツは少し黄ばみ
部屋はどこまでも古くそれに合わしたように埃っぽい
そしてその部屋の真ん中で彼女は立っていた
黒目がちな目を木の扉に向けたまま、、、
ジャンル:ノンジャンル〔ノンジャンル〕キーワード: お面 殺し屋 赤 最終更新日:2014/03/21 11:27 読了時間:約13分(6,237文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 2 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 2 pt |
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