龍笛奏者を目指す鈴歌は老師の紹介で兄弟子の元へ一人出向く。 兄弟子の住む街の新年祭に奏者として参加するため、鈴歌の試練が始まる。 ＊2023年10月に一度完結とした作品ですが、今後も手直しを入れて行きたい思い入れの強い作品です。

楽器の中には、龍の声をあらわした龍笛や、雷の音をあらわした太鼓があって、魔物を払う力があると言われていたという。

悪魔研究の第一人者マーティーケンプ氏の著書にはこのように記されている。◆ブルガリア歴23年「リュウテキ」と名乗る新しい魔王が、突如として人間領に魔王城を築いた。そして人間に対して前代未聞の「話し合い」を要求をした。◆人間領で大きな勢力を持つ三つの大国、通称三大国は大いに戸惑い「協調」か「対立」かの決断を迫られた。しかしこれは後の混乱のほんの始まりにすぎなかった。◆リュウテキは恐るべき知性と策略と魔法の力によって人間領全体を飲み込み、歴史上最も人間に影響を与えた魔王として後世に語り継がれることとなる。◆◆◆これは子供と動物に好かれるだけのニート龍笛（りゅうてき）と、知性と優しさに優れた少年金青（こんじょう）と、不登校の天才剣術少女望愛（のあ）の、日本人三人衆による行き当たりばったりな生存戦略が、思いのほか人間たちを混乱させ、異世界に影響を与えてしまった物語である。◆◆◆戦闘少なめ会話多めです。魔王は格好良くないです。猫が出ます。スライムもちょっと出ます。悪しからず。

　九郎判官義経（くろうはんがんよしつね）が実の母の常盤御前（ときわごぜん）にあてた手紙である。 　旧家が代替わりした際の蔵掃除（くらそうじ）の中で偶然に見つけた写しであったが、云い伝えられている義経像と異なる出生の秘密からその後の悲劇へ繋がる胸の内が切々と綴られていた・・・・

　諒国の名家、鈴家の一人娘・鈴翠蓮は、15の誕生日に身体が腐敗していく呪いを受ける。指先から徐々に全身に広がっていく腐敗、身体を走る激痛、口と鼻を覆う臭気。国中の祈祷師、呪術師を集めたが、治すことはできなかった。鈴家の翡翠と呼ばれた髪は白く変色し、宮廷での演奏を望まれた龍笛はもう吹けない。婚約は解消され、家にいることさえ忌避された翠蓮は、山中の庵で死を待つのみとなった。 　自死を選ぼうかと考える翠蓮。 　そこに、奏と名乗る男が訪れる。 「呪いを解いてやるから、お前の人生を俺に寄越せ」 　男は驚く程の呪術の腕で、翠蓮を清めていく。 「俺は、俺の呪いを解く為に、お前を助ける」 　解呪の日が近づく。 「呪いに打ち勝つには強い意志が必要だ、生き延びてやりたい事を、生きたい理由を考えておけ」 「旅に出たい。貴方と呪いを解きながら旅をするっていうのは悪くないわ」 　そしてその日は来た。　

彼氏に振られ、傷心のまま公園に行くと、どこからか笛の音が聞こえてきた。 誘われるように公園内を歩き回ると、男性が一人で笛の稽古中。 その笛は、龍笛という雅楽で用いられる横笛だった。

秋月　忍様主催の『和語り』企画参加作品です。 空を焦がす炎を背にした姉さまはとても綺麗だった。先に行きなさい、そう言って淵に突き落とした姉さま。もう一度でいいから会いたい。俺は風花を吹く、龍笛の音俺の中に残る姉さまの琵琶、月花の弦の音それに重なる。

白鷺は、蓮の生い茂る池へと舞い降りる。今宵、白鷺は生まれ出る迦陵頻伽を見守る役目があるのだ。 狼子由さま主催の、描写力アップ企画へ提出したものを加筆修正しました。 夏の思い出。

「おい、コンドウム。ちょっと、付き合え。」 　放課後、下校しようとする僕を待ち伏せする奴らがいた。 　奴らは、悪魔だ。 　学年二の秀才の僕は、思わぬトラブルに巻き込まれる。 　そして、女の意地、恋の逆恨みは恐ろしいことを思い知る。 　僕は君たちの玩具じゃない。 　かまわないでくれと叫んでも、奴らは聞いてくれない。 　いや、神にとって人間なんて玩具にすぎないのかなって 運命を呪ってしまうよ。