外装不良のため大気圏外に廃棄処分された素体は、どんぶらこっこどんぶらこっこと流され、次元を越えて遥か火星へ。 夫婦げんかの末に家を追ん出され、所在なく川縁をぶらついていたリコア・ハーディマン博士に拾われ、リドリーと名付けられた───。

謎の開発元「Anubis社」が運営する人気VRMMOタイトル「アヌビスゲート」。 その廃人プレイヤーで世界ランカーの主人公シグレは、ある日アヌビスゲートの世界へと吸い込まれてしまう。 ゲーム内で、自らを『リエル』と名乗るAIに連れられ、物質崩壊（アブソリュート）の異能を持つ少女ニナ、瞬間移動（テレポート）の異能を持つ青年シンと合流すると、力を合わせて一連の事件の黒幕である『アイ』を一時的に追い詰める事に成功する。 しかし、後一歩の所でパーティは全滅し、シグレは自身の異能「時間停止（ステイシス）」と記憶を奪われてしまった。 記憶を失ったシグレは目覚めた後、“ステータスが全て1/10になる”という異能＜テンパーセント＞に能力がすり替わっている事に気付く――