[-1-]
作者:草野 大造/作品情報/Nコード:N8749HV
連載中 (全5エピソード) |
ある日、荒波に揉まれたどり着いた見知らぬ浜辺に打ち上げられた時に、吉蔵が手渡されたものは一通の手紙。
意識が朦朧となっていた彼にも、はっきりと読み取ることのできたその手紙は、紛れもなく封筒に書かれた宛先の文字から読み取れたのは幼き子からのものだった。
その後、開封されることのない封書、読まれることのない手紙の内容に目を通すことができずにいた。それがそこに書かれたメッセージが果たして感謝に満ち溢れた心温まるものだか、それとも恨みつらみを永遠に書き記されているものなのか、それを考えると恐怖心が先に立ってみることができずにいた。
そして、その葛藤に苛まれて、懐に温めたまま生きていく一人の武骨なそんな男の物語である。
封筒に押された消印はなんと2050年
書かれていた内容は、今生きている私たちへの感謝を込めた言葉ばかりが記されていた。また不思議なほどの克明に遊んでいる情景が書かれており、しかしそれはまた、私たちにとっては残酷なほどに厳しい現実と向き合い、とてつもない勇気ある決断を迫られていることを暗示するものであった。
今こそ、私たちはその感謝の想いを真摯に受け止め、行動に移してくださいと悲痛な悲鳴にも近い嘆きにも聞こえてきた。私たちが何気なく暮らしているこの便利な日常が、どれほどの深刻な現象を引き起こしているのか、強く考えさせられるものであった。
地球は今も刻一刻と大気中の温室効果ガスの濃度は高まるばかりであり、年間平均気温は上昇を続けている。このまま平均気温が上昇を続けると、地球上に生存している3/4以上の生物は絶滅の危機に晒されると言われている。ましてその前に食糧危機により各地で紛争が勃発する可能性が差し迫っている。
私たち今を生きる人間は、もはや戦争などやっている暇はなく、直ちに未来の子供たちにこの地球を素晴らしいものとして、また輝く未来を描ける社会を残してあげるための手立てを今すぐにとらねばならない。
感謝という言葉の裏に決めた大いなる現代社会への警鐘であり、生きる責務なのかもしれない。そして未来の子から送られた感謝の真の意味を現代社会を生きている私たちに、もう一度原点に立ち返って考えるきっかけを与えてくれたのだった。
小さな島のある男の小さな想いと生きざまを通して、それを改めて深く、真摯の考えさせてくれる物語である。
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: ほのぼの 日常 青春 身分差 ヒストリカル 時代小説 ミステリー 近未来 天災 地球環境 気候変動 夢 ロマン 温室効果ガス排出抑制 SDG's 残酷な描写あり 異世界転生 異世界転移 最終更新日:2023/09/07 17:19 読了時間:約66分(32,711文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 2 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
[-1-]
検索時間:0.0032780秒
最新の情報と異なる場合があります。予めご了承ください。