スマホも恋も無制限！？ ### IT革命からのAI革新。 元号が平成からジャンプして【恋和《れんわ》】に変わると、世界は二つに別れた。 キャリアとノンキャリア。 今の十代はケータイにより格差が生まれる。 親がコンゴ出身のアフリカ系の為に黒人の遺伝子を脈々と受け継いでしまった男子高校生、冒田・礼恩（ぼうだ・れおん）。 それでいて純粋な日本育ちの彼は学校で虐げられている。 校内での格差の温床、格安スマホを使っているからだ。 大手キャリアではないと揶揄されるノンキャリア。 クラスカーストの底辺を決定づける要因だ。 クラスでは使いづらいスマホになぞらえて「不良」や「欠陥」と揶揄され日々、息苦しさを感じていた。 特に同じクラスの風紀委員にして日本随一の家具メーカーの社長令嬢で、大手キャリアのスマホを持つ飯島・永流（いいじま・える）には激しく蔑まされている。 礼恩にしてみれば、いわゆる悪役令嬢なのだ。 だかある日、礼恩は天敵たる永流の重大な秘密を知ってしまう。 金持ちお嬢様はキャリアスマホに見せかけた格安スマホを使っていたのだった。 ある日の放課後。 礼恩が教室に居ると令嬢の永流をクラスの生徒が囲む。 中身が格安スマホである永流のケータイに電波が入らなくなったのだ。 生徒達はそんなお嬢様の永流を心配してスマホの状態を確認しようと彼女から借りようとするが、永流は頑なに拒否する。 スマホを渡して設定を見られれば格安スマホだとクラスにバレてしまいカーストの下層まで落とされてしまう。 礼恩は日頃の恨みもあり彼女の破滅を望むも心底憎めない理由があった。 礼恩と永流は幼い頃に出会い二人だけで秘密の時間を過ごした仲。 成長するにつれ世間体で二人の間は切り離されたものの、礼恩は永流と過ごした秘密の時間が忘れられず彼女の心に昔の思い出が残っていると信じている。 情に流された礼恩は生徒達に囲まれてピンチにおちいったお嬢様、永流のスマホを強引に奪ったのだった――――。 格安スマホから始まる格差恋愛はどうなるのか？