楽な世界なんて幻想でしかない。生きることは苦楽に満ちており、思い通りになる人生などあるわけがない。
剣と魔法の異世界ファンタジー。子供が喜びそうな響きだが、世界は非常である。そもそも現代日本の生活と衣食住の質がどれだけ違うというのか。飢え、乾き、暴力、死、あらゆる苦難が降りかかる災厄の中、主人公レウルスはそれでも懸命に生きていく。ただ真っ直ぐに生きていく。
前世の知識で何ができるわけでもない、ただ記憶と思いは価値観となり、彼の芯となっていく。
前世の続きではなく、この世界に生きるものとして進む彼の姿に熱いものを感じるだろう。都合のよいNPCではなく、厳しい世界を懸命に生きる人々に魅力を感じるだろう。地に足の着いた話が読みたい方にお勧めしたい名作である。
余談だが過去作とも少し関係しているので、読むとまた発見があるだろう。
……ヤンデレ、おっさんと来て、次はロリっぽい。修羅場も近いな。