この作品の題名、『私に世界は救えません』なるほどおっかなびっくり読んでみたが凄く主人公のリディアが魅力的である。
彼女をさらった盗賊2人の自由さと、悲惨その一語に尽きるリディアの使命との対比は読者に深く考える余地を与える。
私が、この作品の凄いと思うところは、主人公である『祈りの巫女』リディアが本当に等身大の少女に感じられて感情移入させられて気づけば物語に引きずり込まれてしまうのだ。
端的に言ってしまえば、「ドキドキハラハラ、これからどうなるんだ」という気持ちに読者を自然とさせてしまう。
この辺りは素直に著者の方の実力の凄さだと思う。
ハンス司祭の言葉の意味も分かる彼の立場からすれば逃げられたらたまらない。しかしリディアの気持ちもわかる。
悲惨すぎる運命を背負わされた等身大の少女が、これからどうなるか一緒にハラハラドキドキしませんか?