1960年代の三浦綾子の小説/ドラマに「氷点」と言う作品ががありました。偽善者の父に引き取られた主人公は継母に酷い虐待を受け、義父はただオロオロし、兄のみが陽子の味方である境遇ですが、美しく聡明な陽子はそれにめげず常に正しくありました。視聴率40パーセント越えの超大ヒットとなったのですが、クライマックスである事を知った事からどんなに酷い仕打ちを受けても正しく在った主人公は己の原罪に向き合えず自殺を図ります(主人公の心が凍ってしまった瞬間が題名である氷点)そのまま物語は終わりを迎え、継母ザマァ展開を心の底から望んでいたドラマの視聴者達も氷点下に叩き落とされました。
さて「愛憎の華(笑)」。一筋縄では行かないようです。登場人物に原罪の無い人物が一人もいない。虐げられた正妻から産まれた、望まれない醜い子である事から逃れられない主人公は業の深い登場人物達の傍観者か断罪者かそれとも救い主になるのか。