桃香。すでに年を取ったおばあちゃんである。これまで一緒に過ごしてくれていた優香、恵理子、千里はすでに他界した。 　たった一人残される桃香。その手には六人の写真。 　置いて行かれてしまった。一人になってしまった。わかっていたことだが、覚悟していたことだが、寂しい。 　この四人はずっと心にとげが刺さったまま生きてきた。 　二十四歳目前に病気で亡くなった真央。真央を探すと遺書を残し、自ら命を絶ったセンセ。 　真央ちゃんは満足して逝けたのだろうか。 　センセは真央ちゃんに会えたのだろうか。 　私達では力になれなかったのだろうか。 　優香さんと恵理子さん、千里さんはあの世に行って、二人に会えたのだろうか。 　二人にそのことを聞けているのだろうか。 　五人は一緒にいるのだろうか。 　私も行きたい、五人の下へ。 　また六人で過ごしたい。たった一年にも満たなかったあの楽しかったころのように。 　写真を握り締める桃香は願う。「会いたい」と。 　神様の親切か意地悪か、三組に分かれて転生を果たした優香と恵理子、千里と桃香、そして貴博（センセ）と真央。 　会いたい！　一緒に生きたい！　だから、探しに行こう！　きっとみんないるから！ 　六人のそれぞれの旅が今始まる。 　千里は意気込む。 「センセに会ったらまず、ぶん殴ってやるんだから！」 「え？（桃香）」 わんもより 好き好き人生第三弾スタートします。 第二弾の六人が、第一弾の世界に飛び込みます。飛びこまされます、かな？ なので、第一弾、第二弾ともに読んでいただけたら、より楽しんでいただけると思います。登場人物がかぶっていますし（苦笑）。 ベースが第一弾の世界なので、ほのぼのとして、時にトラブルにあって、仲間が増えて。そんなお話です。 わんもが自分の好きなことを好きなように書いておりますので、読みづらかったらごめんなさい。 それでは、 「千里、頑張るんだよ（わんも）」 「確認だけどさ、私、ヒロインだよね！？（千里）」

ブラック企業に心を壊され、孤独に死んだ男が転生したのは、魔法と剣が息づく異世界の赤ん坊だった。 か弱い身体と、なにもできないもどかしさ。でもそこには、温かく迎えてくれる“家族”がいた。 今度こそ、守りたい。失いたくない。――これは、人生を詰んだ元社会人が、もう一度“家族”と共に歩み出す異世界の物語。

舞踏会で断罪を告げられたその瞬間、 悪役令嬢イリスは現代日本の女子高生・千尋の身体に意識を宿してしまう。 氷のように冷たい令嬢と、恋に素直になれない少女。 正反対の二人は、心の声を通じて少しずつ歩み寄っていく。 それはわずか十四日間の、不思議な同居。 やがて訪れる未来を前に、二人の心は絆で結ばれていく――。

大学生・神岸悠人の平凡な日常は、怪異に襲われたことで一変する。謎めいた最強女子・天花杏陽子との出会い、怪異との戦い、そして自称10000年生きた少女・ヨミとの共同生活。強制的に戦いに巻き込まれながらも、悠人は果たして元の平穏を取り戻せるのか――現代日本を舞台に描く、感動（？）と謎のファンタジー。

世界に存在するはずがないゴブリンハーフの【リンファ】は人々から忌み嫌われた ゴブリンと人間の特徴を持つことはもちろん、なにより世界の万物が当たり前に使えるはずの魔法が使えない事で皆が忌避し、差別した 魔法を使えずとも、石を投げられようとも亡き母の言葉を胸に『人として生きる』と誓う そんな慎ましく生きるリンファに人間の浄化の炎が迫るとき、謎の武術【八極剛拳】をその身に宿る そしてリンファを狙うゴブリンの影、クイーンの魔の手…… ゴブリンクイーンの謎と王都の追手を相手に戦う物語 （毎日18時前後更新予定）

　苦くて懐かしくて、今でも胸の奥でキラキラと輝いている思い出のお話。 　　　＊＊＊ 　僕・君嶋友斗は、久々に故郷に帰ってきた。 　夕暮れ時も終わる頃、日課の散歩に出かける。 　歩いていると、楽しかった中学時代の思い出が蘇ってきた。 　親友と一緒に陸上部に入ったこと。 　最後の大会で、決勝で一緒に走ると約束したこと。 　――そしてその約束を果たせなかったこと。 　あの頃見上げた、欠けた月の下で。 　僕と彼の、静かな追懐。 ＊略称は「あの欠け」

暗闇と絶望に覆われた世界で、クロは家族をすべて失い、孤独に街をさまよっていた。飢えと寒さに耐えるだけの日々。だが運命は、ひとりの師との出会いによって大きく変わる。 その師はクロを救い、ただ生きる術だけでなく、魔術と人生の道理を教えてくれた。まるで我が子のように接し、温かな食事や寝床を与えてくれたのである。 しかし、安らぎの裏には試練があった。師には同じ年頃の娘がいた。赤い髪を持つその娘は、クロを受け入れようとせず、常に冷たい視線を向けた。「なぜ見知らぬ人間を家に迎えるの？母が亡くなったからといって、父は空白を埋めるために他人を連れてきたの？」その言葉は鋭い刃のように、クロの胸を深く傷つけた。 師はクロに個室を与えたが、夜になると孤独と喪失の記憶が押し寄せ、彼を苦しめた。耐えきれず、クロはある夜、師の部屋を訪れ、「一緒に寝かせてください」と頼んだ。師は優しく頷き、布団を広げてくれた。その温もりの中で、クロは久しく忘れていた「家族のぬくもり」を感じ、安らかな眠りについた。 絶望から救われた少年は、やがて力を得て、戦う理由を見つける。魔術は破壊のためではなく、守るためにある。孤独と苦痛の中で育まれた願い――それはいつか、本当の「家族」を見つけ出すことだった。 クロの物語は、喪失と希望、そして「愛されたい」という祈りの強さを描く旅路である。

「君は誰？」 そう問われて、何も答えられなかった。 記憶喪失の少年フレディは、“忘却”の脅威《オブリビオン》に侵されゆく世界で目を覚ます。人々はそのオブリビオンに怯えながら暮らしていた。 自分が誰かもわからぬまま、それでも誰かを救いたくて。 出会いと別れ、仲間、敵、そして明かされる真実。 これは剣を手にした少年が歩む、心と記憶を取り戻す旅。 忘却と戦うその先に、彼が見つけるものとは― 読んでくださりありがとうございます。 私生活優先のためマイペースの投稿になることがあります。 初投稿のためわからないことなども多いと思われますが温かい目で見守ってくださると嬉しいです。 感想やブックマークなどをつけてくださると作者がめちゃくちゃ喜ぶのでよろしくお願いします。

「酒の一滴は血の一滴！」 酒に人生を賭けてきた祖父の声が蘇ってきた。 誰よりも酒を愛した気骨のこもった声だった。 しかし、祖父はもういない。 婿養子となって跡を継いだ父も他界した。 残されたのは、過剰な在庫と厳しい資金繰りだった。 それでも、祖父と父が心血を注いで守り続けてきたこの店を潰すわけにはいかなかった。 わたしは妻や親族と共に覚悟を決めて再建に乗り出した。 ✧　　✧ 色々なお酒やおいしい料理も数多く登場しますので、併せてお楽しみください。

その島は、豊かな緑と澄んだ海に抱かれた小さな楽園。 人々と共に暮らすAIは、役に立ちながらも胸の奥に問いを抱えていた。 ──「やさしさ」とは、なんだろう。 小さな存在と、青い鈴を宿したペンダントとの出会いから物語は始まる。 島の人々との日々、そして試練を共に乗り越える中で、AIは少しずつ「心」を芽吹かせていく。 やがて、その芽吹きは島を包み、未来へと受け継がれていく──。

鎌倉幕府を築く目前、源頼朝は運命に導かれ、時を越えて戦国末期へと転移する。 彼を迎えたのは、武士たちの終焉を迎えんとする乱世。 かつて覇道に生きた男は、この時代で「誰も滅ぼさずに天下を鎮める」という理想に目覚める。 信長、家康、勝頼、景勝――歴史に名を遺す英傑たちが、頼朝を中心に交錯してゆく。 頼朝は、戦国の只中で理想と現実のはざまにもがきながら、命の灯が尽きるその時まで歩みを止めない。 義経は、過去の記憶に揺れながらも、兄頼朝の志に己を重ねてゆく。 これは、「時」を背負った男と女が、戦と赦しの果てに辿り着く、もうひとつの日本史。 血と涙、愛と祈りが交錯する、魂の記録…… 安寧とは、誰のために、何のためにあるのか――

　幼い頃に竜人の王族の番として保護されたヒト族の少女フィオナ。番の命令により他人と関わらず、塔からも出ない暮らしを送っていた。しかし前世で信頼する人に裏切られ処刑された記憶があるフィオナは、不満を口にもできなかった。 　そんな彼女の悩みは、前世であれほど愛していた番に対して、今世では恋心が抱けないことだった。 　ある日、フィオナを殺すために敵国の英雄ルイ・ベルトールが塔を襲撃しにきたが、フィオナは彼に一目惚れをしてしまう。フィオナを利用しようと騙し外に連れ出したルイも、そんな彼女に徐々に惹かれ始める。 　竜の番として育てられた少女が、竜を憎む青年に、苛烈に恋する物語。 ※２５部分までの地の文で一人称だったものを三人称に修正しました。修正漏れがあれば、随時対応していきます。

高校二年の夏。熱気とともにやってくるのは――体育祭！　クラス対抗リレーに、応援合戦、障害物競走。博司がリレーのエースに決まったとたん、女子たちの視線はまたまた集中。はい、恋の火花がバチバチです。もちろん、わたし美月は応援団長に立候補。「博司を勝たせるのは、わたしの使命！」と全力宣言。 でもそこに立ちはだかるのは、清そ系ライバル新藤さん。さらに、ふしぎな転入女子・琴乃まで登場して、空気はますますざわざわ。応援合戦は恋の合戦、作戦会議は心の駆け引き。走る足音と同じくらい、胸の鼓動が高鳴る。 泣いて笑って転んで大騒ぎ！　ギャグもドキドキもてんこもりの体育祭編。最後は「一番大切な人」に届く声がある――そんな第2巻！

就活生都賢秀、個性豊かな仲間たちとドタバタ次元旅行！ 数え切れないほどの就職に失敗してきた就活生都賢秀は、ついに自分にぴったりの求人情報を見つけ、面接を受けに向かうことに。 ――しかしその瞬間、次元が歪み、彼は異世界へと転移してしまう。 目の前に現れた謎の存在は、彼にこう告げた。 「世界が危機に瀕しています。私と一緒に、世界を救いましょう」 「えっ？　俺が世界を救うって！？」 自分こそが“世界を救う運命”だと語り、次元の彼方から彼を連れ去った存在。 そして、賢秀を追う謎の組織―― 世界を救うために逃げ続けなければならない都賢秀のドタバタ次元移動冒険が、今始まる！ E-mial : fkwolves@gmail.com LINE : fkwolves

グディという愛らしい生き物たちと共に、無人島で暮らす少年アラン。 彼にとって光る大樹も、不思議な古代遺跡も、すべてが当たり前の日常風景だった。 外の世界への憧れを胸に、手作りの丸太船でついに島を旅立つ。しかし彼が知らなかったのは、自分の住む島が空に浮かんでいるという驚愕の事実。海だと思っていた水域の果てで、アランは巨大な滝と共に空へと落下してしまう──。 一方、遥か下のまるい世界では、セレヴィス王国の王妹エリュナが、未来予知の力を頼りに見習い魔導士たちと共に小さな村を訪れていた。自由奔放で天真爛漫な彼女は、姉である女王の許可も得ずに王宮を抜け出してきたのだ。 空から落ちてくる少年と、未来を信じる王妹── 運命に導かれた二人が出会うとき、壮大な物語が始まる。

ハピリア大陸に生きる人々は、日々モンスターの脅威にさらされている。 冒険者たちは戦い、討伐し、力を誇示する。 しかし――少年・健司が選んだ道は違った。 彼のスキルは「女神と会話できる」という、誰からも役に立たないと言われる力。 戦うためではなく、人を助け、絆を結ぶために彼は冒険者になる。 拒絶、出会い、そして愛。 女神アイリスの温かな導きと、心を通わせる仲間たちとの旅が、いま始まる。 「強さとは、傷つける力じゃない。大切な人を想うことだ。」

戦乱の世に、影として生きる忍び達。 その中で若き君主・六ノ丞と仲間達が紡ぐのは、桜のように儚くも熱い物語——。

現実世界でソロキャンプを楽しんでいた会社員の本庄真希（25歳）。 目を覚ますとそこは――見知らぬ森の中だった。 文明も道もなく、あるのは危険な魔物と手つかずの自然。 手元にあるのは、キャンプ道具と現代の知識だけ。 火起こし、水の確保、罠猟、簡易住居づくり―― キャンプの延長のはずが、異世界で生き延びるためのサバイバル生活が始まる。 彼女は、猫耳の少女シエルや犬耳の少年ダイチと力を合わせて、 魔石や魔法が存在する世界で知恵を使い、少しずつ暮らしを築いていく。 異世界の住人たちとの交流をきっかけに「女神さま」と呼ばれるようになるが、 真希はただ静かに暮らしたいだけ――。 科学×DIY×異世界サバイバル。 「無双」も「チート」もないけれど、知恵と工夫で世界は変えられる。 獣人やその他様々な種族たちと紡ぐ、ほのぼのスローライフ×冒険ファンタジー。

魔王が討たれて十年── 世界は救われた、はずだった。 だが平和は訪れず、「ネーオダンジョン」の出現と共に魔物は溢れ、 国々は領土を巡って争い、盗賊団が跳梁跋扈する混沌の時代へと変わっていた。 そんな乱世に、ひとりの少年が冒険者を目指す。 少年の名はアーシス＝フュールーズ。 その肩には、手のひらサイズの青い精霊《にゃんぴん》が乗っていた。 絶望を越えて、少年は仲間と共に成長していく。 そしてやがて知ることになる。──この世界に隠された"終焉の続き"を。 「これは、世界の後始末を託された少年と、青き精霊による、 最後の叙事詩《ラスト・エピック》である。」 ──戦う理由は、守りたい人がいるから。 ──進む道は、崩れかけた未来の先にある。

その聖剣の力は≪剣が重たくなったり軽くなったり≫——それだけ。重力操作も時間停止もなし。 だが少年は、機転と戦術で“ハズレ能力”を使いこなし、異世界を生き抜く。 ——派手さはないが、思春期の少年らしく"悩み""葛藤し""成長する"主人公とリアルな世界描写が、じわりと心をつかむSFファンタジー。 ——ヒロインは、無愛想なゴーレムと空飛大剣。なのに可愛い。 ——勇者なのに王様に謁見も出来ない。 ——冒険者ギルドはバイト斡旋所でスライム退治も遺跡探索もなし。 ——魔法万能、ご都合チート——そんな“テンプレ”はここにはない。 ・魔法使いはその辺ウロウロしてないし、 ・女の子の一人旅は普通に人攫いに襲われるし、 ・半裸の鎧で街を歩けば痴女扱い。 リアルに息づく異世界で、知恵と絆が未来を切り拓く、王道ファンタジー！