地方国立大学を卒業したが希望する就職先が無かった個性的だが頭脳明晰な5人は、一緒に起業することにした。 5人は海外展開していくことを夢にみながらも冷静にビジネスのターゲット層を探り、 まずは日本に住む日本人の中で’使えるお金をたくさんもっていて、愉しくしていたくて、幸せに生きていたい‘というような条件を満たす国民にしようということになり、 それは４人に一人存在する高齢者だと分かった。 まだ加齢や病気などに縁の無い5人が、60歳を過ぎた元若者達の、100年人生を勝ち残るための生き方を探っていく。

台風でなくても海が凪になることのない瑠璃崖の険しい先端に、ある日、男女ペアのスニーカーが寄り添って置かれていた。 母子家庭で東大受験を目指していた高校生のタケシは、新しい父親と生まれたばかりの妹とできる限りの平常心を保って笑顔で目の前のことを丁寧にこなしながら近づく入試に向けて受験勉強の日々を送っていた。 多分幼馴染？の女の子がタケシにくれたお守りは何かあるとずっと心を支えてくれていたのだが、 大学受験もあってその子とは登下校の電車の中で話すくらいになり、気になりながらも次第に疎遠になっていき名前も忘れてしまうのだった。 結局東大に落ちて地方の国立大学心理学部に進むことになったタケシは、親元を離れて自立するためにバイトを探すのだが、精神科女医の片瀬に声をかけられて医師監修の薬膳酒CAFE『カルペ·ディエム』のオープニングスタッフにスカウトされる。 完全終息したとは思えないウイルスパンデミック経験社会での店の客はタケシにはなぜか不思議に想えるような女性ばかりで、世の中の奥底をまだ知らない楽聖のタケシの心の降り幅は日増しに拡げられてゆくことに…。 大学で心理学を学ぶタケシのバイト先『カルペ·ディエム』で自分の目を通して、若い女性達や国民の半分を占める高齢女性達の観察をしながらタケシは考える。 「恋愛や結婚って本当に人生に必要なことなんだろうか…？」 大学では、妙に気が合う先輩のサクラが卒業して臨床心理士になり、ルームシェアすることとなったが、ある日サクラは部屋のクローゼットで自殺未遂を起こしてしまう。 一方、女医の片瀬が急に居なくなって自殺したことは店「カルペ·デイエム」では暗黙知秘匿ルールとなっていたが、いよいよ大学卒業のタケシに就職したい先がなかったことでそのまま片瀬の真実もわからないままバイトを続けることに。 また、 再婚したタケシの母の相手が急死し、保険金も残されずすぐに生活に窮することになった母と幼子のことも気になるが、そのうち母は、また再婚相手を見つけてしまう。 人生は何のためにあるのか？ 結婚して家族を持つことの意味とは何なのか？ タケシの選んだ答えとは？

エミは高校で20代後半の独身生物学教師タチバナと初めての体験をしたことで卒後は大学に進まず彼と結婚したいと思っているが、交際を秘密にしなければならないことに次第に強い不安と不満を覚えて以前から気になっていた相談サイト「守破離」のアドバイスを受けるようになっていた。 サイト管理者からのアドバイスは、題名のないごく短い小説が添付されるだけだった。 妊娠したかもしれない不安な状況で彼や自分の身近なところにいる大人達についての高校生エミは人間観察をするようになる。さらに必要に迫られて日本社会を知るためのネット検索が始まり、エミの恋は少しずつ社会への学びに変わっていく。 サイト「守破離」を小さいきっかけにして、エミは自分の人生を自分ひとりで生き抜くのか、信頼できるパートナーを見つけるのかを判断していくことになる。 タチバナの生き方やタチバナと関係を持った先輩の教師ユカリの人生にも、妊娠してしまったエミの知らないところで大きな変化が起きていた。 エミは子どもを産むために学業を捨てて主婦になろうと考えるのだが…。

高校生のキキョウは、ある日落として壊してしまったスマホを修理に出したあと「そのスマホで写メにとった本や絵の中の女になる夢を見ることが出来るようになっている」と夢の中の声に告げられ、不思議なアプリを使えるようになる。 マッチングアプリのように他人にばれるのを恐れることなく、あらゆる時代の美しく着飾った気になる女の恋愛事情が夢で体験できるようになった全く恋愛経験の無いキキョウは、 夢の中の女の目をとおして彼女たちの喜びや哀しみから男や社会が女に求めるものを感じ取っていく。 ある日クラスメイトに付き合ってモデル事務所のオーディションを受けたことから高校生モデルとして少しずつ仕事をするようになったキキョウは、撮影のノリでファーストキスをされてしまったユージに深く惹かれていくが、彼には人に言えず背負っているものがあって…。 一方、アプリで夢をみればみるほど昼間起きていられる時間は減っていくことになるのだが、キキョウは伝えられていない。 現代の女にとって、理想的な男とは？ 恋とは？ 社会とは？ 一度きりの女の人生を幸せに生きるためのレッスンアプリ、キキョウは旨く使いこなせるのか…？

高３の女の子カエデは、WEBで知りえる世の中の多くの情報に流されながらも自己中心的に人生を生きぬいていければ良いと思ってきた。 同級生のアツシと一緒に本当はゲイではない美貌の秀才ドラーグクインと出会ったことから、 受験を経て大学生になり、大人の創っている現代の世の中の歪みを覗いてしまう。 そうしたカエデもアツシも自分の足で人生を歩き出すのだが…。 ～ ヒーロー文化や宗教崇拝の背景がない日本 ＝人が見ていなければ何をしても良く旅の恥をかき捨てる村八分で袖の下文化＝ で、戦後の大人が都合良く構成した教育を受ける現代のティーンエイジャー達。 やがて彼らも日本の未来を創る側である大人になる時がやってくる ～ カエデとアツシはドラーグクインのモネからどんな人生を指南されるのか！？ ～

若手俳優リョウが、病で急逝した妻ユウコと自死してしまったイケメン人気俳優ハヤトら2人のゴーストに見守られながら専属マネージャーであるゲイのスドウと共に「世界のリョウ」と言われる俳優になっていくキャリアアップの物語。 心配過ぎてリョウとスドウのそばを離れられないゴースト·ユウコとハヤトは、どこからどのように浄土に入るのか…？

5歳のときから人気子役だった美形の高校生俳優リョウは、役者としての仕事の悩みや傷ついている素の心まで何でも信頼して相談できる13歳年上の臨時教員ユウコと結婚した。 非公開な婚姻をして俳優を続けながらも、本当の愛を大切にする大人の男になっていく成長と愛情を追う物語。 ～リョウは売れっ子の子役俳優なのだが自分自身にも仕事相手にもシビアで、女の子を本気で好きになる気もなく、ただ一人の心を許せ安らぐ相手といえば補講担当のユウコ先生だけだった。 17歳になったリョウはマネージャーや事務所幹部を説き伏せて世間には非公開で30歳のユウコと入籍してしまうのだが、 じつは妻になったユウコは、女の子に興味のないリョウは本当は男の子との愛を求めていることに自分でも気がついていないだけなのでは、などと思ってしまう。 若いリョウは役に没頭し過ぎてたびたび自分を失くしてしまうが、ユウコだけは何かあった時いかなる時にも一番近くに居て欲しいので戸籍で妻となってもらったのだが、実のところは夫婦というよりシェアハウスの同居人のような暮らしだった。 人の心を揺さぶるような本当の演技が出来る俳優を目指すリョウにとって13歳年上のユウコは生涯を共にする本当の人生のパートナーなのか？ ～

令和の今でも「社会的な女性権益‘超‘後進国」日本の開業医のレイコが、急死した母の戸籍を見ることで初めてその名前を知った、自分と遺伝的な繋がりを持つ明治大正時代の女性たちの生きざまから改めて命の繋がりを知る。 戦中戦後の近代日本男性社会の慣習の中を生き抜いた女子特有のキャリアデザインを辿るヒューマンドラマ仕立て。 ～江戸時代嘉永、医業を営む家に生まれたレイコの祖父(実は曾祖父)が90年の人生で支え続けた人々＝妻4人、愛人4人、実子6人、非嫡出子10人の最後のひとりが、令和に亡くなったレイコの母。 生まれた環境がどうであれ女性の立場では自分の人生を何一つ決められなかった時代の日本で、 人生を楽しむための女子力を令和の後世につないでくれた生き方とは？～