異世界転生したスポーツトレーナー藤軽動太(ふじかるどうた)はギルド職員として冒険者の訓練を行う。 回復魔法で怪我は治せるが怪我をしやすい動きのクセは変わらない。怪我リスクが高い動作の発見と再発予防トレーニングが必要だ。また、身体強化魔法はベースとなる体力次第なので、基礎能力を上げることでパフォーマンスを上げることができる。 ダンジョンで戦闘中に膝の前十字靭帯断裂を繰り返す女冒険者、速く走れなくて困る冒険者、ジャンプ力が足りずにクエスト失敗する冒険者、重たい鉄塊を持ち上げる際のギックリ腰を繰り返す鍛治師など、異世界の人々が抱える課題を解決していく。 「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に掲載しています。

　雷、豪雨、大雪、暴風。 　八年前、四つの天気が地球上から「削除」され、世界の空は常に晴れ渡るようになった。 　そんな人類史に残る「削除」の日に、不幸にも自然界最後の雷に打たれてしまった針見トオル。 　十五歳の誕生日を迎えた彼は、毎日ダンスバトルに明け暮れていた。 　ある日行きつけのクラブで、トオルは金色の髪をたなびかせた女性に声をかけられる。 　エベレアという名前の彼女は、八年前から世界を席巻している新競技「サンダーストラック」の選手だった。 　風雨の中で稲妻をまとい、いまや日常ではお目にかかれなくなった「嵐」を観客の前で再現するこの競技に、流されるままトライしてみたところ、トオルはあっさりと電圧記録を更新してしまう。四年間塗り替えられていなかったかつての記録は、エベレアの元・相棒のものだった。 　二対二で行われるサンダーストラック。 　一方、彼女の新しいパートナーとして、熱心にプロ入りを目指す兄の姿を、双子の弟・針見ヒカルは快く思っていなかった。 　母の生命を奪い、兄自身の顔にも深い火傷を負わせた「雷」という天災に、なぜ今さら関わる必要があるのか？ 　必死の説得も実を結ばず、やがてヒカルはひとつの結論にたどり着く。 　——兄を止めるには、兄を超えるしかない。

反則を用いて日本一を目指す公立高校の弱小野球部が、勝ち進めるうち巨大な陰謀に巻き込まれていく。