乙女ゲーム『十字架の国のアリス～王国の光～』の世界にモブ令嬢として転生した元道産子・エミリー・ハートリー侯爵令嬢は、王子二人の婚約者選びの会で『なんでやねん』という第二王子ルイの関西弁の呟きを聞いてしまい、運命のいたずらでモブなのにルイの婚約者になってしまう。 第一章 【遺伝子疾患・偽聖女編】 　実は前世からの片思いの相手はルイだったことが判明。一方シナリオにはいなかった筈の偽聖女が遺伝病を発生させ、次々とイベントを乗っ取っていきシナリオは大幅に狂っていく。真のヒロイン・アリスは出会いイベントも含めて一つもイベントを達成出来ずにいた。元医学生だったルイの知識と攻略対象者全員の協力で、国民の遺伝病を食い止めるために勝負を仕掛ける。 第二章 【幻獣の国・クローン編】 　進級して第二学年となったルイとエミリーはベスティアリ王国から招待を受ける。その国はゲームではマップの端で見切れていたベステラン王国。一年前に国名が変わり、この世界にいなかった筈の幻獣が住むという。何故かシナリオとは変わったその国で、ルイを待っていたのは前世の元同級生・魔法使いネオ。ネオには何としてでもルイ達を呼ばなければいけない理由があった。二人は細胞遺伝学の知識と技術でベスティアリ王国の抱える問題を解決していく。 最終章 【バイオテロ・レトロウイルス編】 　平和で幸せな日々を過ごすルイとエミリー。そんな時クルス王国各地で謎の病死者が出始める。追跡調査で判明したのは全てがウイルスによる感染症ということ。辺境地から発生した被害は少しずつ王都に迫ってきていた。犯人の目的を予想したルイは唯一の治療法を確立するため、自分の遺伝子を持つ者達に協力を仰ぐ。