神隠し――日本の伝承や民間信仰に語られる現象。多くは人のいない山中で起こり、前触れもなく立ち入った人が消える。それは古くは山の神、川の神による拐かし、妖怪による悪戯と考えられてきた。 　石動辰巳は中学生三年生の終わり、高校へ入学する前に神隠しにあった。これは異界へと迷い込んだ少年が十二年後に故郷へと戻った、人との縁を結び直すやり直しの物語。 　――古く歴史のある寺院。信仰する者の絶えた廃神社。二つを結ぶ過去の惨劇。神隠しにまつわる地域の伝承。信仰の聖地である月隠山。辰巳が神隠しに遭遇した理由とは。 　そして、辰巳を一途に想うカンナギ。そのヤンデレ気質の激重感情に辰巳はどうする？ ※内容的には、妖怪 × 祓い屋 × 日常と非日常 × 恋愛？ × たまに闘い、みたいな話を目指してます。 ※のんびり更新していきます。カクヨムでも公開しています。

コロラド州デンバー。ロッキー山脈の麓に広がるこの街で、ひとつの愛の物語が静かに始まろうとしていた。 大学の図書館で必ず居眠りしてしまう22歳の博士課程学生、エリック・コール。細胞のストレス応答と修復メカニズムを研究する彼は、涙もろく優しい心の持ち主だった。一方、同じ研究室で脳神経系の修復について研究する24歳のリサ・ホイットニーは、知的でクールな先輩研究者。7歳で母を亡くした彼女は、一人で強く生きてきた。恋愛経験はないが、内に秘めた温かさを持つ女性だった。 そして、二人を見守るのは、エリックの親友でもあり司祭でもあるエドガー・マッツァンティ。26歳の彼は、科学と信仰の両立を目指すユニークな存在として、この物語に独特の視点をもたらしていく。 図書館での何気ない視線の交錯から始まった関係が、やがて深い愛へと発展し、研究と育児を両立させながら家族を築いていく日々。しかし、その穏やかな幸せは、突然の試練によって揺るがされることになる。 愛は時として、最も予想外の形でやってくる。そして喜びと困難の両方を包み込みながら、人生という実験は静かに、しかし確実に続いていくのだった。

北の鉄壁と呼ばれる国、ロトアロフ。長く厳しい冬に耐える国は、神たるアルカポルスの強い信仰のもと、強国と周辺国に名を知られていた。だが強国はそれゆえに内部からの歪みには脆かったなんぞ、誰一人として気づけなかった。神たるアルカポルスが眠ってしまっていることも、彼の神の愛娘達が憂い、悲しみに暮れていることも誰一人として、知りはしなかった。 歪みは確かに、そして確実に神さえも蝕み始める。それは時空を歪め、異世界にまで手を伸ばしていた。 何も変わりなく過ごしていたはずだったのに、歪みの手に巻き込まれた静（しず）達四人は異世界に落ちてしまう。 巻き込んでしまったと悲しむ愛娘達の為に、そして元の世界に帰るために、四人は歪み続けるロトアロフの聖女として内心勘弁してほしいと思いながら、真相を探し、歪みを正す物語。

推しが神様の世界に転生した！？ 気がつくと見慣れない世界にいた。そこで目にしたのは、自身が前世で推し続けたトップアイドルの国木原たまりの彫刻。彼女はこの世界でティマリール神として信仰されていた。 ティマリール神像を見た瞬間から俺ことマルコは、シスターや村長たちと過ごしていく中で、信仰心を魔法に変える神信力である白魔法の存在を知る。 魔法の存在なんてどうでもいい、彼女への礼拝ができればそれだけでいいんだ。そう思っていたが……？ 推しが神様の世界なら俺はなんだって──

生きるって、どういうこと？ 誰のために剣を抜き、 何を遺して、死んでいくのか。 無知でいることの優しさ。 見ぬふりをした夜の重さ。 金で買えぬ願いを、手放さずにいられるだろうか。 大人になるにつれ、 何かを拾い、何かを削って。 それでも歩くしかないすべての人へ。 ──これは、世界の問いと、あなた自身に火を灯す物語。 ……夢を見た。 世界が動いたのは、ひとりの少女の過去からだった。 悪夢に触れた獏の男が、 幾重の種族の、幾重の選択を見届けていく。 魂の重さを量る死神。 誇りに生きる天使。 規律を信じる悪魔。 忘れられた妖怪たち。 それぞれが胸に抱える、痛みと願い、信仰。 世界の根に遺された、誇り。死。未来。名誉。 すべての命が、生きて、迷い、問い続ける。 群像劇にして、ひとつの問いの物語。 生きて、考えろ。 死さえも越えて、何かを遺せ。 ──あなたの中に、火種はあるか。

感謝　2025年8月5日　【６６０，０００ＰＶ】達成しました<(_ _)> 　地球に生きる多種多様な生命。 　それらの霊長と自負して疑わない人類。 　そして、命が誕生した三十八億年前から、様々な世界の創造を果たして来た神々…… 　今やその身への信仰を失い、自ら創造して来た人々から悪魔と貶められた彼等。 　そして地球という星。 　太古から複雑に絡み合った運命に起因する滅びは現代になってこの星全体に顕著な変化を見せ始めます。 　巻き込まれた令和の人々と全生物、そして忘れ去られていた神々、悪魔が力を合わせて残酷な運命に逆らいます。 　魔神アスタロトが、神殺しバアルが、偶像神サタンが、そして最高神であり最も忌み嫌われて来た存在、ルキフェルが地球を守る為に再降臨します。 　オールアースで立ち向かう戦いです。 　果たして、生きとし生ける物を消滅という最悪の未来から救う事が出来るのか？ 　物語の顛末は、全てを見届けようとする謎の存在、『観察者』によって語られます。 　オタクな中年男女がコミカルに、生まれつき脆弱だった小さき者が牧歌的に、数奇な運命に翻弄された三名は遠い未来でシリアスに…… 　物語は令和から始まって数千年以上先まで三部構成、全六章で紡がれています。 　神々と悪魔、死と魂、そして星々の意思、滅びと再生…… 　そして抗った先、未来で待つ世界の姿とは、一体…… この物語は令和から始まる創世のお話です。 　是非お読みいただき、長くお付き合い頂ければとても嬉しく思います。 　どうぞよろしくお願いいたします。 　～全ての創作者に愛を込めて～ ※作品はアルファポリス様、ツギクル様、note様、テラーノベル様にも掲載しています。 ※挿絵が頻繁に差し込まれます。 お手数でございますが苦手な方は挿絵表示機能をオフにして頂くことをおすすめします。

そこは虚無の世界だった。 何も無かった。 ただ、その悪魔には時間だけがあった。 だから、学んだ。魔法を極め、そことは別の……現世の世界があることを知った。 希望を見出し、更に時間が経った。 そしてその悪魔は理解した。 現世からの干渉無しにはこの世界から出ることは出来ないということに。 そこで悪魔は現世には存在しない悪魔を信仰している人間に目を付けた。 悪魔の母体数を増やせば、悪魔を召喚してくれる生物が現れるのではないか？　と。 そして万年の時が経ち、その悪魔はとある貴族の令嬢に召喚されることに成功した。 万年を生きた弊害で頭のネジを何本か落としてしまいながら。

かつて滅ぼされた異民族〈アスハル〉。 その血を継ぐ少年リュシアンは、辺境の村でひっそりと暮らしていた。 だが、王国の圧政と差別の視線は彼を逃さず、やがて村にも追手の影が迫る。 仲間との出会い、過去の秘密、そして自らの血に宿る力――。 失われた自由を求めて、リュシアンは運命に抗う旅へ踏み出してゆく。 剣と信仰、裏切りと希望が交錯するこの世界で、少年は「自分が誰であるか」を探し続ける。

前代未聞の問題児と呼ばれた私が恋した相手は冷酷王子でした。 「必要ない。邪魔だ」 その視線は、まるで氷の眼差しだった。 孤児院育ちで勉強より体を動かすことが好きな16歳の少女イリスは、その身体能力を活かし世界有数の高等魔法学校「国立スティア魔法学院」の騎士科に入学した。 そこで出会った太陽と月を信仰するイルーナ王国 第二王子クライス＝ヴァリシエの護衛を任されるが、必要ないと門前払い。 それならそれで、と学園生活を満喫しようとするも何故か色々な問題に巻き込まれ、いつの間にかクライスとよく顔を合わせるようになっていく。 「またお前か…」 「今回は私のせいじゃないからね！？」 魔法、決闘、精霊、ドラゴン、戦争、王位継承。 様々な出来事が鍵となり、明らかになっていく真実を前に二人は何を思い、どんな道を選ぶのか─── ※この物語はフィクションです。歴史や文化、習慣、宗教、風俗は全て架空のものであり、類似する表現等があっても現実とは一切関係ありません。ご理解のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

　黒崎和己（くろさきかずき）は、遠方の高校に進学して一人暮らしを始めた。 　彼は、ある事件がきっかけとなり、隣家に住む宝積寺玲奈（ほうしゃくじれいな）と知り合う。 　２人は、親しくなって恋人同然に振る舞った。 　しかし、そのことが原因で、和己は周囲から強い関心を持たれてしまう。 　実は、和己が移住した町は、この世界を侵略者から守るための拠点となっており、玲奈こそが切り札と呼ぶべき存在だったのだ。 　和己は、勢力争いにばかり注力する味方に困惑し、玲奈との関係に介入しようとする権力者に翻弄されながら、自身がどのように振る舞うべきかを模索することになる……。

事故により意識不明になった吉田正義。 再び体に戻るには、別の世界で「神」となり、皆の信仰を受け、弱った精神を回復させることだった。 さっそく異世界に飛ばされるものの、そこに人間の姿はなく虫や小動物ばかり。 しかし、あることをきっかけに次々と進化していく動物たち。 更に進化した生き物たちは、皆歴史の中で名を馳せた「転生者」だった。 吉田正義の信者たちが魔族によって滅亡寸前の世界を救うため、知略・武力・外交を駆使して「理想の世界」を作る事に奔走する。 はたして主人公は無事元の世界に戻ることができるのか？ 全ては神の力で何とかしなけらばならない。

これは、夢を見る旅。記憶を辿る旅。そして――未来を変える旅。 【幻想×信念×赦し】 この物語は、ファンタジー世界における信仰の中で、差別的な扱いを受ける少女・ライラが、誇りと尊厳を取り戻していく“成り上がり”の物語です。 あらすじ ≪太陽の国≫ソラリス帝国――信仰と英雄が支配する国。 蒼い瞳は、「赦されざる者」の証とされ、忌まれ続けてきた。 蒼い目を持つ少女・ライラは、過酷な人生を生き延びるため、信仰なきまま修道女の道を選んだ。 けれど、その心の奥には、誰にも明かせぬ“使命”があった。 「……私は、私の夢を守ります。たとえ、彼に憎まれたとしても」 神に見放された少女が、たった一つの想いのために運命へ抗うとき、 600年続いた均衡が、静かに崩れ始める――。 登場人物 ライラ＝ロ＝ノクタリカ １６歳。銀の髪に蒼い瞳を持つ少女。 ノクタリカ州領主の娘だが……わけあって、神に使える修道女。 レオン＝ル＝アストラード １６歳。赤い髪に金の瞳を持つ少年。 名門アストラード家の一人息子にして、将来を約束された未来の英雄。

「この世界、超大規模な哲学試験会場じゃないか！？」 ごく普通の高校生・桐谷衡（きりたに こう）は、とんでもない災難に遭い、気がつくと剣と魔法の世界に放り込まれていた――わけがない！ ここでの魔法は全て “哲学への信仰” で発動し、当然のごとく哲学オタクたちがはびこっている。 ええと、そのオタクたちについてはひとまず置いといて…、カントが下ネタを言い、サルトルが破壊狂で、カミュは男の娘って、もう充分にヤバいんだけど！ そんな常識ハズレの世界で、暗記中心の理系男子である彼は、自分がすべての唯心論的哲学攻撃を無効化できるだけでなく、“唯物論的辩证法” で敵のボスの信念を崩壊させ、スキル反噬を起こさせられることに気付く。 しかも、なぜか彼の率直で鋭いツッコミは、どういうわけか以下のような彼女たちの心を巧みに刺激してしまうらしく…： カントに縛られた堅物で恥ずかしがり屋のツンデレ美少女騎士 無口で陰鬱、しかし研究熱心な中二病錬金術師 元教会暗殺者で歪んだ執着心を持つ小動物系メイド “苦痛即治療” を信じるドSエルフ治療師 …… 「君たちの唯心論は、実践の検証に耐えられないんだよ！」 ツッコミまくり、論破しまくり、ハーレムを築きつつ、帰る道を探す―― 唯物論的辩证法で異世界の哲学狂人たちに立ち向かう、この荒唐無稽な冒険が、今始まる！

♦︎龍の力を振るう 異能の者たち の饗宴が幕を切る♦︎ 隆盛を極めるロゴスの國—— 『龍神が宿るこの地。まさに極楽の園』 龍神は、信仰心篤き民の胸に豊穣と秩序をもたらした。 だが—— 500年という悠久の時を経て、人々の心から信仰は静かに薄れ、龍神の眼差しは遠く離れつつある。 見放された時代を生きる、少年少女たちの物語。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ １話目を抜粋〜 ジュナは小さな岩塊にそっと触れて、静かに目を閉じる。 太陽のように心地よく暖かな光を頭の中に思い描きながら、低く囁きように言葉を紡ぐ。 「輝け」 その瞬間、岩塊が胎動するかのようにわずかに熱を帯び、内に秘めた力が淡く発光しはじめた。 その光はまるで、ステンドグラス越しの陽光のように幻想的で、周囲を優しく包み込んでいく。 この岩塊は『龍石』と呼ばれ、 龍神の血を継ぐ者――すなわち『龍の子』のみが干渉し、恩寵を引き起こすことができる。

その昔、宇宙はビッグバンで爆誕した。程なくして、色や時間の性質を持つ追いビッグバンが爆発した。それから幾年、ややスモールなビッグバンも銀河のどこかで誕生し続けている。 ビッグバンの中心宙域を通る膨大な力は、距離を飛び越えて人や物を別の中心へとテレポートで繋ぐことができ、その中心宙域は「宙心地」と呼ばれた。 宙心地は一方では信仰の聖地であり、もう一方では銀河最大の企業が競い合う一等地でもある。 銀河単位での物流インフラがインフレしてる中、流通の覇権を握る企業による、人工テレポートターミナルの披露宴が幕を開ける。 8話以降は更新不定期です。ノベルアップ＋でも投稿してます。

太古の昔、世界は「魔獣」が跋扈する過酷な時代だった。人族、エルフ族、ドワーフ族、獣人族は種の垣根を越えて協力し、魔法文明を築き上げる。それは後に「神代」と呼ばれる輝かしい時代だった。 しかし、その時代は突然終わりを告げ、長い年月が流れる。人間同士の争いが繰り返されるようになった時代に、「黄金の杯」が発見された。それは石板に「人間が産み出した悪意」と記された、神代の遺物だった。 争いに勝つため、人間はその杯の強大な力を利用するが、石板の警告通り、杯は呪いを振り撒き、世界に伝染病を蔓延させる。それでも勝利した国は、その杯を「聖杯」と呼び、信仰するようになった。 やがて、世界中で次々と神代の遺物「聖遺物」が発見される。国々はそれを兵器として利用し、聖遺物は人間にとってなくてはならない存在になっていく。神代は神からの贈り物だったと信じられ、信仰の対象となった。 これは、聖遺物を巡る理不尽な争いの中で、両親を失ったひとりの童の英雄譚である。

科学の力で、魔法の世界をぶち壊す！ Messiah of Steel：異世界で最強科学装備無双！ 作者：DrakeSteel 科学と魔法が衝突する世界に、銀河最強のパワードスーツ《NOVA》を纏った男が降臨する――！ 魔法と信仰が支配する異世界に、科学の天才デレク・スティールが降り立つ。 彼の手には、自作の最強科学兵装《NOVA》があった。 目的は、膨大なエネルギーを秘めた古代アーティファクト〈コラール・ノード〉の回収。 だがノードの起動と共に、彼は魔法と科学が交錯する異世界へと飛ばされてしまう。 科学では理解できない「魔法」に戸惑いながらも、知識と技術を駆使して生き延び、NOVAの力を次第に解放していく。 ──そして、科学しか信じない合理主義者の彼は、「神の使徒」として崇められるという皮肉な運命に巻き込まれていく。 魔法の常識を打ち砕き、信仰と運命に抗え――！ 科学の力で、神話を塗り替えろ。 そして、『鋼の救世主』となれ。 ※この作品は、英語で執筆されたオリジナル小説を日本語に翻訳・編集したものです。（翻訳・編集：DrakeSteel） ※本作は「異世界×ファンタジー（連載中）」ジャンルの月間ランキングに掲載されました。 ※本作は以下の企画に応募しています： 「第6回HJ小説大賞（前期）」「第13回ネット小説大賞」「第6回集英社WEB小説大賞」「第1回スピアノベルス大賞」

就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた！？ 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する！ 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕！ ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「カクヨム」にも掲載しています。「Caita」には転載作業中。

神は死んだ。 巨大な骸は灰と化し、大地を覆い、すべてを呑み込むほどに世界を覆った。 　 　その地は何かを拒んで。 　その地は何かを慈しんだ。 龍にして、龍にあらず存在への信仰は未だに潰えぬ地で男が一人。 その匂いは冷たく、記憶すら燃やし尽くす。 　そんな感覚も現実へ移る。 やがては一人の身でなくなる。 灰の大地から旅立、ち向かう先にて、選ばれた記憶と再会する。 失われた真実を求め、絶えずやまない恐怖の存在に抗う運命の旅に、残響の成れ果ては、再生の火は灯すのか。 出会う全てにおいて、森と木々、海と波。不可視な存在、常なる敵。 気がつけば 足元には、死した森。 葉の代わりに灰を纏う木々は、風に軋みながら過去を語る。 彼方には、光さえ映さぬ暗闇の深淵に等しいか、その海。 波が鈍くうねり、地上にも関わらず深淵からの目が旅人を見上げるように彼を見下ろす。 踏み入る地のすべてに、不可視の敵が息を潜めている。 恐怖で体が震えている男に神の偉業が降り注がれる。 彼は忘却の海に沈んだ真実に打ちひしがれるか、または己の魂を削る毒に喰われる定め。 形なきそれらは、決して、眠りを許さず、息を潜め、常に脅威になる。 焔で導くのは、過去か、真実か。救済か。 　英雄の叙事詩になるか。 騎士に詩人に、帝国の存在。 これは滅びの物語か、それとも再生の序章か。 絶えぬ疑問にいえることはただ一つ。 ———「死んだ世界たちが、もう一度、脈を打とうとしている。」——— ※カクヨム、ネオページ、にて同名義で連載中

「この件、君の責任ってことで処理しておいて。……大丈夫、わかってるよね？」 神殿観光事業部――華やかなはずの部署の裏側は、上司のミスは部下に押しつけ、手柄は我が物とするブラックそのものだった。 建前だけは“神のため”“信仰のため”を掲げながら、実際には誰もが自分の保身と出世のために動き、他者を気遣う空気など、どこにもなかった。 神殿都市で働いていたミレイは、大規模プロジェクトの責任者にされながら、失敗の責任を一方的に押しつけられ、職を失う。 行き場をなくした彼女が辿り着いたのは、隣国の片隅にある、誰にも忘れ去られた廃れた村・ファレナ。 もう何も信じられない。 だけどここで見つけたのは、“本物”の奇跡だった―― これは、心が擦り切れたひとりの女性が、 「嘘」や「偽物」に捨てられて、 「本物」と「仲間」に出会って、 小さな村と、もう一度自分を取り戻していく物語。 ※現地主人公・転生要素なし ※恋愛要素あり・ヒーローは複数登場、ただし「くっつかない」エモ系です ※ざまぁ、復活、町おこし、神殿、ブラック職場の後遺症など お話のストックがございますので、8/17までは毎日投稿させていただきます。投稿時間は19時40分としています。それ以降の投稿は週1〜2回の頻度を予定しております。 【作者もう一つの連載作品はこちら】 『ようこそ常識外れの哲学部へ　〜新米先生と哲学JK部員のちぐはぐ活動記録〜』 （https://ncode.syosetu.com/n6610ku/）