高校三年生の緑川桜子は二歳年上の柳田恭平の恋人だった。彼女は恭平の友人、兵藤玲二から催眠術による前世療法を受け、自分の前世が大逆事件で死刑判決を受けた管野スガであると悟った。玲二は、著名人の転生者を見つけ出したことを喜び、彼女がスガの生まれ変わりであることを証明し、心理療法や神秘研究の世界で名を上げたいと企んでいた。　　 　桜子は管野スガの影響を受け極端な反戦思考持つようになり、封の切っていないペットボトルを愛国者のデモに投げ込んで妨害した。その場に居合わせた居酒屋店主の湊源治郎は警察に捕まりそうになった桜子をスクーターの後ろに乗せて逃亡を助けた。 　 　大学に進級した桜子は源治郎の店でアルバイトをした。継父と折り合いの悪い桜子は二十歳年上の源治郎を慕い、付き合うようになる。桜子は居酒屋の客として活動家・葉月歌子と知り合った。歌子の活動は、大学や研究機関が国から補助金を得て軍事研究をする「軍学共同」への抗議だった。 　歌子はテロによる殺人の前科があった。源治郎は歌子と関わることに反対したが、桜子は源治郎が娘に養育費を払っていることへの反発があり、耳を貸さなかった。 　源治郎と別れた桜子は、玲二が前世の夫である幸徳秋水の生まれ変わりだとの思いを抱く。桜子は以前交際していた恭平の大学院研究室が、国から補助を得て軍事衛星の研究をしていることを知った。彼女は恭平に接近し、関係を復活させた。玲二は恭平に「桜子と手を切れ」と忠告するが、恭平は玲二と桜子が肉体関係を持っていると疑っていて、玲二の言葉を受け入れなかった。 ロックバンド・人間椅子の『あやかしの皷』『刀と鞘』の世界観を文学で表現した。 人は運命に流されて生きるしかないのかと問いかける幻想小説。

霊媒曰く、 これは、繋がり？悪意？祝ぎ？呪い？祈り？呪い？家族？ーーー黒と白、刀と鞘、神と鬼、ああ、そうか、ーこの怪異の名は、『愛と憎しみ』と申します。 ※このお話は三つのお題、『ビー玉、焼却炉、桜餅』により作成されました。 カクヨムさんにも投稿しています

祭りの始まった神社を訪れて、ふと、思い出した、父の記憶。 無くしたオモチャの刀。 人魚の横たわる杜に、入って行くのだった。

荒廃した村の片隅の中で、少女は己の存在を考えていた。 刀氣である自分を扱える鞘となる人間。それを探すことに疲れを感じつつも、己の存在意義のため、そして自分自身のために、少女は仲間と別れ独りで野に出るのだった。 ※仮想平安末期を舞台とした〝和物ふぁんたじぃ〟です。血みどろ描写は薄め……の筈です。