――超有名な古典文学〝源氏物語〟の登場人物、〝葵の上〟をご存知ですか？ 　左大臣家の姫として生まれ、主人公である光源氏の正妻に選ばれながらも二人の間に愛はなく、子どもが宿ったことで少しずつ打ち解けるも、浮気性な夫が手をつけていた女性の一人に恨まれて呪われ、出産と引き換えに命を落とす――って冗談じゃない！！ 　昨日まで気ままに生きてたアラサーオタクが、何をどう間違えば〝葵の上〟なんかに転生するの！？　このままだと私、二十代半ばで呪殺ルートまっしぐらなんですが。自キャラの行動どうにかするだけじゃ回避不能な呪殺ルート、既に詰み感ハンパない！ 　それでも、三十前にあの世行きが決定しているのは流石に辛いし、可愛い我が子を遺して死ぬのも嫌なんで、ここは一つ腹を括って、呪殺ルート回避に邁進しようと思います！ 　中身アラサーオタクな〝葵の上〟が生き残りをかけて超有名古典に挑む、愉快痛快原作ブレイクストーリー！！

類人猿紳士のウワサを聞きつけて、 シャーロックホームズのワトソンが 怪紳士ハイドの謎を一人で追ってケガをする。 ホームズこれには頭が来て、 推理を始めようとした矢先ーー ーーホームズファンもおどろきの、 クロスオーバーが待っている！

今宵かたる物語は、 「ジキルとハイド」の前日譚。 ファウスト、名乗る語り部が、 天使の手を取り案内する。 さてさてーーその内容とは… 偽善の嫌いなジキル博士が、 産み出したるは完全悪ハイド。 黒髪に類人猿の顔をした とても邪悪な怪物ハイド。 コレが生まれる前日譚！ 原作にはない物語！ 博士の心にケモノが生まれ、 ケモノが世間をお騒がせ！ その名も「両面紳士の幻視」 恐怖の話が、 この夜をゾッとさせること 間違いなし！

　母さんの顔に穴が空いた。 　家族は、誰も気づかない。僕だけを除いて。 　だから、邪魔なもの、隠したいもの、この世から消したいもの。 　都合の悪いもの、ぜんぶ。 　僕は、その穴に捨て始めたんだ。 　でも、失敗したな。 　――だって、そうだろう？ 　ゴミ箱は、いっぱいになったら、溢れるに決まっているじゃないか。 　シュールで、グロテスク。家族崩壊の、新しい形。 ※2025穴コン、一次審査通過作品

「桃花嶺に煞雲凝り、藍銅鉱底に仙音隠る！」 南派武林に三奇あり、最も不思議なのは「天拓社稷門」——この宗派は暗器を操り琴瑟に通じ、「音律を刃とし、楽律を毒とする」を旨とする 噂によれば四葉可可が率いる天拓社稷門には四人の琴王と八人の鐘魔がいる。 四人の琴王は非常に強力である。一人は鼓を奏でると骨が裂ける如き「奏律王」、三連音という羯鼓の技法で内臓を貫く； 一人は琵琶を巧みに操る「弦索王」、琵琶が響くとき、百里以内の生物は皆猛毒に中る；一人は教養豊かで温和に見える「工尺王」、策略で天下を震わせた後、隠退して天拓社稷門に身を寄せる；最後の一人は「管色王」、管楽器を武器とし、その音色は千の蛇を呼び寄せ、中でも蛇王は特に恐ろしく、見つめられた者は皆管色王の支配下となり、その後身体が曝け出して死に至る 八人の鐘魔は、それぞれ貝/築鐘魔、碣木双剣、律呂三少、殇鵺鐘魔と呼ばれる 天拓社稷門は楽器によって門派が分かれ、その道はすべて音楽によって称えられる 五年前、広陵形剣派が天下英雄榜に従って次々と襲撃を仕掛ける中、形剣派の門徒が天拓桃花嶺に入った途端、日落鏢によって皆殺しにされた；門主が桃花陣に突入した後、買い物に出かけていた管色王に出会い、管色王の笛の音が響くと、形剣派の精鋭たちは自ら相争い、門主は慌てて逃げ出した。これ以来、天拓宗は榜に入っていないにも関わらず榜の上に立ち、南派武林三大奇門の一つとなった...... 江湖の人々は言う：「閻魔の十殿を闖るも、天拓の半音に触れるな！」

天界の将、捲簾大将（けんれんたいしょう）にはずっと昔から気にかけている人がいた。 その人は人間で、ある時は漁師、ある時は僧と、幾度となく転生を繰り返している。 そしてその人の何度めかの転生のとき、捲簾大将は偶然その人と出会い、親しくなる。 しかし人の世は激動。 そこは戦、天災など、常に困難が降りかかる世界で、その人は異民族の襲撃により命を落としてしまう。 そばにいたら守れたのに。そんな後悔が、捲簾大将を突き動かした。 捲簾大将がその人の生まれ変わりを見つけても、すでに骸になっていることがほとんどで、捲簾大将はその骸から頭蓋を取り出し首飾りのように連ねて保管していた。 いつか再び出会う時が来るようにと願いを込めて、捲簾大将が集めた頭蓋の数は九つにものぼった。 そんなある日、捲簾大将は西王母主催の蟠桃会にて、警備をすることになり、養子の青鸞童子（せいらんどうじ）と連れ立って蟠桃園へ行った。 そこで、ドジを踏んで西王母の怒りを買い、鞭打ちの刑ののち地上へ堕とされてしまう。 人の世界に堕ちた捲簾大将だったが、これを好機としてずっと気にかけていた人を河伯と名をかえ探すことにした。 人の世界に堕とされた河伯は、果たして無事白骸の持ち主と再会できるだろうか。 九つ連ねた白き頭蓋──白蓋（はくがい）──に想いを乗せ、あの日の後悔を二度と味わわないように、河伯は決意を胸に再会を望み続けている。 そして、再び出会った二人は釈迦如来のまつ大雷音寺へと、仲間たちと共に旅立つのだった。 ※古典文学である、呉承恩原作『西遊記』をベースにしています。 ※かなりオリジナル設定が入っているので、やりたい放題してますすみません！　 【参考文献】 当作品におけるお経、仏像、仏教については以下の文献を参考にしました。 洋泉社MOOK『お経と仏像で仏教がわかる本』　発行人　江澤隆志　編集人　梨本敬法 洋泉社　　2017年3月20日　 『仏像礼賛』　著者　籔内佐斗司　ビジュアルだいわ文庫　大和書房　2015年5月25日　第一刷 ※無断転載を禁止します。 ※2025/2/26よりネオページ様にも投稿開始しました

この物語は、ゲーテの『ファウスト』を基調に、トーマス・マンの『死のヴェニス』をオマージュした耽美文学の連作短編。語り手「ボク」（ヨハン・ゲオルク・ファウスト）が、読者（君）を引き込みながら、天に召されたファウストの「壊れた魂」の継承者を追う。1897年のポーランド（分割統治下）生まれの少年タジオ（ボーディスフ・F・モルフエス）が魂の継承者となり、美の永遠性を求める耽美探求が、自己陶酔から破滅、策略、そして国家誇りへの覚醒へ展開する。全6幕で、鏡の幻視、芸術の渇望、ヴェニスの疫病死、国家の喪失をテーマに、個人美の儚さと集団的誇りの再構築を描く。ポーランドの歴史的抑圧（三帝国による「ケーキ」分割）をメタファーとして織り交ぜ、魂の「取引」が美と政治の文脈で再解釈される。 全体の流れ • 導入（第一幕）: 魂の継承とタジオの美覚醒。 • 試練（第二幕）: 美の永遠化実験の失敗。 • 遭遇（第三〜第四幕）: ヴェニスでのグスタフとの視線誘惑と幻想崩壊。 • 策略（第五幕）: 疫病を利用した破滅の決闘。 • 覚醒（第六幕）: 帰国途中の父子対話で国家誇りへ転換。 テーマは「美の贈り物は奪われる」から「誇りのケーキを守る」へ。ファウストの魂が、壊れたまま次代へ受け継がれる余韻を残す。

ネバーランドの暗い森から迷い出た黒い羽根の妖精ダンケリットは、口が悪くプライドの高いトリックスター。人間世界のテームズ川辺で泣く少年ジェイ・フール（後のジェームズ・F・フック）と出会い、互いの「夢の死」を共有する。ダンケリットはジェイの想像力を利用して故郷へ帰ろうとするが、予言の歌と絆の温もりが生まれる中、父の否定の言葉が妖精を消滅させる。ファウストの魂を宿した少年の起源を、妖精視点で描くダークファンタジー。始まりと終わりのループが、無常の輪廻を紡ぐ。

『ファウスト』の魂が江戸時代末期の日本の山村に受け継がれた木こり・巳之吉を主人公に、雪女との禁断の恋と知性の渇望を描く幻想ホラー。語り部ファウストが読者を「君」と呼び、雪山の密室で繰り広げられる愛と呪いの物語は、知識の追求がもたらす孤独と幻滅を、雪女の「失格」の幻視を通じて探求する。全5幕構成で、吹雪の始まりから賭けの契約、破滅的な別れまで、ファウストの魂が日本的な妖怪譚に溶け込むクロスオーバー。短編ながら、肉欲と知性の交錯が切なく、読者の魂を凍てつかせる。

天に召されたファウストの壊れた魂は、時代を超えて受け継がれ、13世紀イタリアのヴェローナに生まれた少女、ジュリエット・F・キャピュレット（Fはファウストの意）に宿る。語り手はヨハン・ゲオルク・ファウスト自身で、読者を「君」と呼び、物語を共に覗き見る友として語る。 第一幕では、ジュリエットの幼少期から14歳までの人生が描かれる。恋愛物語に埋もれた少女時代は、ファウストの悪魔的な知性と探究心の業火に焼かれ、家族のバカげた家系争い（キャピュレット家とモンタギュー家？）が彼女の豪華な生活を砂の城のように脅かす。乳母の俗物ぶりが彼女の世界を狭め、14歳で金持ちの青年伯爵パリスに「出荷」されるブタのような運命が訪れる。一目で不愉快と判断したジュリエットの鋭い知性が、ファウストの魂の咆哮を予感させる。

かつて天に召されたファウストの魂は、世を巡り、貧困と孤独の中で生きる少年に受け継がれた。 アラジン・ファウストと呼ばれるその少年は、母を失い、孤独と知識への渇望によって神をも背にする存在となる。 街の闇、市場の裏路地、娼館や遺跡――あらゆる場所で、彼は知恵と策略を駆使し、悪魔や魔術師との出会いを通じて成長していく。 やがて、力と知性を併せ持つ“盗賊探求者”として、世界の秘宝と真理を追い求める冒険が始まる。 善悪や愛、権力と裏切り、そして魂の宿命を巡る、幻想的で背徳的な旅が描かれる。

湖の底から地上へと還ったファウスト。 しかし彼の魂は、亡者の詩とともに深く裂かれていた。 彼の傍らには、涙する悪魔クララ。 そして、その涙を“茶番”と切り捨てる黒翼の天使――ルシフェル。 これは、愛と知性の境界に立つ詩人が、 破壊の美を“盲目の情熱”として昇華する物語。 亡者の歌を聞いた詩人は、もう世界を純粋に見ることができない。 光と闇の契約を経て、彼は「盲人詩人」へと生まれ変わる。 ──神も悪魔も、人の詩を必要としている。 現代に再解釈された、もう一つの『ファウスト』。

――やあ、君。 ここは、愛と知性が堕ちた世界。 かつて悪魔の裁判で恋人クララを救い出したファウスト。 しかしその代償として、彼は地上から閉め出され、螺旋階段の底──地下世界に囚われる。 彼が手を伸ばしたのは、神か、悪魔か、あるいは亡者か。 愛する女を救うために、 ファウストは再び禁断の領域へと足を踏み入れる。 だが、彼が見つけたものは救済ではなく、 「愛の破壊」と「詩の呪い」。 これは、神話の残響が再び鳴り出す現代版ファウスト譚。 知性の光と、愛の闇が交錯する、魂の幻視劇。

知識の頂に立つも、魂の渇望に苛まれる大学教授、ファウスト。古書とデジタル端末が混在する部屋で、神を呪う叫びが、予期せぬ「兆し」を呼び起こす。増幅された怒声、響く不気味な歌、そして現れる――コードとアルゴリズムを纏った悪魔、メフィストフェレス。古典の神話が現代の電子の深淵に蘇る中、ファウストは「未知」を賭けた取引に身を投じる。だが、それは永遠の幻視か、それとも人類の運命を塗り替える再神話の始まりか？ AIの影が忍び寄るディストピアファンタジー。ファウストの渇望が、君のモニターを震わせる。

【題名変わりました】 中世のとある王国で、老夫婦の元幸せに暮らしていた少女、「ヴィヨレ」。 平凡だけど幸せな生活を送る彼女だったが、花畑で「紫の花」をみつけたことをきっかけに、彼女は自身がヤンデレ系乙女ゲーム『囚われのヴィヨレ』の主人公として「転生」した人物であり、元は日本の古典文学を愛する女子大生だったことを思い出す…！ 記憶を取り戻した当初は呑気に構えていた「まな」こと「ヴィヨレ」。 しかし、とてつもないヤンデレの「ヘレヨン」に誘拐されたことで、その生活は一変する…！！ 中世で古典文学の知識は活きるのか！？ 彼女は自らの「古典知識」をもとに、異世界からの脱出を試みるのだった…。 恋愛×冒険アドベンチャー、ここに始まる！！ ※現在、大幅改稿しております。 追加エピソードも増える予定です。 以前読んでくださったものと矛盾が生じていたり、ブックマークがずれてしまったら申し訳ございません。 王子の怖さを増し増しにします。 【 2025.8.10 】 日間ランキング入りしました！！ありがとうございます！ ※カクヨムでも連載してます

現代で、その天才的な頭脳のあまり、退屈しきって命を絶った名探偵、視野六 法夢（しやろく ほうむ）。彼が次に目を覚したのは、魔法と剣が存在する、異世界だった。 彼を転生させた「神」は言う。「君のその歪んだ知性で、この世界に散らばった、12人の『使徒』を探し出してほしい」と。 退屈を何よりも嫌う、天才探偵と、神に遣わされた、美しき相棒、ミッシュ。二人の武器は、「論理」と「感覚」。 人知を超えた「異能」が引き起こす、奇怪な事件。その裏で糸を引く、謎の黒幕。そして、世界そのものに隠された、巨大な謎。 これは、人の心がわからない天才探偵が、唯一無二の相棒と共に、神々の仕掛けた壮大な謎解き（ゲーム）に挑む、異世界ミステリー ＆ アクション！ なお、物語の事件は、世界の有名な歴史物語・戯曲や古典文学・童話・都市伝説の中から、必ず二つ以上をモチーフにしています。 果たして、あなたはその元となった物語を見抜けるでしょうか？

古典文学を愛する大学生・望月澪は、憧れだった出版社に内定するも、ある事件をきっかけにその道を絶たれてしまう。 現実に疲れ、逃げるように祖父母の家を訪れた澪は、亡き祖母が遺した、御伽草子の和綴本を携え近所の神社へ赴く。 すると不思議な声に「逃げたいか」と問われ、頷いた瞬間――眩い光に包まれ、気づけば見知らぬ世界にいた。 月のように静かなその場所で、彼女は『酒呑童子』の鬼を討伐したとされる登場人物たちと出会う。 やがて澪は知る。なぜ自分が呼ばれたのか。 過去と現在、現実と物語が交錯する中で、澪は“物語を紡ぐ者”となっていく――

迷路のように張り巡らされた背の高い緑の垣。それを抜けた先に、その図書館はあった。 太陽と雲の模様が刻まれた重厚感のある扉を開けば、紙の甘い匂いと気さくで不思議な司書があなたを迎えてくれるはずだ。 そして彼はこう語りかけてくることだろう。 「ようこそ、ここは八重垣図書館・天の浮橋。 外つ国に伝わる古典文学から知る人ぞ知る同人誌まで、古今東西ありとあらゆる物語を集める、まほろばの図書館だ。 さあ、とっておきの物語を探そうじゃないか！」 天と地を繋ぐ橋の端にあるその場所に、今日も様々な利用者がやってくる。 これは、そんな利用者たちと物語とを結ぶ図書館で起こる、なんてことのない日々のお話───。

　私立百合ヶ丘女子高等学院、通称『百合高』。 　その片隅にある文芸部の活動は、少し、いえ、かなり変わっています。 「『源氏物語』に本文が存在しない“雲隠”の巻、だったら私たちが書けばいいじゃない！」 　部長の鶴の一声で始まったのは、古典文学の「謎」を、それぞれの解釈で執筆し、発表し合うという前代未聞の創作バトル！ ・部長が書けば、格調高い悲劇に。 ・ミステリー好きの副部長が書けば、巧妙なトリックが仕掛けられた殺人事件に。 ・物静かなSF少女が書けば、壮大な宇宙の叙事詩に。 ・そして、流行に敏感なBL好き女子が書けば――誰もが予想しなかった、とんでもないハッピーエンドに！？ 　これは、文学を愛しすぎた四人の少女たちが、古典の名作を題材に、時に真面目に、大抵は不真面目に、考察と創作を繰り広げる、知的でカオスな活動の記録（議事録）である。 「『山月記』で李徴はなぜ虎になったのか？」 ――その答えが「エイリアンによる寄生」でも「親友との駆け落ち」でも、彼女たちにとっては全てが“文学”なのだ！ ※ネタが思いついたら投稿するため不定期更新です。

30歳の国語教師・椎名遥香は、これまで恋愛に縁なく、古典文学と歴史を愛する“真面目な先生”。ある日、母校がロケ地になったことで再会したのは、かつての教え子で今や国民的俳優となった一之瀬湊。5年前、告白し損ねた湊は「ずっと好きでした」と再び想いを伝える。 教師と元教え子という立場、周囲の目、過去の未練と新たな恋心の間で揺れる中、2人は密かに交際を始める。だが、湊の共演女優・瀬戸美優の存在や、遥香に思いを寄せる同僚教師たちの嫉妬、さらには週刊誌による“キス報道”など、さまざまな障害が2人を試す。 秘密の交際の末、2人は結婚。子どもを授かり、双子の奏翔と結咲が誕生する。湊は俳優を続けながらも家庭を第一に考え、遥香も教育支援センター勤務を経て現場復帰。子育てとキャリアの両立に奮闘しながら、家族で少しずつ信頼と理解を育んでいく。 続編では、湊が“家庭があること”を公に語り、世間からも温かく受け入れられるように。結咲の口から「うちのパパは俳優」と漏れたことで学校で話題になるが、家族の絆がそれを乗り越える。 やがて、家族全員で年賀状を撮る日常の幸せに包まれ、遥香は確信する――この人生は、恋以上に深い「運命」だったと。 HJ大賞6