戦国乱世、犬を愛した一人の武将がいた。 江戸城を築城したとされる太田道灌の曾孫にあたり、名を太田資正、後の三楽斎道誉である。 かの武田信玄と同年にあたり、動乱の戦国関東を愛犬と共に生き抜き、主君扇谷上杉家の再興に人生をかけた。 そんな主人に命をかけてつくした犬と、戦国を駆け抜けた”もののふ”の物語である。

＜ストーリー＞ 　人気犬種ランキングで常に４位の席を温め続けてきた犬種・柴犬。その不遇さゆえに、飼い主に見殺しにされてしまった柴犬・コタロウは、失意のうちに戦国時代に迷い込んでしまう。 　着いた先はまたもや地獄。戦国時代に基本的犬権など存在しない。犬は食料、犬は矢の的なんのかんのと、それは酷い有り様だ。 　そんな世で柴犬・コタロウは立ち上がる。生きるため、そして犬たちの誇りを取り戻すため。 　今、戦国の世を柴犬が駆け抜けるーー ＜どんな話になる？＞ 　IF戦記的な戦国コメディです。犬が犬なりに関東史を改変していきます。犬好き武将、太田資正に擦り寄ります。ハッピーエンド予定。

※本作品は作者ホームページ【ねこきゅう】に掲載した戦国時代小説『ほたる舞う城』を転載したものです。 【あらすじ】時は戦国時代、岩付城主の太田資正（後の三楽斎）の四男として生まれた太田源七郎資忠は潮田家の養子にとなり、武州寿能城十万石の大名となる。父と共に北条家に立ち向かうが、やがて兄の氏資が父の資正に反旗を翻し、やむなく兄に仕えるが、その兄も討ち死にしてしまう。北条家に太田本家を乗っ取られてしまい、それでも恥辱に耐えながら仕えて行く資忠。心の拠り所は美しい愛娘、能姫の笑顔と笛だった。しかし天下人豊臣秀吉の手はそんな資忠にも伸びて行く。