平安の世に、星影の叡智が舞い降りる――。 時は平安初期。だが、ここは我々の知る日本とは少し異なる、閉鎖的な島国。 中務卿（なかつかさのかみ）の娘として生まれた綾（あや）は、三歳にして、遥か太古に滅びた超文明の女性技術者としての鮮烈な記憶を朧気に思い出す。 母から「人とは違うところを決して見せてはならぬ」と厳しく育てられた綾は、その異質な知識を胸に秘め、ますます内向的な少女へと育っていく。 しかし、彼女の内に眠る強烈な知的好奇心は抑えきれず、綾は誰にも知られることなく、太古の技術の片鱗を応用し始める。五歳になる頃には、人の意識を欺く「人避けの秘儀」を編み出し、屋敷の奥に忘れられた書庫を秘密の拠点へと改造。そこは、彼女だけが知る、安全な亜空間とも呼べる聖域だった。 周囲の大人たちは、綾の異常な才能に気づくことなく、ただ「物静かで聡明な姫君」として認識している。それは、綾が巧みに周囲の精神をコントロールしているかのようでもあった。 孤独な探求を続ける綾。彼女の秘密は完璧に守られているかに見えたが、世界は静かに変革の時を待っていた。 綾が七歳の年、その時は訪れる。突如として魑魅魍魎が跋扈し始め、平和だった都は大混乱に陥る。人々が恐怖に慄く中、不思議な力で妖異を鎮める者たちが現れ始める。それは、未だ黎明期にある「陰陽」の力の胎動だった。 混乱の中、綾は決意する。太古の叡智を、この世界で「陰陽」の術として解釈・応用し、人知れず都の危機を救うことを。 変幻自在の変装で正体を隠し、時に謎の協力者として、時に伝説的な存在として、綾は次々と起こる怪事件に立ち向かう。 彼女の目的は何か？ 記憶の真実とは？ そして、未開発の「陰陽」を独自に切り開く彼女の力が、この混沌の時代に何をもたらすのか――。 これは、星の記憶を胸に秘めた孤独な姫君が、やがて来るべき混沌の時代に、誰にも知られず世界を救う礎を築き上げる、黎明の物語。

　——カミサマなんているわけない。 　高校生のリクは高校進学を機に、三柱の神を信仰する三柱村へ引っ越した。 　ある日、神を信じていなかったリクは、山中で見つけた祠を事故で壊してしまう。 　そこで出会った関西弁糸目狐耳の三狐神(サグジ)という神に脅され、村を守るため同級生のライカや他の神たちと解き放たれた妖異を祓っていく。 ※この作品はカクヨムにも投稿しています。

少女の名は宵乃（よいの）。 彼女のお仕事は、人知れず、各地の結界を修復して回る「結界修復師」。 かつて故郷を、家族を、結界の崩壊とともに喪った彼女は、その原因を探しながら、静かに旅を続けている。 戦乱が続く時代。 焼かれた社、絶えた修法、破れた結界── そして、封じられていた“何か”が、再び蠢き出す。 旅の供は、過去に封じたまま契約で従える妖狐の老人と、妖気に侵されたところを助けた放浪の剣術家・日野介（ひのすけ）。 各地に広がる“ほころび”と、それに巣食う妖異たち。 少女は、鈴の音に導かれ、今日もまた結界を結びなおす── これは、喪われたものと、もう一度つながるための旅。 和風幻想結界奇譚、開幕。

《彼女の命と引き換えに、世界は救われるというなら》 海辺の島《ヒノモト》で平穏に暮らしていた少年・ミナトは、ある日、突如現れた巨大な異形“煌（こう）”によってすべてを奪われた。 気がつけば、彼は異世界《ユラグ》にいた。 そこで出会ったのは、使命にすべてを捧げる少女・シズク。 彼女の一族は、「煌」を浄化するために命を差し出す存在、逝導（ゆきしるべ）。 それを知らずに、ミナトは彼女とともに旅に出る。 少年は、少女の運命を変えることができるのか？ 美しくも残酷な異世界で、命を継ぐ者たちの想いが未来を紡ぐ。 希望と浄化の異世界ファンタジー。 ※本作はすでに完結済みの長編ファンタジーです。現在、連載形式で投稿中です。物語は最後まで毎日投稿される予定ですので、安心してお楽しみください。

深夜の校舎で起きた奇怪な事件。 転校生・加賀健一は、正体不明の怪異と、それを追う“怪盗団”に出会う。 人知れず、“いわくつきのモノ”を盗み、それに宿る妖異を封じる彼らの目的とは。 過去の喪失、謎の組織、見えない敵―― 高校生活の裏で繰り広げられる異能力バトル×怪奇ミステリー。

現代にも妖異の血を継ぐ人間、曲がり者と呼ばれる者が居るんだよ。 表舞台には立たないが、困りごとがあれば要相談。 報酬次第で困りごとを解決してやるよ。 というか、仕事をくれないか。金が無い…。貧乏…。 俺こと、弓削智典は選べない。 来た依頼を受けるしかないのだ…。貧乏が憎い…。 お！依頼人がきたか！ 今月は何とかなるな。じゃあ、後でな。

【妖異幻怪(よういげんかい)】意味…この世のものとは思われないあやしいものや、尋常の能力では計り知れない不思議なこと。 近所の人から『不審者』・『要注意人物』と呼ばれる男性と、男性の友人や高校生たちの日常。 ※幽霊やら何やらが出てくる不思議な話。怖くありません。多分。また、不定期更新です。

　青年は、死んだ。生前、今の苦しみから解放させることができる死という救済の形を取り、様々な人間を手にかけてきた。そんな青年の前に、少女は「人のために働いてみないか。」と提案する。 　——叶うのなら、人を生きる喜びへと導きたい。 　死後の世界。彼岸省厚生課に所属することになったメガネをかけた好青年・冷月は、生死を彷徨う魂を更生させ、現世に返す仕事をしている。 　厚生課に依頼されてくる魂はそれぞれの悩みを抱えており、現世に返そうにも一筋縄では行かない。時に負の心が生み出す妖異を祓い、時に魂を狙う悪魔と戦いながら、冷月率いる厚生課はあの手この手を使い、依頼をこなしていく。 　天界を舞台にしたハートフルヒューマンドラマ、開幕。

妖怪に家族を殺されたので妖怪に復讐する話

無自覚天才少女、破壊神を飼う！　──ヘタレでビビりですが最強らしいです…… どんくさい女子高生メイ（神納五月）は実は新米霊能者。 霊能力の強さだけはピカいちで、秘密の対妖怪警察、霊能局零課（ぜろか）につとめているけど家族には内緒。 かたわらには妖精サイズに縮身（しゅくしん）した最強破壊神、スサノオ。 スサノオがメイを守護する約束をしたのは、いつか強～く育てたメイを自分と戦わせ、おいしく食べるためなのだが──？ 「スサノオ！　ダメ！　ダメです、ひ、人は殺さない約束……」 「死んでないだろ。胴も手足もちぎれてねえし、頭もちゃんとついてる。なにが不満だ」 うっかり初恋の相手が破壊神な残念少女と、そんな少女と出会ったばかりに情をおぼえ、存在の危機に直面する神。 極北のツンデレ神×ほんわか少女の成長譚！ ■主な登場人物■ 【メイ／神納五月（かのう・さつき）】 十五歳。妖怪に体を盗まれ、生き霊状態でさまよっているところを破壊神に拾われた縁で、霊能力にめざめた。 破壊神に助けてもらう代わり、「いつか本気で破壊神と闘う＝食べられる」と約束した。破壊神の無自覚な優しさに恋している。 対妖怪警察、警察庁霊能局零課の一員。 【スサノオ】 古い夜叉神の生き残り。破壊と闘争の気の化身。最強の破壊神。 ただし「向かってくるものしか食べられない」ため、餓死寸前だった。 メイがずば抜けた霊力を持つことを知り助けた。戦えるよう育てて喰うつもり。最近、縮身をおぼえ、ふだんは一寸法師サイズ。 【野々宮楓（ののみや・かえで）】 メイの幼なじみで親友。見鬼（けんき）で妖異を見ることができるが、霊能力はない。学業のかたわらプロモデルをしている。面倒見がいい。

四物語第七夜です。 今回は、異界に纏わる話を集めて参りました。 是非ともご堪能下さい。

4人の話し手が語る、嘘偽りのない物語の続編です。今回の結末は…

人の恐れが形を成した、人ならざる化物──『妖異』が闇に潜む街。けれど夜が明るくなるにつれ、妖異の数も減っていく。 妖異退治店を営む二人が、店の今後に不安を抱くなか、街では、とある病が流行していた。 これは、夜が明るくなり始めた時代の、恋物語。 第228回短編小説新人賞「もう一歩の作品」。

妖異退治の総本山、光岳寺の武僧であるリクウは、ひょんなことから幼女の姿をした霊――ルリに取り憑かれ、寺にいられなくなってしまう。 リクウはこれ幸いにと旅をすることに決めるが、ルリの力でなんと異国の地を旅する事に。 これは生臭坊主とのじゃロリが気楽な旅をするお話。 山も谷も少なめ、ちょっとした時間潰しに軽く読める感じの、スローライフ寄りのお話にしていく予定です。

孤独な半妖の少女アヤメ。ある日、彼女の住む屋敷に泊まる事になった 四人の旅人の正体は、ヤマタノオロチことシスイとその部下たち！ 熱を出したシスイの看病をしていると、 なんと部下の一人からから結婚を勧められて？！ アヤメとシスイ、似て非なる二人の不思議な日々の記録。

亮は放課後、加藤君と話した。

子どもたちが公園やマンションで遊びます。

　「管（くだ）」と言い、「管狐（くだぎつね）」とも言う。狐とは名ばかりにて、全く違うものだとも言う。 　或いは、「尾裂（おさき）」とも「飯綱（いづな）」とも言うらしいが、何が何だか判らない。

奇譚 妖異譚 掌篇輯 きっと、あれが過ぎるのです ―― 例えば、あなたのそばを 何かが妙に食い違ってしまったような、そんなこともあるでしょう？ 無いなどとは、仰せなさいますな 一粒一粒の異世界にようこそ 初出：カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16816452219772069292

異世界転生をした妖異 久美子(22)職業保育士がある日仕事からの帰宅途中、墜落してきた飛行機によって死亡してしまうが、妖の名も持つ彼女は妖怪の神により転生をし、保育士による保育士の国を建国するまでの物語。