普通を自称する女の子、白崎 百合香は恋をした。対象は年上のイケメンの先輩。だが彼と私は釣り合わない、そう考えて遠目に眺める百合香に転機が訪れる。出会いは突然だった───廊下の天井を突き破って、裸の女の子が現れたのである。しかも何と、自分が将来の妻であると自称したのだ！ これはノンケの女主人公が周りの女の子たちに徐々に百合に染められ、やがて完全に堕ちてしまう物語である。 好みの百合がないから書いた。後悔はしていない()

　そこは方位磁針と時計の針が行き先を見失う磁場の狂った道だという。将来の妻、まだ産まれぬ娘、はたまた亡くなった母に会った者がいるという。 　もしも未来、或いは過去に邂逅を望むのであれば、一人きり誰にも行き先を伝えず、その山道を歩くといい。 　運が良ければ……。

　これは、数多ある家族の中の一つのお話……。 　夫婦にはよくある、いぬも食わない喧嘩が起きていました。 「あなた！　また娘に変な昔話を聞かせて！　余計な事を吹き込むなって、どうしたら分かるのよ！？」 「うーん、おかしいなぁ？　今回の昔話は市一番だったと思うんだけどなぁ？」 　夫は個人的に面白いと思う話を娘に聞かせますが、妻は情操教育に悪いと懸命に否定します。 「市一番って何よ！？　ややこしいわね！　大体何でいつもおかしな事を口走るの！？　そのせいで娘が変な言葉を覚えたらどうするの！？」 「変な事ってなんだよ。別に変な言葉何か教えて無いだろ？」 　面倒くさい性格の夫に、気苦労の絶えない妻……。 　これから語られるのは、そんなふたりが３人家族になる前……DVDや、携帯電話が一般普及していない頃のお話です……。 この小説は、短編集【３人家族のある日常】の学生時代の話となります。 基本１話完結で、更新は不定期です。