出版社で編集者として働く冴えないアラサー男子・三枝は、ある日突然学術誌の編集部から社内地下に存在するオカルト雑誌アガルタへの異動辞令が出る。そこで三枝はライター兼見習い編集者の高校生、史（ふひと）と出会う。三枝はオカルト知識が無い為、異動したその日に名目上教育係として史が担当する記事の取材へと駆り出されるのだった。しかしそこから待ち受けていたのは数々の心霊現象や怪奇・怪異の数々。その後も次から次へと二人に巻き起こる超神秘的(オカルティック）な出来事はとある理由によって引き起こされた、二人にとっての大きな宿命へと繋がってゆくのだった。 ※ この作品はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。

　仮に霊とか悪魔とかいうものが、この世とあの世の境に迷い込んだ人間にだけ見える死兆だとするなら、俺にとってはネトゲで知り合ったこの「のじゃ語」を使う女子との出会いが既にそうだったのかもしれない。 　こいつとネトゲで出会ってもう二ヶ月。 　顔の見えない関係を続けていたある日、こいつは「心霊現象を信じるか」と突然俺に問いかけた。 　きっとオカルト好きなんだろう。だけど相手が悪かったな。俺は霊とかお化けとかを真実だと語る真性オカルト信者なんてマジで大嫌いだから！ 　すると、こいつは途中でとんでもない事実を口にする。 　どうやらこいつは、この世に蔓延る霊や悪魔を成仏させる「祓魔師（ふつまし）」、西洋的に言うと「エクソシスト」らしいのだ。 　霊やらお化けが真実だと立て続けにアピールしてくるこの女子をどうにかしてギャフンと言わせたかった俺は、会話の流れでまずいことを口走ってしまった。 「いいよ？　俺に心霊現象を信じさせることができたら、俺はお前の助手でもなんでもなってやる」 　 　とある理由で「のじゃ語」を使う女子高生祓魔師にひたすら絡まれる中で、自分の生き方を見つめ直す男子高校生のお話。

「坊、お前は――」 小間物問屋の一人息子の佐之助は幼い時に大きな化け蛙の青柳とひょんなことから知り合った。 それから12年。 厳しい父親、寝たきりの母親。そして青柳と会う以前の記憶がない佐之助。そのせいか彼は周囲と噛み合わない。 ある日、家に憑物落としを生業にする弦庵という怪しい僧がやって来てから佐之助の日常がひび割れ始める。 青柳と弦庵。消えた12年前の記憶と真実、父と母と佐之助に絡まる因縁。絡まった因縁の糸が解けた時、佐之助が進む道は―― ※現実日本ではない架空日本が舞台です。 ※ホラーとも伝奇とも言えないのでキーワードに怪奇と入れました。全然怖くないです ※女性への暴力行為があったという表現があります。結婚出産等繊細な問題に対する表現は創作であり時代特有背景としてご理解下さい。 ※この物語は倫理に反したり犯罪行為を容認・推奨するものではありません。 過去Gotm@ilさんで公開していた作品の為(現在SNSは閉鎖されています)、更新は手直し次第です。 ⭐️改稿がちょくちょくありますが、後書きの消去等です。