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作者:マーたん/作品情報/Nコード:N8280KW
完結済 (全6エピソード) |
夏の山間にある古い別荘を訪れた美咲は、猛暑から逃れるための静かな休息を求めていた。だが、そこで出会ったのは、雨音に紛れて囁く謎の少女の声と、不気味な古井戸の存在だった。
井戸に映る影、夢に現れる少女の姿は、ただの幻ではなかった。彼女は過去にこの地で失われた命の記憶を宿す霊的存在であり、時空を超えて美咲に助けを求めていたのだ。
次第に美咲は、少女との不思議な魂のつながりを感じるようになる。しかしそれは、現実と幻想の境界が曖昧になる危険な世界への入り口でもあった。
水の中に潜む異界の謎、時間を超えた切ない恋の予感、そして恐怖と救済が交錯する夏の夜。美咲は少女の願いを叶えることができるのか――。
ジャンル:ホラー〔文芸〕キーワード: 残酷な描写あり ボーイズラブ ガールズラブ 異世界転生 異世界転移 夏のホラー2025 怪談 サイコホラー ホラー 最終更新日:2025/09/05 11:52 読了時間:約21分(10,249文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 8 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 6 pt |
作者:syubi02/作品情報/Nコード:N2924KV
短編 |
大雨の夜、営業終わりのタクシーに、一人の女が飛び込んできた。
全身ずぶ濡れで、震えながら「追われてるの、お願い、走って」と繰り返す彼女に、俺は迷いながらも後部座席のドアを開けた。
行き先は、郊外の小さな坂の上にある学校。
この暴風雨の中、そんな場所へ向かう理由は説明されないまま、車は静かに発進した。
アクリル板の向こう、彼女の姿は霧に包まれ、次第に見えなくなっていく。
それでも「もっと速く」と、どこか水中から響くような声だけが聞こえていた。
車内にはいつの間にか湿気が広がり、ミラーは曇り、床には水が染み出していた。
背中に冷たいものが触れた時、俺はようやく「これはただの乗客じゃない」と理解する。
彼女は濡れ続けていた。乗車から何十分経っても、服も髪も乾かず、むしろ車全体を濡らし始めていた。
呼吸すら重くなるような圧迫感の中、たどり着いた坂の上で、彼女はぽつりと呟いた。
「ここなら、もう大丈夫」
振り返ると、後部座席には誰もいなかった。
残されていたのは、水たまりと、窓ガラスに貼りついた長い髪の毛だけ。
その直後、無線から市街地が海水で浸水したという緊急速報が流れた。
……もし、あの時ドアを開けていなかったら。
今、俺はここにいなかったのかもしれない。
――乗せた女は、乾くことがなかった。
ジャンル:ホラー〔文芸〕キーワード: R15 夏のホラー2025 怪談 水 怪異 都市伝説 タクシー 大雨 災害 視界不良 存在の痕跡 恐怖と救済 最終更新日:2025/07/27 17:00 読了時間:約10分(4,632文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 12 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 2 人 評価ポイント: 12 pt |
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