我らは介入者（インタービーナーズ）である。 　この青年がこの船に初めて来た時、最初に読まされた本の書き出しにそう書かれていた。 　時空移動船バイト、ありとあらゆる世界の次元の狭間を漕ぐ箱舟。科学、魔術、兵器に娯楽をありとあらゆる世界から集め、ある目的の為に自分たちを肥大化させるその船で、とある青年が廊下を歩きながらぼやいていた。 「はぁ、下っ端かぁ」 　そう、青年は人工知能の技術者であったのだが、しかし今日から職替わり、船を降り別の世界へと介入するインタービーナーズとして生計を立てていくこととなっていた。 　この時はまだ、誰も、本人でさえ思わなかっただろう。壮大な冒険譚の序章であると。 　インタービーナーズ、それは災厄（ディザスター）と呼ばれる世界崩落の大災害を討伐に掲げる船で繰り広げられ、この青年が仲間を得る物語。

平凡な高校生、釣合秤はある日、異世界から帰還した……らしい。 目覚めたときには半年が経過しその間の記憶を失ってしまった彼のもとに、朝日月夜を名乗る市役所職員が現れる。 彼女から秤が記憶を失った半年の間に実は異世界を救い、再びこの世界に帰ってきた『異世界帰還者』であり、一度転生したことで記憶どころか戸籍すら消えてしまった事実を知らされ、途方に暮れる。 彼女は秤と同じ境遇の者たちを集めて市役所に新設される部署の室長であり、秤自身も勧誘を受けることとなった。 そうして働くことになった市役所天災対策企画課・異世界転生応援室の職員はエルフ、人魚、陰陽師といった個性豊かな者たちばかり。 新たな異世界帰還者の発見、管理。 異世界に行った転生者をメールを使って手助けする異世界サポート。 そして、怠慢でやる気のない神に代わって転生予定者を送る、異世界送り。 異世界を救った記憶も能力もそのままの状態で帰還したことで現代の常識すら忘れてしまい、魔法を使うことにも躊躇いのない同僚たちの手綱を握り、仕事を円滑にこなせるのは自分ただ一人。 こうして、異世界と現実、規則と魔法の間を奔走する、釣合秤の市役所生活が始まった。 ※2022 1/5 あらすじを変更しました ※2022 1/3 カクヨムにも投稿を始めました。

　ダンジョンは煉獄の悪魔が運営している。 　悪魔たちは「原始の炎（Primitive Flame）」にあやかってつけられた「第二の発明（Derivative Frame ）」と呼ばれるサーバーを使い、人間たちに仮想的なダンジョンの冒険を提供していた。 　数千年前に誰かが作ったOSS（オープンソース）のプログラムを使い、人間たちがダンジョンで命を落とすと、その霊魂を煉獄の役所が買い取ってくれる。その利益を目当てに多くの悪魔の会社がダンジョンを運営していた。 　だが、霊魂が何に使われているのか、どうして仮想的なダンジョンで命を落とすと霊魂を採取できるのか、ダンジョンを運営している当の悪魔も知らなかった。

異世界転生が増加傾向にある昨今、異世界転生を管理する組織がある。 これはそんな転生者を監視する者の業務報告書

　異世界でパソコン作ります。 　定年退職した元ＳＥが異世界に生まれ変わって、初めての魔法の授業中、主人公は異世界に生まれ変わっていたことを自覚する。 　魔法を使うための言語である精霊語のロジックがコンピュータ言語に似ていることから、断片的だった記憶が繋がり、異世界転生していたことに初めて気がついたのだった。 　そして精霊語のロジックがプログラミング言語のロジックと同等であるのなら、精霊語でも元の世界のプログラム言語と同じように使えるのではないかと思い立つ。 　もし同じようにできるのであればパソコンだって作れるはず。 　そう考えた主人公はこの世界でパソコンを作り、異世界のジョブズになることを誓う。 ※注１ 主人公の語るうんちくに間違いが多分に含まれる可能性があります。 それはあくまで何十年も昔の主人公の記憶を基にしているゆえの、勘違いや記憶違い、早とちりうろ覚えなどによるもので、作者の知識不足ではないことをここに記しておきます。 なにか間違えたことを書いていてもあくまで主人公のせいであって作者のせいではありません(^^;) ※注２ 超久々の完全新作未発表作品です。 ここが初出となりますので、楽しんでいただければ幸いです。

短編として「救国の聖女ですが、国外追放されちゃいました～！？　アンソロジーコミック２」に収録されました。一迅社さまより発売中です！コミカライズ版はアンソロジー１巻に収録の「追放聖女の働き方改革」の続編となるため、話が繋がる様に編集されております。 【あらすじ】　聖女フィオナはある朝突然「真実の愛に目覚めた」とのたまう婚約者のダリル王子に一方的に婚約破棄を告げられる。その代わりに自由にしてやると言うことで、めでたく王宮を脱出することができた。途中で聖女を連れ戻さんとする一派に追われるものの、上司かつ思い人であるエドガーの計らいにより、フィオナは聖女としての勤務を遠隔勤務（テレワーク）でこなしつつ、普通の女性として暮らす権利を手に入れた。しかし夫となったはずのエドガーは上司としての態度を崩さず、これは偽装結婚だと言い張る。恋愛と結婚は違う。様々な疑惑が浮かび上がる中、エドガーは外遊と称した新婚旅行の話をフィオナに持ち掛けてくる……。※カクヨムにも投稿しています