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作者:雉白書屋/作品情報/Nコード:N4656JC
短編 |
少数派、マイノリティの声がより響くようになった世の中。生きる自由に死ぬ自由、どんな人間であっても、その人権は尊重されるべき。死ぬ権利もまた尊重。そうして、世界の多くの国々で安楽死が認められることとなった。
『ようこそお越しくださいました。あなたにとって、良い旅立ちとなりますように』
安楽死施設、ユーサネイジア・センターに青年は足を踏み入れた。
どこからか流れてきた自動音声に出迎えられ、青年はそのスピーカーがあるであろう方向へ顔を向けた。しかし、見つけることができず彼は、ふん……、と鼻を鳴らした。緊張を隠すための虚勢だった。声がした瞬間、ビクッとしたことが恥ずかしかったのだ。
前を向き直した青年は、正面にある受付カウンターに座る女と目が合った。女はニコッと微笑んだ。カウンターには照明が備え付けられているのだろう、その光が女の皺に影を落とした。
青年は口角を上げようとしたが、やめて、目だけで辺りを見渡した。
病院の待合室。あるいは大企業のロビー、それか最先端の研究所といった雰囲気だ。黒い大理石のタイルの床、壁は白。青年の後ろ、建物の正面部はガラス一面で、太陽光を大きく取り込んでいる。
受付カウンターへ歩き出した青年は、ちらりと後ろを振り返った。
平原とその奥に雑木林が広がっており、一本の灰色の道路が伸びている。その上を走るバスの後部が見えた。
青年は前を向き直した。鼻から息を吐く。臆したのではないと示すように。
「ようこそお越しくださいました。安楽死をご希望の方ですね」
ジャンル:ローファンタジー〔ファンタジー〕キーワード: 最終更新日:2024/06/10 11:00 読了時間:約12分(5,855文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:上田秋人/作品情報/Nコード:N2206II
完結済 (全1エピソード) |
【あらすじ】
この国では、罪人でない限り穏やかに「死ぬ権利」が与えられている。この尊厳死法という法案が成立して百年目を迎える年、主人公のハルミはいつも通り役所の受付業務に勤しんでいた。
ハルミは役所の中でも人権課と呼ばれる課に属しており、その受付は尊厳死の手続きを行うためにある。国民の平均寿命は五十歳から五十五歳を推移している。尊厳死という考えが一般化しているため、ハルミは毎日のように訪れる尊厳死希望者の受付に忙しい。
同僚のユカは、ハルミよりも若く、明るい。そんなユカも将来は平均寿命よりも早く、きれいな内に死にたいと希望している。穏やかで痛みのない死を確約されている世界で、人々は苦しみながら生きるくらいなら死んでしまおうと考えるのが普通になっていた。
ある日、役所の窓口に顔面蒼白な女性と未成年の少年がやってくる。女性はサツキという名前で、夫の生死を役所に尋ねにやって来た。少年はソラといい、既に両親と弟を尊厳死で失っている。自らも死ぬつもりで役所に来たけれど、未成年ということもあり、申請は通らなかった。
ハルミの恋人であるケイは政治家。百年前に尊厳死法を成立させた人物の末裔にあたる。この国の未来のことを考え、常に冷静に、フラットな思考で物事を考える。
今年で六十二歳になるマサミチは、医者を生業としていたが、いよいよクビになってしまった。平均寿命を遥かに超え、妻も亡くし、息子にも「いつ死ぬ予定なのか」と尋ねられるような日々を送っている。
平和だけれど、常に虚しさが付きまとうような世界で、人々は自分の生と死について考えている。楽をして死ぬべきか、苦しんで生きるべきか。苦しんで生きるほど、この世界に希望はあるのか。
主人公のハルミは、人々の変化を見つめる中で、誰もが穏やかに「生きる権利」を持っていることを改めて強く実感する。
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: 残酷な描写あり 日常 近未来 最終更新日:2023/07/20 12:01 読了時間:約108分(53,732文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 10 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 10 pt |
作者:上田秋人/作品情報/Nコード:N2205II
完結済 (全1エピソード) |
この国では、罪人でない限り穏やかに「死ぬ権利」が与えられている。この尊厳死法という法案が成立して百年目を迎える年、主人公のハルミはいつも通り役所の受付業務に勤しんでいた。
ハルミは役所の中でも人権課と呼ばれる課に属しており、その受付は尊厳死の手続きを行うためにある。国民の平均寿命は五十歳から五十五歳を推移している。尊厳死という考えが一般化しているため、ハルミは毎日のように訪れる尊厳死希望者の受付に忙しい。
同僚のユカは、ハルミよりも若く、明るい。そんなユカも将来は平均寿命よりも早く、きれいな内に死にたいと希望している。穏やかで痛みのない死を確約されている世界で、人々は苦しみながら生きるくらいなら死んでしまおうと考えるのが普通になっていた。
ある日、役所の窓口に顔面蒼白な女性と未成年の少年がやってくる。女性はサツキという名前で、夫の生死を役所に尋ねにやって来た。少年はソラといい、既に両親と弟を尊厳死で失っている。自らも死ぬつもりで役所に来たけれど、未成年ということもあり、申請は通らなかった。
ハルミの恋人であるケイは政治家。百年前に尊厳死法を成立させた人物の末裔にあたる。この国の未来のことを考え、常に冷静に、フラットな思考で物事を考える。
今年で六十二歳になるマサミチは、医者を生業としていたが、いよいよクビになってしまった。平均寿命を遥かに超え、妻も亡くし、息子にも「いつ死ぬ予定なのか」と尋ねられるような日々を送っている。
平和だけれど、常に虚しさが付きまとうような世界で、人々は自分の生と死について考えている。楽をして死ぬべきか、苦しんで生きるべきか。苦しんで生きるほど、この世界に希望はあるのか。
主人公のハルミは、人々の変化を見つめる中で、誰もが穏やかに「生きる権利」を持っていることを改めて強く実感する。
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: 残酷な描写あり 日常 近未来 最終更新日:2023/07/20 12:00 読了時間:約106分(52,630文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 10 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 10 pt |
作者:霧内 笑/作品情報/Nコード:N4650HE
完結済 (全38エピソード) |
ひとは誰でも、生きる権利を持っている。
けれど必ずしも、生きる意味を持っているわけじゃない。
ひとは誰でも、死ぬ権利は持っていない。
けれど必ずしも、死ぬ意味がないわけじゃない。
これは、生きて欲しい僕と死んでしまいそうな彼女のお話。
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: 残酷な描写あり ダーク 男主人公 バッドエンド ハッピーエンド 最終更新日:2021/12/01 09:00 読了時間:約635分(317,064文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 10 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 10 pt |
作者:ポチ吉/作品情報/Nコード:N3644HD
完結済 (全14エピソード) |
平成から久化に元号が移る頃には、平成の時代に大きく発展した人工知能は人を越えていた。
完全に人間の代わりが出来る様になったソレらのお陰で人間は労働力としての価値を失っていた。
その結果、新たに『贖罪の義務』と『死ぬ権利』が追加された世界。
春に大学を卒業したばかりの“僕”はその内の『死ぬ権利』を行使する為の施設である心因性終末ケアセンター、通称、自殺屋で働くことになった。
十八歳以上の国民であれば行使することが出来る『死ぬ権利』により自殺屋で“おわり”を迎えることになる人々は様々だ。
“僕”はそんな彼等の“おわり”に職場の先輩である宇津木朔日《うつぎさくじつ》と共に向かい合って行く。
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: 日常 近未来 人工知能 お仕事 ブラック SF? R15 残酷な描写あり 最終更新日:2021/08/19 21:27 読了時間:約134分(66,777文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 1件 総合ポイント: 2,346 pt ブックマーク: 295件 評価人数: 184 人 評価ポイント: 1,756 pt |
作者:沼野雷菜/作品情報/Nコード:N9353GX
短編 |
生きる権利と死ぬ権利は紙一重だと思う。
ジャンル:エッセイ〔その他〕キーワード: 沼野雷菜 最終更新日:2021/04/26 21:06 読了時間:約2分(921文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 24 pt ブックマーク: 2件 評価人数: 4 人 評価ポイント: 20 pt |
作者:透花/作品情報/Nコード:N6615GT
連載中 (全3エピソード) |
『機械心臓』それは今から何百年も先の未来に開発された、心疾患を無くすための人工心臓。
そして、寿命が大幅に伸びたために世界は死ぬ権利――自死権を認め、それによって追加された『機械心臓停止システム』。
『機械心臓』の数だけ存在するこのシステムによって、死は人々にとって身近なものとなった。
主人公はこのシステムを管理する役人。
『死神』と呼ばれる彼らは、システムの利用を求めてやってくる人々と関わり合いながら、自分の人生と向き合っていく。
※気が向いた時にボチボチ更新します。
※カクヨム様にも投稿しています。
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: R15 残酷な描写あり 日常 近未来 SF? ヒューマンドラマ 男主人公 後輩は子犬系 最終更新日:2021/02/05 00:00 読了時間:約8分(3,674文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:アオイ マヤ/作品情報/Nコード:N9319GC
連載中 (全1エピソード) |
生きる事の現実と、その過酷さ辛さを痛感している健康体の人々に送る
苦しむことなく自由に死ぬ権利
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: 日常 生きる辛さ 死ぬ権利 安楽死 臓器提供 臓器移植 精神科 自殺 死にたい 生きたくない 楽に死にたい 最終更新日:2020/03/30 19:27 読了時間:約13分(6,486文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:明純直人/作品情報/Nコード:N6958FD
短編 |
女子高生の名津(なつ)は友達の明希(あき)から自殺欲求を打ち明けられる。
「私に死ぬ権利はないのか? 」
名津は明希の自殺を止めつつも、彼女の言葉に影響を受けていく。
どうやったら人に認められて死ねるのかを考えた作品
ジャンル:純文学〔文芸〕キーワード: R15 青春 最終更新日:2018/11/27 22:32 読了時間:約20分(9,782文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:空野 双葉/作品情報/Nコード:N0313EY
短編 |
安楽死がこの国にも欲しい。
ジャンル:エッセイ〔その他〕キーワード: 安楽死 権利 最終更新日:2018/08/11 09:34 読了時間:約2分(609文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 28 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 3 人 評価ポイント: 26 pt |
作者:さきら天悟/作品情報/Nコード:N4280DW
短編 |
2040年、とうとう安楽死法が制定された。
先進国では日本が最後だった。
日本に明るい未来はあるのだろうか・・・
ジャンル:その他〔その他〕キーワード: 安楽死 死ぬ権利 ショートショート 最終更新日:2017/03/20 05:00 読了時間:約3分(1,281文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 2 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 2 pt |
作者:ワイヤー・パンサー/作品情報/Nコード:N2000DP
短編 |
死にたいと考えてしまう一人の人間の心境を、吐くようにつづったものです。
ジャンル:エッセイ〔その他〕キーワード: R15 残酷な描写あり 日常 私小説 シリアス ダーク 現代 自殺願望 生きづらさ 安楽死 死ぬ権利 最終更新日:2016/10/21 21:35 読了時間:約10分(4,930文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 8 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 6 pt |
作者:Sa9/作品情報/Nコード:N5140CY
完結済 (全7エピソード) |
ある日僕は人間界で泣いている少女に出会った。
罪を背負って生きられないならば、死ぬ権利は誰にでもある、それがこの世界だ。死を望む少女をとめる権利はだれにもないはずだった。それなのに……........................
人間は自由に生きることを望んでいる。では、「自由」とはなにか。本当の自由を手にした人間は次に何を望むのか。
ジャンル:ノンジャンル〔ノンジャンル〕キーワード: 切ない 泣ける 死 最終更新日:2015/11/08 20:58 読了時間:約25分(12,207文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 2 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 2 pt |
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検索時間:0.0041439秒
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