時代は平安、おおらかな頃──。 火の御矢を賜り密かに都を守護してきた大納言家の娘・美夕姫は兄の友人・小次郎に想いを寄せていた。しかし小次郎の心に残るのは美夕姫の双子の兄・建との思い出で……。

ある日、顔の皮をはがれた男性の遺体が発見された。　それを皮切りに同様の事件が多発するが、誰からも行方不明捜索願が出されないという異常な状態が続き、世間は「皮剥ぎジャック」として恐れた。 神奈川に住む江島秀、24歳、ニート。　ある日彼は自分が過去の出来事をまったく思い出せなくなっていることに気付く。　路頭に迷っているとき、未来を完璧に予知するなぞの青年と出会う。 しかし彼の目の前に自分と全く同じ顔の男が現れて──。

【一目惚れした男前美少女が戦闘力最強の⚫⚫で俺より強いんですが、でも守るのは俺です】 【好きになった女の子がもしも大きな●●だったら、そのお腹でモフモフしたい…】 【～俺達を守るために強くなろうとする君を、本当は俺が全身全霊で守ってあげたい～】 　智樹は妹を探していた。脚が棒になるほど探し回っていたとき、真夜中の橋の上で今にも飛び降りそうなところに立っている美少女と目が合う。大雨で水量の増した濁流へと身を投じた彼女を追いかけて、自ら川へ飛び込んだ。 　水の中に入った途端、世界は反転する。　 　不慮の死を遂げた母。帰らない父。扱いにくい妹。それでも懸命に生きてきた智樹は、誰にも心を開けずにいた。そんな彼が一瞬で恋に落ちた相手は、探偵に拾われたという謎だらけのあみ。理不尽な暴力に虐げられた妹を救い出し、混乱する智樹を献身的に支える。暴行の記憶を失った妹・翔子の今後を案じ、加害者を成敗したことを下手な嘘で隠すあみに好意を抱いた智樹は、会う度に彼女にのめり込んでいく。 　一方、あみは探偵・啓介に拾われる前の記憶がない。余程ひどい過去があると薄っすら感じていたあみは過去から逃げずに戦う覚悟を決める。白いコートの女の気配に怯え、身体に異変を感じて戸惑いながらも自分自身の運命を受け入れようともがいていた。 　元刑事で行方不明捜索を得意とする探偵・啓介は、元妻の失踪事件を密かに追い続けていた。離婚の際に流産した娘がいたことを知らされ、自分には誰も幸せにできないと悟った彼は自分の胸にまっすぐ飛び込んで来た部下で相棒の佳純と恋人関係にある。警察内部の者しか知らない猟奇殺人と死体遺棄事件を追っていたが、死体解剖後に蘇ったように忽然と消えた少女の死体が脳裏に焼き付いていた。 　三人が出会う時、止まっていた時の歯車がゆっくりと動き出す。 　 ―――その謎を解いてはいけない。 《主人公》　 橘あみ　年齢不詳の少女　推定年齢17歳 永島智樹　18歳 高校三年生 橘啓介　38歳　あみの養父 探偵で元刑事 《登場人物》 村本佳純　30歳　啓介の恋人 現役の刑事 永島瑛子　享年31歳 永島翔子　16歳 高校二年生