作品情報
完結済(全2エピソード)
11,703文字
ホラー〔文芸〕
最終更新日:2025/07/06 00:00
島根県大田市、三瓶山の山間に位置する浮布池には、一基の水塔が存在する。
湖の中心に浮かぶその水塔は、いつからあるのか、誰が何のために建てたのか、誰も知らない──
「この不可解な構造物を、地域振興の核に据えられないか。」
観光振興課職員川上猛は、その構想のもと、各方面と調整を重ね、水塔の調査計画を立案。専門機関や学術関係者の協力を取り付け、ようやく実地調査に漕ぎ着けた。依頼した大学教授は一癖ある人物だったが、限られた予算の中で事業を進める川上は、文句が言える立場ではなかった。そんな中で、調査に同行して来た教授の娘の見目麗しさと、優しさは救いとなった。
調査は全三日間を予定。初日は外観と湖上構造の調査、二日目は非破壊検査機器等を用いた内部構造の調査、三日目にはデータの精査と補足調査を行う工程である。
そして、令和7年6月28日。初動調査はおおむね予定通りに進行し、初日の工程は問題なく終了した──
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません