イチオシレビュー一覧

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題名がちょっと気になるけど軽い感じかなぁって、暇つぶし感覚で読み始めたら・・・。
欲深さ・愚かさ・卑屈さ・保身などの弱さと絶望、献身・奉仕・正義感・使命感・思いやりなどの愛と希望が盛りだくさんでした。決して心に残る表現があるわけではないけれど、情景が思い浮かびやすくそれぞれの人物の気持ちがとてもよく伝わってきました。
よくある悲劇のヒロインが幸せに旅立ってなんて軽くなく、思慕と試練に立ち向かう強さと150年後の再生再会を経て、最後に美しい愛と希望にしてやられて号泣です。美しい感動をありがとうございました。
木山花名美さんが「天才」かどうかなんて、Ajuは知りません。
もしかしたら、ものすごい努力の末にここに辿り着いているかもしれないからです。
ただ、文字を書いて表現することを始めたAjuにとって、この作品と出会えたことは幸運でした。
もし「小説を書き始めた」という人が目の前に現れたら、この作品は読むように勧めるでしょう。
劇的な事件は何ひとつ起きません。
わずか1,781文字の中に描かれた、幸せと言えるであろう人生の中で静かに語られる「存在」のかたち。
多くの人がすでに読んでいるのでしょうが、もし「まだ」という人がいたら、ぜひ読んでみられることをお勧めします。
レビュー作品私達のそれは愛ではなかった木山花名美短編ヒューマンドラマ[文芸]
昨今の作品ではおざなりになりがちな転生後の記憶を取り戻すくだりも、それなら思い出すかもと思える説得力、その後もサンドラ嬢が突き進む道も生き残りと貴族の礼節を天秤にかければ死んだら元も子もないもんねと考えられれば他者からは奇行に見えても至って理解できる。そしてそれを他者から見ればコントになってしまう辺りを理解しテンポよく表現できている作者の文章力が冴える。主人公は至って真面目なのにユーモラスに感じてしまうのは何処かスポーツの珍プレーの様、狙ってやっているのではなく真面目に本気だから笑っちゃいけないのに笑えてしまうものに通じるとでも言うべきだろうか
主人公はしっかりと勉強はしていても世間知らず(致し方ないのだが)そういった事を重くならず、サンドラ嬢が闇落ちしない理解有る家族達といったほっこり要素を絡めて楽しいエンタメに落とし込める作者様の才に惚れ込んでいます
レビュー作品サンドラ・フェルセンは悪役ではない稲垣コウ完結済 / 全63エピソードハイファンタジー[ファンタジー]
異世界転生ものであり、ショタ主人公である。中身はおっさんだから純ショタじゃないのが残念だけど、それでもショタはショタだ。魔族だから長命種で、おっさんくらい生きててもショタの見た目だから良いのだろう。

そんな彼が挑むのは、人間との交流。そしてガタガタな状態の魔族の国の立て直しだ。

魔王が封印されて城にいる者が少ない、という設定で登場人物はわかりやすい数に絞った上で、各地に散らばった魔物と交流をしていくという形で順次出していく形式は巧い。話としてもわかりやすく、国のために何をするのかを見せるのにも有効だ。
まずは経済から、と堅実に立て直しを図る展開が好きだ。
その過程を丁寧に書いており、これからの展開が楽しみになってくる。

メインのヒロインが実の姉というのも、個人的にかなり好みでした。
最初はただの“ヤンキーの総番”として怖がられていた夏村さん。でも、勉強をきっかけに見えてきたのは、頑張り屋さんで、誰よりも仲間を大切に思う、繊細で優しい一面でした。ぶっきらぼうな言葉の裏にある思いやりや、少しずつ変わっていく彼女の姿に、読むたび胸が温かくなります。そして、そんな彼女をまっすぐに支えようとする「かず」の成長も、静かに心を打ちます。ふたりの関係が、勉強から信頼へ、そして少しずつ恋へと移り変わっていく過程が、丁寧に描かれていてとても素敵です。仲間たちやヤンキーたちの思いも絡まりながら、一人の女の子を“笑顔にしたい”という真っ直ぐな願いが、物語の芯にあって。青春の中にある優しさと絆が、じんわりと心に残る物語です。
皆さんの町にも、昔ながらのデパートはないでしょうか。地元の人たちに愛されるデパート、小さな頃に家族に連れられて、ちょっと特別な買い物に出かけたドキドキした記憶がある方もいらっしゃるでしょう。地下食品売り場にあるくるくる回るお菓子売り場の魅力は相当なものでしたよね。

さて、そんなデパートにはつきものだった屋上遊園地が今回の主役です。遊園地が舞台ではなく主役なんです。

デパートのビルの一番上にある星野屋上遊園地。かつては大勢のお客さんでにぎわっていたそこもすっかりさびれ、とうとう今月で閉園が決まってしまいました。かつてのキラキラした輝きを取り戻したいと願った遊園地の遊具たちは、夜空の星を集めようと立ち上がります。そして信じられないような奇跡が起きた時、彼らは……。

懐かしいあの頃を思い出しながら、家族とアルバム片手におしゃべりをしたくなる。そんな優しい物語です。
レビュー作品星野屋上遊園地あき伽耶短編童話[その他]
昨今の探偵小説は、どちらかというとポップな作風のものが多い気がします。
そのほうが幅広い読者から支持されますし、世相にも合っているのでしょうが、中には古き良き時代の、ハードボイルドな探偵小説が読みたいという方もいるはず!
そんなあなたの朗報です!
本格派作家が紡ぐ、純度100%のハードボイルド探偵小説がここにあります!
この機会に、是非ご高覧ください♪
 吹奏楽部には華やかで楽しそうだけど練習は大変そう……みたいなイメージがありませんか?
 きっとその認識は何も間違ってはおりませんが、この作品を読むとそれだけの認識だとあまりにも甘すぎると思い知らされます。
 吹奏楽のコンクール自体が大変厳しいため、彼らもとても厳しい練習をしなければならないのです。
 それはもう半端な気持ちではすぐに逃げ出したくなるほどの苦痛でしょう。
 だけど、それだけの苦痛を耐えても代表として選ばれるのは、100人以上いる部員の中から55人だけ。
 作者様はその55の人の1人に選ばれましたが、それは今まで耐えた苦痛よりも大変な練習が待っておりました。
 だけどそんなことにがむしゃらについて行く姿には、尊敬と感動を感じずにはいられません。
 吹奏楽部の活動は単なる青春じゃない、これは強い覚悟と努力を担う宿命なのだと強く感じました。
 是非この熱い作品を今1度ご覧あれ!
レビュー作品吹奏楽の甲子園みこと完結済 / 全3エピソードヒューマンドラマ[文芸]
 平民の娘セレスと皇太子ユージンが身勝手に婚約破棄をしようとするお話です。
 婚約破棄しようとする相手はミリアという女性です。

 仮面舞踏会という設定上、相手が誰なのかが分からない状況を上手く使っているなと思いました。
 セレス達は自分が分かっている情報を前提にして、勝手に話を進めていきます。
 その会話や、考えていることが、悪い意味で人間らしさがあって、面白かったです。

 途中で、正体不明の美女が現れ、物語は別の方向へ動いていきます。
 この美女が現れたあたりで、主の視点が変わってくるのですが、その展開が珍しく読んでいて「そうきたか!」と思いました。
 
 お話自体は短編で分かりやすく、悪役令嬢モノの「ざまぁ」が爽快に楽しめます。
 
 悪役令嬢モノがお好きな方には、ぜひオススメしたいです!
一気読みしました!

爽快感のあるストーリーとキャラクター、違和感なく物語にのめり込ませる文章。

さらに、ラストは結婚式の場面が省かれず描かれています!

最近のなろうは書籍化を当て込んでわざと一番読みたい部分を省いて完結を打つ作品が多くて、消化不振に陥ることが多かったので、これには大満足!

まだまだ書き込めるだろう隙間エピソードを追加して是非書籍化してほしいです!

書籍化した暁にはもちろん課金させていただきます!
レビュー作品ワンコ王子は下町令嬢の気を引くのに精いっぱいです蒼黒せい完結済 / 全16エピソード異世界[恋愛]