イチオシレビュー一覧

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ありふれた幸福も平穏も、永遠ではないーー。

そんなことを教えてくれるような作品だと思いました。

日常の中のちょっとした思い出。
落ち着いた平穏。
くすっと笑えるような瞬間。

それらだって当たり前にあるものではないのです。

だからこそ、小さな幸福にも目を向けて、大切にしなくてはならないと思いました。

しっとりしていて考えさせられる、とても素敵な作品です。
愛に満ちています。
男女の付き合いに口を挟むのって不粋じゃん?
そいつら同士にしか分からないことってあるやんな?
でもさ?
はたから見ても分かるぐらいに不憫なカップルっておるよな?
相手にされてないのにひたすら貢ぐ男。
相手にされてないのにひたすら話しかける女。
恋人どころか餌ぐらいにしか思われてないよな?

しかも!
そのあげくに捨てられたりなんかしたら?

縁が切れてラッキーって言えるぐらいのメンタルがあれば!
最初からそんな相手に引っかかってないわ!

じゃあどうすればいいんだよ!
誰が助けてくれるんだよ!

読めば分かります。
主人公である男子高校生は同じ美術部の先輩のことが好きだが、彼女は百合なので、女の子にしか興味ない。

そんな事実を知ってしまった可哀想な後輩くんの前に、ある悪魔が現れてきた。

その悪魔の力で彼の体は女の子に変えられたが、『キスしたら元に戻る』という条件がある。

こうやって女の子になった後輩は大好きな先輩と百合百合することができたが、もしキスしてしまったらこれは終わり……。そんな矛盾の中の恋物語でした。

これはよく面白く書かれたTS百合作品です。

ただし、少し欠点もあります。
- キャラに名前がないので、わかりにくいところもある
- 各話にサブタイトルがないので、ちょっと不便
- 短すぎてあっさりと終わるので、なんか寂しいって感じは残る

それでもおすすめできるいい作品だと思います。
レビュー作品僕を女の子にしたのは質の悪い悪魔でした姫崎しう連載中 / 全8エピソード現実世界[恋愛]
自転車はチェーンが外れることがあるし、パンクしたりするし、停める場所も探さないといけない。
だから少年は、どこへ行くにも歩くか、あるいは走った。たとえ遠くの公園だろうとお構いなし。暗くなったらお月さまとかけっこだ。

人間の「歩み」とは、偉大なものだ。歩ける距離もそうだが、概念的な意味でも当てはまる。人類は不可能を可能にするため、歴史という道の上を一歩、また一歩と進んでいき、そして新発見や新発明という名前の足跡を残していった。

そんな、「歩くこと」に並々ならぬ情熱を持つ主人公は、やがて……。
レビュー作品どこへでも行けるさ海堂直也短編純文学[文芸]
大好きだった彼女。
首筋から漂うレモンの香りが大好きだった。

ずっと一緒にいられると思っていた。

別れの日は唐突に訪れる。
桜吹雪の舞う交差点で、彼女から離れた私は一人置いて行かれて、桜の中に紛れてしまう。


悲しい別れを描かいた作品。
あまりに切ない文章が胸を打つ。

大切なものとの別れ、そして思わぬ形での再会。
1000字に詰め込まれた切ない物語。
途中で「そういうことだったのか」と気づかされる驚きもある。

構成力の高さに思わず脱帽。
すごいです。
レビュー作品桜吹雪の交差点でkayako短編ヒューマンドラマ[文芸]
プログラムに関するオンラインセミナーを受講中。
唐突にある生理現象に悩まされる。

このままでは他の受講者に音でばれてしまう。
いったいどうやってこの難局を乗り切るか?!



たった1000文字の短い物語の中で、目まぐるしく思考を巡らせる主人公。
我々も普段から直面するであろう日常的な問題に、真っ向から立ち向かっていく。

最後には予想もつかないオチが待っている。
ニヤッと笑いたかったら是非とも読んで欲しい。
一切の記憶を無くしている主人公。目が覚めると、ベージュ一色の部屋の中にいた。主人公はその部屋に見覚えが無く、部屋には鍵がかかっている。
部屋の探索を終えて眠りにつく主人公。しかし次の日、今度は部屋の中が黄色一色になっており、部屋の間取りや家具の種類も変わっているようで……。

日が進むごとに色が変わる部屋に閉じ込められた主人公。その七日間の様子を描いた作品です。
真相などについてはあまり多くは語らず、読者の皆様の想像に任せるスタイルですが、判断材料はそれなりに多く、謎解きメインとして見ると、とても良い塩梅な作品とも感じました。

部屋の内装が変わる意味。部屋の色の法則性。
作品を読み終えた後、改めてその世界観や残された謎について、再考察して答えが出た時の快感を味わいたい。そんな読者様にお勧めしたい作品でした。
レビュー作品THE ROOMいでっち51号完結済 / 全8エピソードヒューマンドラマ[文芸]
「第3回下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞」(なろうラジオ大賞3)参加作品です。

ジャンルは異世界恋愛。文字数はおなじみこの企画の制限数の千字ジャスト。

さて、主人公は大変魔力の高い伯爵令嬢。冒頭から婚約者である王太子から婚約破棄を言い渡されます。

その理由が「暇さえあれば聖女に氷魔法をぶつける。公式行事はおろか、非公式の茶会にさえ聖女の参加を許さない。窓も暖炉もない小屋に押し込め、食事は冷え切ったもののみ」

これだけ読めば主人公が悪い。しかしっ! しかしっ! 聖女には重大な秘密が……

そこは実際に読んでお確かめください。

僅か千字の中に凝縮された婚約破棄からのざまあ。あなたも堪能してみてください。
※この投稿者は退会しています
異世界恋愛やハイファンタジーを読んでいると、一度は考え込ませる異世界サンドウィッチ問題!

私自身はある程度許容されても良いのでは、と思っているのですがそうじゃない人も多そうです。

本作はその異世界サンドウィッチ問題に鋭く切り込んでいます。

サンドウィッチ以外にも次々と事例が紹介され勉強になります。

そして最後のオチ。

楽しく読んでくださいね。


 誰にも悩みを打ち明けられない。 
 幸せな家庭、幸せな母、幸せなママ、誰かに不安を悟られたくないと役割を演じて行く内に育児ノイローゼの沼に嵌まって行く。
 夫にお隣さんに、本音をかくし、子供たちに善き母であろうとする程に自分を亡くしていく。
 そんな主人公は、誰かに「助けて」と言うことすら忘れていく。
 破滅する主人公を救うのは、本心からの優しさだった。
 
 誰の心にも、羽根を休める止まり木が必要で、そんな休息が与える安らぎが、そこにある幸せを気付かせてくれる。
 そんな事を思い出させてくれます。

 私もあなたの止まり木になれますか。
 心を痛めて、救いを叫ぶことすら忘れてしまった誰かに、優しく問い掛けてみたくなる。
 そんな、優しさに溢れた短編です。
レビュー作品助けてという言葉を忘れていためみあ短編ヒューマンドラマ[文芸]