自分にはできないと思うことでも、大切な誰かのためであれば頑張れたという経験はありませんか? なんとも不思議なもので、自分のためではなく誰かのためにこそ発揮される底力というものが私たちには備わっているようなのです。
この物語の主人公シーファも、大切なひとのために力を発揮したひとり。海に住む人魚のシーファの実の両親は、人魚の王さまと王さまに一目ぼれされた美しいエウレナという女性です。様々な事情から祖母に育てられたシーファは、両親のロマンスを知りながらもどこか遠い物語として認識していました。
ところがそんなある日、シーファの友人であるロメルが襲われ毒に倒れてしまいます。大切なロメルを助けるため、シーファは陸へ向かうことになり、そこで衝撃の真実を知ることになります。白の魔女、黒の魔女の秘密、そしてシーファの選択とは? 物語のその後をついつい想像したくなる作品です。