よく練られた戦術、戦略に予測不可能なシナリオ展開はまさに圧巻の一言。大小様々な国がそれぞれの利益を求めて争いあるいは同盟を結び、時に裏切る。もちろん国のなかでも権力のせめぎ合いがあってそれもまた面白い。
本格戦記として魔法もなければ現代兵器も現代知識もない。あるのは知将たちの圧倒的な魅力と複雑に絡まりあった権力者達の駆け引きのみ。
ぜひこの『愚者達の戦記』の世界に浸ってみませんか？

自分が異性に生まれ変わったならどうなるでしょう？僕は男なので主人公に重ねて読んでいきました。男だった自分がその意識を保ったまま、女に生まれ変わったときに考えるだろうことを追体験しつつ楽しむことができます。また、異世界転生ものながら、勇者になったり魔王になったり冒険者になるといった展開ではなく、ヨーロッパ風の世界で社会的ステータスの高い家にうまれた設定になっているところがこの作品の売りでしょう。魔物や魔法も登場しますが、ありふれた異世界転生ものとは違う雰囲気を味わえます。よくある異世界転生ものがちょっと飽きてきたと思う人にはオススメです！

この作品のキーワードから分かる通りのダークファンタジー。
一部と二部で分かれていて、一部は戦闘力が最強に近くとも何でもできる訳じゃない男の子が主人公。
対して二部は一部で会った男装だけが取り柄で、出自が普通じゃないけど普通の一般人の女の子、が成長した女の人が主人公。

以降、長くなるのでレビューらしくお勧めできるところを箇条書き。

・身悶えするほどの厨2病ネームの魔法と固有名詞
・ヒロインが多いがそれぞれのヒロインに見せ場がある
・キーワード通りの絶望へ突き進んでいく内容で、先が気になり話も分厚い
・一人称で進み敵側の視点がない
よって、いきなり話に巻き込まれるが、逆に言えば主人公とその周辺の一生を読んでいると思えば、納得する出来

・単純に話数が500話に近く文字数もある方なので読み応えあり

未書籍化作品だが、それぞれのキャラの絵を是非見たい良作品。

　ＳＦ好きの方には当然おすすめですが、ＳＦはちょっと……と思われたそこのあなた様、大丈夫です、導入部はみなさまの見知ったファンタジーとなっております。
　読みやすく情景の浮かぶ文章を読み進むうちに、自然とＳＦの世界へと誘導されているでしょう。

　ファンタジーとＳＦ、二つの世界の命運をかけた壮大な物語で、タイトルの意味が分かる頃には、この作品から目が離せなくなっていると思います。

　そしてキャラクターも魅力的です。

　主人公のアレックス。
　魔術の存在するファンタジー世界で、母を失いながらも懸命に生き抜く少年。
　繊細で誠実、自責で心をすり減らし、自暴自棄にもなりきれず、最後は思い出すら否定されてしまう。
　思わず応援したくなる彼の体験を通して、読者は世界を知っていきます。

　他にも……ああ文字数が、埋もれている良作です！　どうか人目に触れるチャンスをくださいっ！

主人公だけでなく、周りの人間の描写もとてもわかりやすい。読者が読み取りやすくなっていると思う。

私が注目した点は「設定」もある。
この物語の設定の良さは、異世界でありつつ現実世界のようでもあるところにある。
今までのなろう小説は、異世界というと無双・チートなどが多く、現実世界では恋愛物が多い。
しかし、このような異世界なのに現実世界の常識を当てはめる、近未来の科学のようであり魔法もある。といった形式のものを少なくとも私は知らない。
新しいジャンルで新しい挑戦ではあるが、作者さんには頑張って言ってほしい。
私がここで喋ってもあまり伝わらないかもしれない。
百聞は一見にしかず。
貴方も1度見てみては？

なろうの作品は相手が弱く、相対的に主人公が強いような設定が多い。最初は奇抜さを武器にして読者を心を掴んでおいて、終盤はひょろひょろと尻すぼみになるケースが多いがこの作品は違う。絶望的な状況の中、主人公が根性とちょっとした工夫で乗り越えていく。
主人公の行動にイラつくこともあるが、その部分は後半に明らかになる。違和感を感じた方はなぜそういう行動を取ったか、推理しつつ読むのも面白いかもしれない。チートやハーレムに飽きた人、追い詰められた人間は強いという設定が好きな人は是非読んでみてください。

この作品で一番に注目すべきなのは主人公の心情の移り変わりである。

正直、あらすじを読まなかったら一話、二話をみて孤独、切なさが描かれるストーリーだと思う方が多いと思うが死んでからギャグに移る、その移り変わりのタイミングがとてもうまいと感じた。

この先も読み続けていきたいと思えるような読みやすさ、独自の面白さが備わっている。

ウォーキングデットやバイオハザードなどなどいわゆるゾンビ物は世に腐る程ある。ゾンビなだけに。



さて、なろうにおいてもゾンビ系の小説は数多くある。それらゾンビ系の面白さは主人公が過酷な世界を生き抜く野性味などなど、どちらかといえば感情やヒューマンストリーにその焦点が置かれている。

その点においては「リビングデットの建国記」は一線を画している。論理と設定でもって読者を楽しませるという従来のゾンビ系とは違った視点から書かれているのだ。短いながらも、何度も読み返してしまうほどの綺麗な文章。文のいたるとこから伝わる著者の想像力の豊かさ。

レビューという限られた文だけでは伝えられない独創的な作品だ。是非とも、一読してもらいたい。

一つ言っておく。この作品には男という血に狂った超肉食系女子しかいない。草食系女子などいない。
大人しい女性なんていない。一皮剥ければティラノサウルスもびっくりの超肉食。

「男として生まれたからにはいろんな女の子とデートしたり、手をつなぎたいし、果ては～」と思っていた。
これを読むまではそう思っていた。貞操逆転男女比狂ってる作品は常々そう思っていた。
…この作品は違う。パない。この世界は男とみれば女性が大海嘯のごとく迫る。

けれども、この作品はそんな世界であっても行ってみたい。この女の子に会ってみたいと思わせる何かがある。
あの娘となら…と読みながら思う。特にメインヒロインの2人。

話自体は軽快に進むので、そういった人にはお勧めの作品の一つ。レビューのためにアカウントとったぐらい。

『異世界最強』『チート』『ハーレム』……
なろうに溢れる数多くの作品に多く含まれる所謂『テンプレ作品』。それらに対し、「それ、本当に面白いですか？」と真正面から斬り込む。

自己満足の自慰行為で小説を書いている人は見ないでほしい。

自分の作品で、自分の創造力の結晶で人を楽しませたい、いいものを書きたいと思っている「作家」にこそ読んでほしいエッセイである。

テンプレ設定で「キャラ」ではなく「人間」を書く。そのために必要な考え方や意識がここにはある。